endy's teapot

今朝のSKshow!

今朝の産経抄(8/15)「国防意識って国を思う気持ち」

2004年08月22日 | skshow
原文はこちら



論理構造タイプ: エッセイ型
出現テクニック:「」,専門家
インプレッション:産経らしさ ◎ 構造の魅力 × 読みごたえ △

●分析前の一言
終戦記念日の話題.追悼型とおもいきや,エッセイに近いのでエッセイに分類.単純反復にしようかどうか悩みました.我田引水的なので,こんなにひどいのもそうないのではないか.小欄以外では内容に盛り上がってることでしょう.

●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]話題の提供
 [論理構造]「」
 [中心人物]
 [分析]”それは「バビロン作戦」と呼ばれた。”
それは,~と呼ばれた.ナレーションのような語り口で始まるのも,定番の書き出しと言えよう.

→第2パラグラフ
 [概要]報道の紹介
 [論理構造]倒置
 [中心人物]ヤドリン氏
 [分析]”そのときのパイロット”の紹介
→第3パラグラフ
 [概要]ロングパラグラフ
 [論理構造]
 [中心人物]ヤドリン氏
 [分析]ここまでは,ヤドリン氏の行動の紹介
→第4パラグラフ
 [概要]筆者の考察
 [論理構造]プチ枕
 [中心人物]
 [分析]イスラエルの国の歴史に対する考察.といえば,聞こえがいいが,少々筆致が強すぎないか.

→第5パラグラフ
 [概要]筆者の主張
 [論理構造]一部の
 [中心人物]
 [分析]”だからこそ英霊の魂を癒やす「靖国の心」をどの外国人、いや一部の日本人などより素直に感じ取れるのだろう。”
論点が全然違うんだろうね.この”だから”は”国防の気概はどの国より強い”を受けるのだが,国防の気概から,英霊はみちびけないよな.
”ユダヤ人の亡国時代にも日本が皇統”時間の感覚が全然あってなくないか.(単純な疑問.ユダヤが国を追われたのは,バビロンにしろ,ローマ占領にしろ,天皇家のての字もない時代の話.)

→第6パラグラフ
 [概要]筆者の主張
 [論理構造]反語,さげ
 [中心人物]イスラエル
 [分析]
”パレスチナ要人の仮借なき暗殺などに世界の目は厳しいが、「国を想(おも)う心」は日本の範ではないか。”
反対のことを書いていながら,逆説の接続助詞”が”でいとも簡単に切って捨てている.産経得意の自説主張のパタン.しかも接続助詞の前後で論点がかみ合っていないところが凄い.

●今日のあとがき
今日は特に強い口調のレトリックが目立つので,ピックアップしてみる.

木っ端みじん
電撃攻撃
仇敵(きゅうてき)
決死の任務
ビリリと琴線に触れる
絶句して目を凝らし
二千年にも及ぶ亡国の歴史
祖国再建を果たした
中東戦争を戦い抜き
パレスチナとの骨肉の抗争
国防の気概
亡国時代
日本が皇統
強い国防意識
要人の仮借なき暗殺
日本の範


今朝の産経抄(8/14)「短歌 長夏の」

2004年08月15日 | skshow
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論理構造タイプ: エッセイ型
出現テクニック:「」,専門家
インプレッション:産経らしさ △ 構造の魅力 × 読みごたえ △

●分析前の一言
コラムも夏休み.書評にもなっていない不思議なコラム

●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]話題の紹介,筆者の感想
 [論理構造]専門家
 [中心人物]短歌
 [分析]”先日、通勤で降りるべき駅を乗り過ごした。”
臨場感の表現
→第2パラグラフ
 [概要]ロングパラグラフ
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]
→第3パラグラフ
 [概要]事例紹介
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]
→第4パラグラフ
 [概要]ロングパラグラフ
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]
→第5パラグラフ
 [概要]ロングパラグラフ
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]
→第6パラグラフ
 [概要]ロングパラグラフ
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]

●今日のあとがき
斉藤茂吉や小林秀雄を紹介したのは,戦争肯定のプチ枕的にも
見えるが,批判している相手が不明確
なんか,夏の陽炎のようなコラム.構造的にみるものなし.

今朝の産経抄(8/13)「”靖国でなくては” が普通の感覚なのか」

2004年08月13日 | skshow
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論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック:「」,専門家,さげ 落語枕 一部の人 といえば 擬態 反語 ロングパラグラフ プチ枕 中心人物 事例紹介
インプレッション:産経らしさ ◎ 構造の魅力 △ 読みごたえ △

●分析前の一言
最近「長い」という指摘を受けました.項目名とかを整理したら行数が増えました.なるべくここで,一言で本質を言い当てて,忙しい人にもきてもらえるようにします.

今日は,靖国問題.専門家を代わる代わる登場させ,最後に一般の人の言葉も紹介して,人の発言で押しまくっている.


