プラチンブリの風 第16章 SEPTEMBER 19 By Harry H.
アメリカのSEPTEMBER 11(eleven)は、9周年を迎えるが、タイの9月19日は、革命4周年記念日に当たる。2006年、タクシン氏が海外に出かけている間、軍部が革命を起こした日だ。
19日、首都バンコクとタクシン氏出身の北部チェンマイで、大規模な集会が催された。バンコクでは、5000人ほどの赤シャツ隊が、伊勢丹前のラチャプラソン交差点に集まり、気勢を挙げたが、特段の混乱もなく解散した。HARRYは、この日、日本から来た友人に会うために、バンコクに出向いたが、赤シャツ隊の姿を見ることはなく、普段の週末のように人出が多く、平穏だった。
バンコク首都を初め七つの県で、いまだ、非常事態宣言(EMERGENCY DECREE)が出されたままだ。バンコクでは、このところ、BTS(スカイトレイン:高架鉄道)の各駅には、銃を構えた兵士が2名ほど警戒にあたっている。5月19日に、バンコク中心街でのUDDの不法占拠が解除されてからも、バンコクをはじめ、各地で爆破(未遂)事件が起きている。
4年前の2006年9月19日は、正に、HARRYが、タイのシーラチャ(チョンブリ県)に赴任すべく、深夜スワナプーム空港に到着した日であるので、鮮明に覚えている。搭乗した機長から、バンコクで何か事件があったが、今は、平穏に戻っているーーという機内アナウンスがあったが、まさか革命があったとは、その時はわからなかった。空港には、兵士の姿は、一人も見当たらず、HARRYが、革命が起きたことを知ったのは、翌日20日になってからである。
長引く政治不安で、海外からの観光客は、減っており、つい最近、スワナプーム空港へ海外から来る外国人客の数が、いままで一番だった日本が、中国に抜かれた。8月にアユタヤに行った時も、日本人観光客は、数えるほどしか居なかった。
最近のいろいろな調査結果を見ると、今のタイの不安定な政情が反映されている。
① NEWSWEEK紙が、8月に実施した調査:【世界の住みやすい国】
100カ国中、タイは58位。因みに、1位はフィンランド、日本は9位。
② バンコクポールが、7月に実施した調査:【バンコクの最大生活リスクは?】
1146人の有権者を対象に調査。10点満点で、政治が7.59とトップ。
③ ECONOMIST INTELLIGENCE UNITが、6月に実施した調査:【世界の平和度】
149カ国中、タイは124位。因みに、1位はニュージーランド、日本は3位。
(2010年9月22日記)