endy's teapot

今朝のSKshow!

今朝の産経抄(8/27)「正義はいずこに? そんな単純な論理はないよね」

2004年08月27日 | skshow
原文はこちら

論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック: 反語 事例紹介
インプレッション:産経らしさ ○ 構造の魅力 △ 読みごたえ △

●分析前の一言
 一方的な立場にたてないもどかしさが伝わってきてある意味面白い,反語的(わざと反対の立場の意見を書いてみるという意味での造語)な表現もでてきて,歯切れの悪さが面白い.

●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]報道の紹介
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]”そしてやがて丸三年になる「9・11」を想起させずにはおかない。”と書いてあるが,このセンテンスはまったくつかわれない.プチ枕にもなっていない.
→第2パラグラフ
 [概要]筆者の考察
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]”チェチェン独立派は穏健から最強硬まで濃淡さまざまな派に分かれており”
中心人物の構成を紹介している.もどかしさその1
→第3パラグラフ
 [概要]筆者の考察2
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]状況にもとづく推論の展開.
→第4パラグラフ
 [概要]歴史の紹介
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]歴史的な位置づけの紹介.中間のパラグラフで背景に触れるのは順当な構成.ひとつ遅いかもしれない.
→第5パラグラフ
 [概要]ロングパラグラフ
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]背景の続き.
”それでいて商才があり、金もうけがうまい。ロシアの大きなホテルの経営者の多くはチェチェン人だとか。”
金儲けがうまくて,差別を受けてきたといえば,ユダヤ人.ただ,ユダヤ人自身はいまやテロの加害者なのか被害者なのかよくわからず,「といえば」で簡単に引用できない.もどかしさその2

→第6パラグラフ
 [概要]筆者の主張
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]仮定にもとづく主張を巻頭コラムでして良いかどうかについて,いまさら言っても...
むしろ,
”無差別テロはいかに世界の耳目を引きつけようと共感や同情は得られない。孤立や反発を深めるだけ。一方、民族自立の要求はいかに弾圧しようと封殺しきれるものではない。プーチン政権は彼らの叫びにも耳を傾けよ。”
と両論併記のような結語は,本当はプチ枕で攻撃したいロシアがテロに関しては被害者なんで,両者にそれぞれ筆者の主張をなげかける.
もどかしさその3

●今日のあとがき
世の中は単純な対立軸ではないということが,国語の世界においても単純な論理で一気かけないもどかしさに現れている.その意味で興味深いコラム