●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]報道の紹介,筆者の考察
 [論理構造]専門家
 [中心人物]
 [分析]報道に対して,同一パラグラフでの主張
→第2パラグラフ
 [概要]報道の紹介,事例紹介
 [論理構造]専門家
 [中心人物]
 [分析]主張を裏付ける材料の提示.専門家を登場させる
→第3パラグラフ
 [概要]報道の紹介 別の人を
 [論理構造]専門家 「」
 [中心人物]天皇,石原慎太郎
 [分析]さらに専門家を登場させている
→第4パラグラフ
 [概要]報道の紹介 別の人を
 [論理構造]天皇,亀井静香
 [中心人物]
 [分析]これで,3人目 亀井静香は高校の先輩らしい
→第5パラグラフ
 [概要]筆者の主張
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]上記の石原,亀井氏の発言を総括して自分の主張に転嫁
→第6パラグラフ
 [概要]さげ
 [論理構造]さげ,反語(ちょっと)
 [中心人物]酒井順子
 [分析]一般の読者という存在が反語的.ソフトな文末を作り出している.

●今日のあとがき
 得意なないようですよね.
 中身には立ち入らないことにしていますが,靖国でなくてはいけない人がいるのが多いことが伺えますが,靖国以外で戦死,戦没者を悼むことが実現すれば問題はほとんどないのでは.そんな簡単に整理できれば,苦労はないか.
誰が折れるかの問題のような気がしますね.

今朝の産経抄(8/12)「クーベルタンも心臓バクバク」

2004年08月12日 | skshow
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論理構造タイプ: エッセイ型
出現テクニック:「」,専門家,事例紹介
インプレッション:産経らしさ △ 構造の魅力 △ 読みごたえ △

●分析前の一言
エッセイ,軽く読めるが,中身もそれなり

●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]話題の提供
 [論理構造]「」
 [中心人物]
 [分析]事実の紹介.アテネオリンピックで活躍する女性の紹介
→第2パラグラフ
 [概要]ロングパラグラフ
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]
→第3パラグラフ
 [概要]歴史事実の紹介
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]古代の事例
→第4パラグラフ
 [概要]歴史事実の紹介
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]近代オリンピックの初期の事例紹介
→第5パラグラフ
 [概要]報道の紹介
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]現代の女性の活躍の紹介に戻ってきている.
→第6パラグラフ
 [概要]筆者の感想,歴史事実の紹介
 [論理構造]さげ
 [中心人物]
 [分析]女性の活躍を創始者の気持ちを通じて展開

●今日のあとがき
内容が少ない分,想像をめぐらす.政治的な話題ではないので
突っ込みもないとおもうので...

・ボクシングも実は,女性の間で人気だということなんで,
男性しかできないスポーツって何があるんだろうかって
考えてしまう.

・「女性が見せ物になっては困る」という女性保護の発想って
なんか,逆なようなきがしませんか.保護していているようで,
見下しているような.レディーファーストって女性を尊重するとは全くことなくって聞くけど,こういう例なのねって感じです.

今朝の産経抄(8/11)「右から昇るシベリアの陽」

2004年08月12日 | skshow
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論理構造タイプ: エッセイ型
出現テクニック:「」,専門家,さげ 事例紹介
インプレッション:産経らしさ ○ 構造の魅力 △ 読みごたえ ◎

●分析前の一言
主張型の内容がエッセイ風の構造で書かれている.内容が面白い(感想は他の方におまかせ)

●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]歴史事実の紹介
 [論理構造]「」
 [中心人物]シベリア
 [分析]“異国の丘”って,本当はどこを指すのか実は知らないのですが,8月らしい事例の紹介.まずは"事実"の列挙
→第2パラグラフ
 [概要]専門家
 [論理構造]事例紹介
 [中心人物]牧冬彦
 [分析]"読者・牧冬彦さんが" ほんとうに市井の人なら名前なんぞださない.物書きなら肩書をつける.これはただ者ではないというのを予感させる書き出し.

→第3パラグラフ
 [概要]ロングパラグラフ 手記の紹介
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]
→第4パラグラフ
 [概要]ロングパラグラフ 手記の紹介
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]
→第5パラグラフ
 [概要]ロングパラグラフ 手記の紹介,筆者の感想
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]
→第6パラグラフ
 [概要]筆者の感想
 [論理構造]さげ
 [中心人物]
 [分析]通常の産経抄の展開なら,ここまでのくだりをすべて"枕"にして,自説を主張するのだろうが,抑制された文章のおかげで,文章全体の迫力をますことができている.
人の書いた文章を引用して,自説の代わりに主張するのはいかがなものかといつもいっているのだが,今日に限ってはそれが成功している.
「私たちの祖国」
「戦争とその後に起きたソ連帝国の巨大な愚行は、決して消えることはない。永久凍土に埋もれたマンモス象のように」

余計な説明をつけないほうがいいこともあるということがわかった.


●今日のあとがき
いつもなら
"又聞きの疑似体験で,平和平和と騒ぐ一部のマスコミの主張に比べれば,実体験のもつ迫力はタイガの森林のように広く深い"
なんて,感じになりそうです.

"牧さんはいま八十一歳、神戸製鋼所の元社長である。"
最後にこれを入れるかどうか.
-権威のすきな日本人としては氏素性がわかってほっとする.
-日本を動かしてきた人にこういう体験をもった人がいる限り
変なことにはならないとおもう.
-やはり,有名人でないと紹介されないのね.とおもう.
どうでしょう.

