ルーマニア滞在記 (第10章) By Harry H.
日本語クラス
日本武蔵野文化センターでの日本語クラスは1995年から始まっており、すでに10年の歴史がある。Harry が滞在した年には初級から上級まで9クラスが、1月から12月まで1年を通して、毎日(月曜日から金曜日)開催された。授業料は無料である。平均年齢は20歳で高校生や大学生が中心だ。開講時にアンケートをとると、日本語を学ぶ動機は日本や日本文化に対する興味・関心というのが多い。日本語を学んでも、即就職に有利になるという環境ではないが、知的好奇心が強い国なのである。
初級はスタート時の1月には120人くらいと大勢だが、12月になると20人ほどになり開講時に比べると六分の一まで落ち込む。授業についてゆけなくて止める人もいれば、大学のクラスの都合で来られなく生徒もいる。進捗状況を確認する意味で、ときどきミニテストを実施するが、概して成績が良いのは女性で、しかも最後まで続くのも女性だ。どの国も同じか!?
当センターには、先に登場した“料理の鉄人”ことMさんが日本語教師としているが、一人で9クラスを担当するのは大変なので、Harryも2クラスを受け持った。Haaryはここルーマニアに来る前に、アメリカのアラバマ州の大学で日本語教師として教鞭を取っていた経験がある。最初はまったく日本語が分からない生徒たちが、1年近くも経つと平仮名や片仮名を読んだり書いたりできるようになるのを見ているとやりがいがある。漢字は、カナやローマ字に比べて複雑なこともあって、どうも苦手な生徒が多い。
毎年3月、在ルーマニア日本大使館主催の日本語弁論大会がブカレストで開催される。わがセンターからも毎年エントリーして、常に上位を占めている。2004年には、初級と中級からそれぞれ1名がエントリーし、初級は特別賞、中級では3位に入賞した。さらにブカレスト大学から上級でエントリーした学生は優勝をしたが、彼女は我がセンターで日本語を勉強した学生である。まさに10年間の日本語クラスの歴史がもたらした効果であるが、大会に出席したHarryは日本語教師のMさん共々大いに感激した。日本語教育に関しては、“ルーマニアに武蔵野センターあり”である。
*写真上と下・右は日本語クラスの授業風景、下・左は日本語弁論大会あとレセプション会場で、Harryと生徒たち
(UncleSam) アンクルサムは45歳のころ、英会話のスクールに1年ほど通学した。理由は中学・高校・大学と10年間英語を学んできたのに、旅行は別として仕事では(英語なのに)ヒアリングも出来なければ話すこともままならないからだ。今でも英会話は苦手だ。日本語になじむ機会がまったくなかったブラショフのセンターの生徒たち、1年経つとそこそこに話すというからルーマニア人がすごいのか、M先生がすごいのか、ビックリである。