女性皇族は、宮家の当主になれなくても「当主格」になることはできる。
現行の仕組みでも、宮家当主である男性皇族の薨去後に宮家の中にいる女性皇族が宮家の当主格になることは可能である。
秩父宮殿下、高松宮殿下、三笠宮殿下、高円宮殿下が薨去されたあとは、それぞれの妃殿下が当主格になっている。
皇室の歴史上、皇統に属する女性皇族が当主となった宮家は、江戸時代に桂宮を継承した淑子内親王(仁孝天皇の第三皇女)の一例だけである。桂宮家は、当主が死去して継承者が不在になったため、中継ぎとして前当主の異母姉であった淑子内親王が当主となった。婚約者であった閑院宮愛仁親王が結婚前に死去して独身であった淑子内親王は、桂宮を継承した後も結婚することはなく、淑子内親王の死去により桂宮は断絶した。
宮家には、各宮家の祭祀がある。
宮家が断絶すると、その宮家が引き継がれた祭祀を他の宮家が引き継がれることがある。
秋篠宮家は秩父宮高松宮の祭祀を引き継ぎいでいるように、宮家の祭祀を行うのも宮家の大切な役割なのだ。
三笠宮妃殿下が薨去されたら三笠宮はどうなるのか、という話を聞くことがある。父親の三笠宮寬仁親王は三笠宮寛仁親王家として独立していたが、薨去の後当主格を信子妃殿下とするか彬子女王殿下とするかでもめて、結局三笠宮に合流することになった。
現在三笠宮家の当主格である妃殿下が薨去されたら、三笠宮尊仁親王殿下の直系の孫である彬子女王殿下が当主格となって三笠宮の祭祀を引き継いで行かれるのだろう。
おそらく御本人もその覚悟でしょう。
三笠宮妃殿下が薨去されたら、未婚の女王方は経済的に苦しくなるので、皇居内で生きていけず降嫁するしかないという意見もあるが、そんなことはないでしょう。