今朝の産経抄(8/10)「中国人の愛国心」

2004年08月10日 | skshow
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論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック:「」,専門家, 一部の人 といえば 擬態 反語 ロングパラグラフ プチ枕 中心人物 事例紹介
インプレッション:産経らしさ ◎ 構造の魅力 ○ 読みごたえ ○

●分析前の一言
どなたかが,2chで小欄を紹介されたとのこと.中身を議論されている方には物足りなかったのでは(笑)
さて,今日も産経らしい内容です.イラク拉致事件日本人説に匹敵するくらい.ただ,それがきちんと論じられているのかどうかをこれから見ていきます.



●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]報道の紹介,筆者の主張
 [論理構造]専門家
 [中心人物]中国
 [分析]いきなり主張がくる.安定した常識感からすると反語だからだ.
"小欄はヘソ曲がりだから少し別の見方をしている。"
すきな人はそうだそうだと共感するだろうが.こういう"へそ曲がり"かどうかは読み手が決めることなんで,"わたしってへそまがりみたぃ" みたいなストレートにカミングアウトしすぎかなという感じ.
→第2パラグラフ
 [概要]筆者の考察
 [論理構造]
 [中心人物]中国
 [分析]第一パラグラフの理由を考察している.
→第3パラグラフ
 [概要]筆者の考察の続き
 [論理構造]反語
 [中心人物]
 [分析]反語の例文のような使い方.骨子がわかるように中身を抜いてみた.中身をみたい人は原文をみてください.
"~などは一部~の蛮行であって、← 事象の限定
あれで~全体の~を推し量ってはなるまい。← 自説と異なる主張を一回展開
確かにそれはそうだが、← その主張に疑問をつけて

この~はどこからきているか。← 疑問の原因をさぐり
~は明白だろう。← 疑問を解決する形で,自説を主張する.

反対意見を論破することによって自説を主張するともっと主張が明確になるという好例


→第4パラグラフ
 [概要]筆者の主張 事例紹介
 [論理構造]「」
 [中心人物]中国
 [分析]故事からの引用.中国だとやりたくなるよね.きっと

→第5パラグラフ
 [概要]筆者の考察
 [論理構造]
 [中心人物]中国スポークスマン
 [分析]
"「一部の日本メディアが少数の人間の行為を誇張して報じ、政治問題化させているのは遺憾である」と語っているのをテレビで見て思わず笑ってしまった。これぞ行動原理の“すりかえ”そのものだったからである。"
一部の~が~しているのは遺憾"というのは,産経抄で相手を攻撃的かつパラグラフの途中のプチさげで使うのはよくみる手法.一見お株を奪うような論理だが,日本語に訳しているので,筆者の言葉かもしれない.
→第6パラグラフ
 [概要]筆者の主張
 [論理構造]専門家
 [中心人物]
 [分析]新聞記者の言葉を引用している.末尾に専門家を引用することによって,「じぶんだけではない」ということを主張している.真実味がまして,かつ灰汁の強さが減る効果を期待しているのだろうか.

●今日のあとがき
反語の使い方や専門家の起用のしかた,「一部の 」利用方法といい
産経らしいコラム

このblogの読み方Ver2.0

2004年08月09日 | skshow
(構造をかえたので改訂しました)

1.論理構造タイプ:
文章の構造を分類することに挑んでいます.残念ながら,まだうまく自分の思うように類型化できていません.

(1)落語枕型:
最初の話題は結論に全く関係ない.主張のための前振りを持つ構造.
通常の文章でやられるにはまだよいが,新聞コラムでは引き合いにだされて,ほかされる.
 ような感じこういうスタイルがコラムにあるのは,

(2)単純反復型:
 最初に報道もしくは,話題の提供を行い,それについて筆者の考察,事実の補足が単調に続く
話題そのものが重要で,構造としては単純.結論も単純

(3)「キーワード」継続型:
 単純反復型に近いが,一つの「キーワード」に対して,パラグラフごとに記述が続く
自分の分類としては,キーワード型の方がパラグラフ前後の結びつきが弱いと考えている.

(4)追悼型:
 新聞コラムでは,必須の有名人の追悼記事に対するコラム.破綻のない構成が求められる.
最初に故人の逝去に触れ,次に
パタン:故人の著作があれば引用して,感想を述べる
パタン:故人と筆者が交際があればそれについてふれる
パタン:故人が季節との結びつきが深い場合,季節の話題から故人を偲ぶ.雪とか梅雨とか寒空とか
消えゆくがふたたび巡ってくるというのからよくなじむ

(5)エッセイ風:
 無構造といってもいい.さらさらと当たり障りのない話題について書き綴る



2.出現テクニック:

(1)中心人物:そのパラグラフでの話題の中心.または,そのパラグラフでの主張を行っている人・団体.
話題の中心をはっきりさせるために書いています.
「秋田県でお米を植えている皇太子殿下」という文があったとき,この文章は次のパラグラフに向かって
「秋田県」,「お米」,「皇太子殿下」の何が話題の中心なのか,こういう時は尤も有名な固有名詞に
関心が集まりますが,実は関心を引くためのサクラ,文章内「枕」の場合がよくあります.その構造を見いだすためにかきだすようにして

います.
また,下の「といえば」と組み合わせて,あるパラグラフでの主張を行い,その主張の余韻がある中で中心人物だけ入れ換える.そうする

とあたかも次のパラグラフの中心人物も前のパラグラフと同じ主張をもったような印象を読者に与えることができる.

(2)「といえば」:本当にいいたいことと一部に「つながり」のある話題を前のパラグラフにおいて,風が吹けば桶屋が儲かる的な話題の遷

移を作り出す.普通の論文ではこんなことはできない.


(3)「反語」
言い切った後にさっと反対主張を出したり,類似を引いて独自性は少ないと示唆する場合ありです.
なんで,わざわざ反対のことをいうのでしょうか.2つのパタンがありそうです.
パタン:マイルド型 反対意見にも耳を傾け,「よい子」のコラムに仕立てる.読後に過激な印象を残さない工夫
カレーに入れるヨーグルトのような感じ
パタン:エッジ際立て型 わざと反対のことをいって自説の主張のエッジをはっきりさせる
お汁粉にいれる塩のような感じ

(4)「一部の人」
誰かが言ってたと言っては学校の先生に怒られていたが,自分が言っていないといって,一般性をもたせている.
本当は個人を明確できるのにあえてこのように書いているようにもみえる.しかし,政治外交欄の「当局」とか「筋」とは性格がことなっ

ていて.一部の人と書くと複数いることを想起させて,かえって信憑性が上がってしまうのがふしぎ

(5)専門家
自説にハクをつけるのに多用されている.よくいえば根拠を示す.
普通の文章は引用や紹介をすると引用元の紹介を明示するのが基本だが,新聞コラムはそれも許されているようだ.
場所の都合もあるからかもしれないが,引用というよりそのパラグラフの権威付け使われているようにみえる.引用の場合は,引用文を料

理する必要があるのにそのまま載っていることもあるからである.

(6)事例紹介
読者の投稿や自分で見つけてきたことを基に信憑性を高める.たった一例で一般性を導いてしまうので,少々怖い

(7)「」型
昔読んだエッセイの書き方の本に,3行以内で勝負をつけよ.テクニックは会話,擬音だと書いてあった.
話題のキーワードはそれを使うだけで,目に飛び込んでくる.

(8)落語枕
みんなが共通の感心をもつ話題で一旦注意を引くための「ネタ」.本論と同じ話題の場合はあまりここでは枕とは呼ばず,全く関係のない

話題の場合に枕と呼ぶことにしている.
特に朝日新聞を攻撃するときにはいろんな枕を用意している.
(9)さげ
枕と逆に本文の主たる主張ではないのだが最終パラグラフで,皮肉や風刺や本文の論旨からは直接反映できない筆者の普段からの思いを一

文程度でさらっというもの.
(10)プチ枕
第3~4パラグラフあたりで,筆者の自説がぽろっと出てくる時がある.末尾の結論に関係ないのに出てくるから面白い.産経抄の特徴と

いっていいのではないか.引合にだされるのは社民党,一部の左翼主義者,朝日新聞の登場が多い.真っ正面から非難する論陣話題をかか

げるわけにもいかないので,こういうところに挟み込まれている.

(11)擬態
いわゆる擬態,「」を使った音声臨場は多用されるが,地獄のようなとか象さんだったらというような擬態は意外と少ない

(12)ロングパラグラフ
新聞のコラムは多く場合,一段落ごとに話をまとめてゆく.文章が短いので長々とかけないからだ.しかし,専門家を紹介して,その内容

について述べるとなると一段落に収まりきらない.そういうときにロングパラグラフと読んで,続きかどうかを区別している.

(13)巻頭の切り出し,「話題の提供」と「報道の紹介」と「紙面の紹介」の違い
「話題の提供」:紙面とは関係なく筆者の関心で集めてきた話題
「報道の紹介」:紙面で記事にはなっているが,どの記事と特定しない,または連日の複数の報道を総括して
話題とするとき
「紙面の紹介」:当日または昨日位の特定の記事を指す


3.インプレッション
読まないと,中身がわからなくて,かつ原文と両方読んでいただかないとわからないのできてくださった方に
明快に今日の結果をお伝えしようと思ってつくった項目です.
◎:とてもすぐれたできである
○:よいできである
△:少し物足りない
×:出来が悪い
の4段階で評価しています.なぜ5段階でないのと言われそうだが,普通ってなかなかないですよ.

具体的な基準を書いてみます.
(a)産経らしさ:産経らしい強い主張が盛り込まれた構造か
   ◎:産経らしい強い主張が盛り込まれている
   ○:一定の主張がなされている
   △:徒然とした内容で,主張がはっきりしない
   ×:主張がないか.論旨に矛盾がある
 (b)構造の魅力:テクニックに魅力があるか.きれいな論理の流れになっているか.
   ◎:布石の打ちかたや,主張の根拠の元に文章が組み立てられ,係り受けができている.
   ○:一定のテクニックが用いられている.
   △:テクニックがはっきりしない.
   ×:論理の流れが破たんしている.

 (c)読みごたえ:総合評価として面白いかどうか.但し,主張に賛同するかどうかではない.全体の印象なので,必ずしも下の基準とい

うわけではないです.
   ◎:なるほど,そうかこういうことかとうなるとき
   ○:まずまず面白い時
   △:内容が散文的で引き込まれない時
   ×:文章がつまらないとき
4.分析前の一言
 たいてい,分析前に一読した時の印象を短く書いている.



5.分析結果
 具体的な分析結果

・第1パラグラフ
 [概要] 構造上どのような位置づけなのかを書く.
   (1)話題の提供:紙面とは関係なく筆者の関心で集めてきた話題
   (2)報道の紹介:紙面で記事にはなっているが,どの記事と特定しない,または連日の複数の報道を総括して
話題とするとき
   (3)紙面の紹介:当日または昨日位の特定の記事を指す
   (4)事例紹介:読者や専門家の仕事や作品を紹介
   (5)過去の事例:時間軸をさかのぼっていることを陽に踏まえて事例紹介をしている場合
   (6)筆者の考察:筆者がテーマを分析しているパラグラフ
   (7)筆者の主張:筆者が主張を行なっているパラグラフ
   (8)ロングパラグラフ:前のパラグラフの続き
 [論理構造]2.に書かれた出現テクニックの提示
 [中心人物]話題の中心を書いている.たいていはやはり人なので人物としている.人物でもないときはある.
 [分析]解説の記述

以下第6パラグラフまで繰り返し.

今朝の産経抄で書きたいこと(3訂)

2004年08月09日 | skshow
内容は6/21と同じですが,加筆修正しました.

●かきはじめのきっかけ
「白紙でだしてきたよ」,家に帰ると家族が話を切り出しました.
とある筆記試験を受けてきたようで,その試験問題というのが一見関係のないキーワードをつなげて,一つの文章にするというものでした.
私の家族は文章がかけないわけでもなく,むしろ得意なほうなのですが,とっさの出題に面食らったこととそのキーワードそのものに対する知識が不十分で,うまくつながらなかったようです.

肩を落としている家族に私が励ましのついでに話題にしたのが,「しんぶん」.特に,短い文章で構成する新聞の巻頭のコラムの話をしました.
一見関連のないことをつなげるのが得意なのは,「落語」か「コラム」.
ついでに,即興でこんなふうにつなげればいいのではという例を作ってみました.
肝心のキーワードは失念してしまったのですが,「そうか,そういうふうなやりかたもあるのか」って盛り上がり,家庭は明るさを取り戻したのでした.


後日,このことが頭の片隅に残っていて,「さて,コラムで本当に話の構造ってどうやって構成しているのだろう」と確かめたくなり,実際に分析を思い立ったのです.

分析するっていっても,小学生のように机に隠して,絵を書いてしまっておくっとというのだと続かない.
最低でも夏休みの自由研究くらいに日の目をみないと続かない.
暇を見つけて書きためてたって,整理できないと続かない.
できない理由はバンバン出てくるが,はじめるきっかけがなかなか掴めない.さあどうやって書こうかと思っていたところ,折しもBlogブーム.
私もアカウントは持っていたものの書くことがなかったので,これはいいとテーマに選んだのです.

●なんで産経抄なのか,
実は,家では産経新聞はとっていません.(リンクの許可はもらっています)
コラムだったら,「天声人語」だろうが,と思うかもしれませんが,このコラムでは「構造」がキーワードなんです.
私の関心は短い文章が,巧みな構造で比喩や飛躍論理の入れ替え,擬音擬態などの構造を屈指することで筆者の主張が「スッ」と示されているかです.
その意味では天声人語は主張がストレート過ぎるんです.もちろんこれも,きちんと分析してみないとわからないのですが天声人語はすでにこういうことをやっている人も多いでしょう.天声人語の要約って,今でも夏休みの宿題の定番なんですかね.楽しくないですよね.でも天声人語の方が夏休みの宿題対策サイトとしては喜ばれるかもしれませんね.朝日もいつかはやってみるといいかもしれません.特に夏休みの宿題としては,朝日の方が先生の受けが圧倒的にいいでしょう.なぜって,それは私のBlogを読んでみてくださいませ.
産経抄は産経新聞のオピニオンということもあって
主張ははっきりしていて,いかなる状態からもその状態に持っていくのです.(6/20を読んでみて下さい.内容はここでは取り上げないつもりでも,この日のなんて,いかにもって感じでニコニコしてしまいます.

産経新聞ですから,書かれていることへの批判,賛辞も他紙よりは強くでるでしょう,

しかし,シュプレヒコールのように結論やお題目だけいっても,それだけでは読み手の気は惹きません.
その構造とテクニックに興味を持っています.よい文章もあれば,流しているのもあると
いうことがわかりました.

おかげで全くというほどアクセスがなかったのですが,最近はコンスタントに2桁のアクセスはあるようで,Webサイトよりよっぽと来訪者が多いのでびっくりです.

やってみてわかってきたのは,主張の強い日が5日エッセイが2日でローテーションのようです.が,ときにその中間のような日があって,それがすごいできなのがあるのがまたおもしろい.

●書く内容について
内容の是非ついては,基本的には触れません.内容に関して他のWebサイトBlogなどでの
議論にまきこまれたくないです.
本文の要約でもありません.(要約,翻案だったら了解はもらえないでしょうね)
どういう話の流れになっているのかを見極めるのが目的です.
・話題がどういう切り口からスタートしているか.
・本題に引き出すための,布石(枕)の選定は妥当か.
・接続関係はきちんとつながっているか.
・引用やオーソリティの引っ張りだしかたは効果的か
・筆者の主張を引き出す前提はちゃんと書かれているのか.
・風刺や皮肉を効果的に紛れ込ませることができているか.

●Imodeで読むコラム
産経抄は無料のImodeサイトで公開されていて,暇々に読んでました.
これがおもしろい,新聞一面に書いてある時は自分の視野に文章全体が入っているので,下手をすると
結論の先読みができるのですが,Imodeの場合はスクロールして読む.これが全然違うんです.
先読みができないから,筆者の構造テクニックに簡単にはまってしまうんです.これが,「音」による
語りで先読みができない落語に通じるのかなと思ったのです.

(初めての人に読んでもらいたくてまた少し加筆修正してアップしました)


今朝の産経抄(8/8)「イカロスは飛びたかったのかなぁ」

2004年08月08日 | skshow
原文はこちら

論理構造タイプ: エッセイ型
出現テクニック:「」,専門家,落語枕 一部の人 といえば 反語
インプレッション:産経らしさ ○ 構造の魅力 ○ 読みごたえ ◎

●分析前の一言
今日のはエッセイの日,きちんとパラグラフを追ってまとまっている.鳥類は人類が思っていたよりも早く飛ぶようになったといって意外性を見せておいて,それを反語として実は好きで飛んでいる訳ではないというように逆説的に展開してくので,話が面白い.

●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]報道の紹介
 [論理構造]専門家
 [中心人物]始祖鳥
 [分析]話題の紹介.今日は鳥が飛ぶことに対するエッセイ.
→第2パラグラフ
 [概要]報道の紹介の続き,ロングパラグラフ
 [論理構造]専門家
 [中心人物]始祖鳥
 [分析]事実の裏付けの続き.
”一億五千万年前の始祖鳥の化石を調べた結果、この鳥の祖先は飛ぶ能力を十分に持っていたと”という話題を提起する.

→第3パラグラフ
 [概要]別の事例紹介
 [論理構造]反語,枕?,専門家
 [中心人物]鳥
 [分析]枕というのはちょっと抵抗あるが,ここで,今までのパラグラフが早く飛んだということを導いたのに実は好きで飛んだのではないというどんでん返しを用意している.

→第4パラグラフ
 [概要]別の事例紹介,ロングパラグラフ
 [論理構造]専門家
 [中心人物]
 [分析]理由の続き.
→第5パラグラフ
 [概要]ロングパラグラフ
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]ここで,飛ばなくて良いなら飛ばないという結論が出される.
→第6パラグラフ
 [概要]筆者の考察
 [論理構造]反語
 [中心人物]
 [分析]”しかしアッテンボロー氏の結論は、そうした進化が「成功だったとはいえない」だった。”
もう一回,結論をひっくり返す.あれれあれという感じだが,その意外性のテンポが非常に良い.

●今日のあとがき
今日のテーマについては私も,鳩を見て常々思っていた.
”鳩だって,飛ばないで済むんなら走って逃げてるもん”
専門家にお墨付きをもらえた.

今日は,
鳥は考えていたより昔から飛んでいた
→でも,好きで飛んでいた訳ではない.
 →飛ばないで済めば,飛ばなくなる.
  →進化としては,成功とはいえない.
と脈絡なく徒然と続くエッセイではなく,
パラグラフごとに逆転が続き「へえーへえー」というのの
繰り返しになる.
しかも,余計なプチ枕のようなものもなく,構造もすっきり
シリアライズされている.

今朝の産経抄(8/7)「猿の尻笑い この時期なんでNHK」

2004年08月07日 | skshow
原文はこちら

論理構造タイプ: 落語枕型
出現テクニック:「」,専門家,落語枕 一部の人 といえば 反語
インプレッション:産経らしさ ◎ 構造の魅力 ○ 読みごたえ △

●分析前の一言
 報道の自由とNHKの話題となると冷静でなくなってしまうのが,朝日も産経も一緒.果たして,きちんとした構成でぐさっと刺しているいるのだろうか.

●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]事例紹介
 [論理構造]枕
 [中心人物]青木彰
 [分析]最初は追悼型かと思ったら,とんでもない.枕です.褒めているのでいいというべきなのかどうか.ここでは中心人物の略歴を紹介.枕というか,反語的に清廉な人を担ぎだしている.このあとそうでない人が出てくるからである.
産経新聞編集局長
朝日新聞紙面審議会委員
NHK経営委員
筑波大名誉教授
若者を私塾
特に私塾というのはクリーンなイメージを与える.


→第2パラグラフ
 [概要]ロングパラグラフ
 [論理構造]専門家
 [中心人物]
 [分析]”戦後の日本はなぜ輝きを失ったのか、それはジャーナリズムが堕落したからだとわれわれの尻をたたいた。”偉人の主張を借りて論陣を張っている見本のような引用
→第3パラグラフ
 [概要]筆者の考察
 [論理構造]といえば,枕
 [中心人物]朝日
 [分析]ここで,青木さんでなければという一つ目の理由.朝日の人だったから.朝日といえば,情報漏洩

→第4パラグラフ
 [概要]筆者の考察,ロングパラグラフ
 [論理構造]反語
 [中心人物]
 [分析]続きで漏洩の問題は自分たちの問題としてとらえている.こっちは自分たちの問題とするから,実は第6パラグラフの方は自分たちは違うというスタンスにしていってる.
→第5パラグラフ
 [概要]過去の事例
 [論理構造]といえば,
 [中心人物]
 [分析]別の漏洩事件の例を紹介.年配の方だとここで,記憶を呼び起こし,コラムの輪郭が立ってくる.(確か個人的な付き合いまでして取り出したとかで,そうとうスキャンダラスな話題になったと記憶している)
→第6パラグラフ
 [概要]筆者の主張
 [論理構造]さげ,
 [中心人物]NHK
 [分析]”マスコミといえば、NHK”
これがいいたかったのでしょう.でも,この話題を"マスコミといえば"の一言で持ってくるのは強引.ジャーナリストとしての姿勢と企業の従業員と姿勢では,少しベクトルもレベルも違う.だからマスコミという一端話を振り出しに戻すような表現を使わざるを得なかった.

●今日のあとがき
青木さんはNHK経営委員でもある.今日のコラムは一つの枕を二つの攻撃対象に使っているという珍しい例.ここで,もう一つのボディであるNHKに矛先を向けている.

しかし,全く二つの別の話題の枕にするより,情報漏洩の話題からもうワンクッションおいて,NHKの話題に持っていくことはできなかったか.
NHKへのつなぎかたとしては,
情報の提供なんて,ジャーナリストとしてのタガが緩んでいるのではないか.
”緩んでいるといえば,ジャーナリスト以前に社会人としてのタガが緩んでいると言わざるのを得ないのがNHK.タガではなく会社の財布の紐を緩ませてしまっている”
という風に一文はさむとちゃんとした直列のといえばになってくる.社会党の話なんて,このコラムでは全く不要なパラグラフ.
あそこをけずってもっとNHKの話題に紙面を割いても良かったのでは.

内容に踏み込まないことにはしているが,ちょっとだけ.
NHKの話は
民営のマスコミではどうなのでしょうか.
建前上の規範でなく,暗黙に認知されている社用の範囲を
逸脱しているのかどうか.
通勤費をもらっているにも関わらずタクシーで帰るのとどうちがのか.
秘書疑惑もそうだけど,そこだけ持ってきて,いきなり教条的な話をしはじめて,そこは小さな正論でそこの部分だけやっつけて
本質には手をつけないなんてことはないのだろうか.
日頃噂に聞くマスコミの羽振りの良さと比べてどうなんでしょうか.
ネットに番組を提供し始めたことへの牽制というのは考えすぎでしょうか.
ちと今日は筆がすべったようで......

今朝の産経抄(8/6)「江沢民の子供たち 」

2004年08月06日 | skshow
原文はこちら

論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック:「」,専門家,プチ枕 一部の人
インプレッション:産経らしさ ◎ 構造の魅力 ○ 読みごたえ ○

●分析前の一言
中身は産経らしいの一言,第2パラグラフ産経らしい
でも,構造的にみるべきものがあるかどうか

●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]報道の紹介,筆者の考察
 [論理構造]一部の人
 [中心人物]
 [分析]よく見るとここは"ラジオのキャスター氏"
次のパラグラフは"朝日新聞社説"とある. 匿名性を意図して使い分けている.次のパラグラフに固有名詞があるかどうかは関係なく,出典のない事実を読むのは注意が必要だ.これでは,読者は「まてよ」と立ち止まってしまう.
→第2パラグラフ
 [概要]筆者の考察
 [論理構造]プチ枕
 [中心人物]朝日新聞
 [分析]やはりここで,意図がわかる"朝日新聞"である.ラジオキャスターは完全に枕として消費されてしまった.だからだろうかさすがに名前は申し訳なくてださなかったのか.せめて,放送局位ださないと文章として公平ではないよね.新聞は署名記事でないだけ有利なんだから.
→第3パラグラフ
 [概要]歴史事実の紹介
 [論理構造]専門家
 [中心人物]
 [分析]最初の2パラグラフでLiveな話をしたあとで,ここで背景を探る.こういう構成は読者の好奇心を安定して満たしてゆく.
また,ここで,"(鳥居民氏)。"という専門家が登場する.説明なしで登場するが,朝日新聞ほどに有名なのかどうかはわからないのだが,少々内輪の印象を持つ.せめて評論家なのか,教壇に立っているのか位つけてほしい.
→第4パラグラフ
 [概要]報道事例の紹介.
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]事例の続き.
→第5パラグラフ
 [概要]報道の紹介,筆者の考察
 [論理構造]プチ枕
 [中心人物]
 [分析]上記パラグラフを受けて,“江沢民の子供たち”とまとめをしている.その際に
"政府はせっせと多額なODA(政府開発援助)の金をつぎこんだ。"としっかり政府批判も忘れていない.
→第6パラグラフ
 [概要]筆者の考察
 [論理構造]反語
 [中心人物]
 [分析]"何事によらず冷静さが必要なのはいうまでもない。"
として,一旦常識的な文章をおいて,共通の認識の前提をおいた上で,"しかしそれは黙って横を向いていればいいということではないだろう。“さめた目”で彼らの国際的な非礼をただし、「そんなことでは北京五輪を開催する資格はないよ」とたしなめなければならない。"
と主張をして文をしめている.
最初文がないとほんとうにいいっぱなしになってしまうので,これは効果があるのではないか.

●今日のあとがき
部分部分はオーソドックスな技法,またプチ枕が複数でてきて産経らしい文章が展開されている.
専門家の名前の公表度合いがまちまちなのは,意図しているかもしれませんが,意図がすけて引いてしまいます.

今朝の産経抄(8/5)「やはり ナベツネのいいなりには」

2004年08月06日 | skshow
原文はこちら

論理構造タイプ: 落語枕型
出現テクニック:「」,専門家,落語枕 一部の人 といえば
インプレッション:産経らしさ ○ 構造の魅力 ○ 読みごたえ ○

●分析前の一言
Avexについても言及しているので,使い捨ての枕ではないが,主題は野球でしょ.

●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]話題の提供
 [論理構造]といえば,プチ枕
 [中心人物]
 [分析]”アユといえばいまが最盛期、アユ釣りといえば友釣りが相場だが、こっちのあゆは友どころか“会社”を釣り上げたのだから、すごい。”
一つ一つのパーツは定番ともいえる構造をテンポ良く組み合わせて,巻頭で一気に引きつける一文.これは参考になる.

→第2パラグラフ
 [概要]報道の解説
 [論理構造]専門家
 [中心人物]浜崎あゆみ
 [分析]
→第3パラグラフ
 [概要]ロングパラグラフ
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]騒動の経過をまとめている.
→第4パラグラフ
 [概要]ロングパラグラフ
 [論理構造]
 [中心人物]Avex,浜崎あゆみ
 [分析]会社の状況の紹介
→第5パラグラフ
 [概要]本題へ,筆者の考察
 [論理構造]といえば,専門家
 [中心人物]プロ野球,ナベツネ
 [分析]若手とオーナーの対立といえば,野球 という構造
ここで,自分の得意な話題へ引き込んでいる
→第6パラグラフ
 [概要]筆者の考察
 [論理構造]「」,国民は
 [中心人物]ナベツネ
 [分析]一例から,一般的な法則を引き出そうとしているのは少々無理がある.浜崎あゆみが成功した事例を野球にあてはめて,警鐘を鳴らそうとしている意図は読み取れる.

●今日のあとがき
今日は枕にされた方の気持ちは幾ばくかであろうか.浜崎側は褒められているので悪い気はしていないだろうが.
果たして,警鐘を鳴らしたい相手にはこのようなパンチでとどくかどうか.産経にしては遠回しな表現.

今朝の産経抄(8/4)「酷暑のなせる悲しみ,猟奇」

2004年08月04日 | skshow
原文はこちら

論理構造タイプ: エッセイ型
出現テクニック:「」,専門家 ,落語枕
インプレッション:産経らしさ △ 構造の魅力 △ 読みごたえ ○

●分析前の一言
大好きな小説を枕に持ってこられたので,思わず読み入ってしまった.構造や主張はなんてことないので,まさに枕にやられてしまった.

●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]過去の事例紹介
 [論理構造]専門家
 [中心人物]
 [分析]大量殺人のテーマをいきなりださず,このような「小説/過去の事実」から説き起こすという構造.なまなましさが弱まるか.
→第2パラグラフ
 [概要]現在の報道の紹介
 [論理構造]といえば
 [中心人物]
 [分析]『八つ墓村』といえば,津山事件といえば,怪奇殺人といえば,今回の加古川事件
→第3パラグラフ
 [概要]報道の紹介,筆者の考察
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]疑問点を単純に列挙
→第4パラグラフ
 [概要]筆者の考察
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]警察への批判は,文脈の上なのでプチ枕とはいえない.ここから,今日の筆者の独想が始まる.
→第5パラグラフ
 [概要]筆者の考察の続き
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]怪奇といえば,暑さということで,「酷暑」に関わる話題
→第6パラグラフ
 [概要]筆者の考察
 [論理構造]さげ,擬態
 [中心人物]
 [分析]単純に異常気象を列挙している.こうなってくると加古川事件そのものも酷暑を主張するための枕ではないかとさえ思えてくる.
”ひょっとするとあれは、海風を遮断する巨大な“八つ墓”群であったのか。”
ちょっと凝った擬態.もしかして,筆者は大手町のオフィスから窓を眺めていて,最初にこの下げを思いついたのではないか.

●今日のあとがき
大手町のサンケイ新聞のオフィスから見えるビルが墓場に見えるとするとそれはまさに私の勤務先のビルのことだ.. くわばらくわばら.

構造的には見る点がないので,横溝ネタを一言
推理小説なんて,ほとんど読まないのですが,戦中戦後の民俗という点からとても面白く,金田一シリーズは殆ど読みました.
「八ッ墓村」は名作です.種明かしをみればわかるように怪奇小説でもなんでもなく,切なくなるような純愛小説なんです.
舞台はまがまがしいですけどね.「八ッ墓村」「獄門島」は小説としては代表作ですが,映画化はいずれも中途半端で,他の作品の方が上手に映像化できています.「悪魔が来たりて笛を吹く」なんかの方がいいですね.