endy's teapot

今朝のSKshow!

今朝の産経抄(8/7)「猿の尻笑い この時期なんでNHK」

2004年08月07日 | skshow
原文はこちら

論理構造タイプ: 落語枕型
出現テクニック:「」,専門家,落語枕 一部の人 といえば 反語
インプレッション:産経らしさ ◎ 構造の魅力 ○ 読みごたえ △

●分析前の一言
 報道の自由とNHKの話題となると冷静でなくなってしまうのが,朝日も産経も一緒.果たして,きちんとした構成でぐさっと刺しているいるのだろうか.

●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]事例紹介
 [論理構造]枕
 [中心人物]青木彰
 [分析]最初は追悼型かと思ったら,とんでもない.枕です.褒めているのでいいというべきなのかどうか.ここでは中心人物の略歴を紹介.枕というか,反語的に清廉な人を担ぎだしている.このあとそうでない人が出てくるからである.
産経新聞編集局長
朝日新聞紙面審議会委員
NHK経営委員
筑波大名誉教授
若者を私塾
特に私塾というのはクリーンなイメージを与える.


→第2パラグラフ
 [概要]ロングパラグラフ
 [論理構造]専門家
 [中心人物]
 [分析]”戦後の日本はなぜ輝きを失ったのか、それはジャーナリズムが堕落したからだとわれわれの尻をたたいた。”偉人の主張を借りて論陣を張っている見本のような引用
→第3パラグラフ
 [概要]筆者の考察
 [論理構造]といえば,枕
 [中心人物]朝日
 [分析]ここで,青木さんでなければという一つ目の理由.朝日の人だったから.朝日といえば,情報漏洩

→第4パラグラフ
 [概要]筆者の考察,ロングパラグラフ
 [論理構造]反語
 [中心人物]
 [分析]続きで漏洩の問題は自分たちの問題としてとらえている.こっちは自分たちの問題とするから,実は第6パラグラフの方は自分たちは違うというスタンスにしていってる.
→第5パラグラフ
 [概要]過去の事例
 [論理構造]といえば,
 [中心人物]
 [分析]別の漏洩事件の例を紹介.年配の方だとここで,記憶を呼び起こし,コラムの輪郭が立ってくる.(確か個人的な付き合いまでして取り出したとかで,そうとうスキャンダラスな話題になったと記憶している)
→第6パラグラフ
 [概要]筆者の主張
 [論理構造]さげ,
 [中心人物]NHK
 [分析]”マスコミといえば、NHK”
これがいいたかったのでしょう.でも,この話題を"マスコミといえば"の一言で持ってくるのは強引.ジャーナリストとしての姿勢と企業の従業員と姿勢では,少しベクトルもレベルも違う.だからマスコミという一端話を振り出しに戻すような表現を使わざるを得なかった.

●今日のあとがき
青木さんはNHK経営委員でもある.今日のコラムは一つの枕を二つの攻撃対象に使っているという珍しい例.ここで,もう一つのボディであるNHKに矛先を向けている.

しかし,全く二つの別の話題の枕にするより,情報漏洩の話題からもうワンクッションおいて,NHKの話題に持っていくことはできなかったか.
NHKへのつなぎかたとしては,
情報の提供なんて,ジャーナリストとしてのタガが緩んでいるのではないか.
”緩んでいるといえば,ジャーナリスト以前に社会人としてのタガが緩んでいると言わざるのを得ないのがNHK.タガではなく会社の財布の紐を緩ませてしまっている”
という風に一文はさむとちゃんとした直列のといえばになってくる.社会党の話なんて,このコラムでは全く不要なパラグラフ.
あそこをけずってもっとNHKの話題に紙面を割いても良かったのでは.

内容に踏み込まないことにはしているが,ちょっとだけ.
NHKの話は
民営のマスコミではどうなのでしょうか.
建前上の規範でなく,暗黙に認知されている社用の範囲を
逸脱しているのかどうか.
通勤費をもらっているにも関わらずタクシーで帰るのとどうちがのか.
秘書疑惑もそうだけど,そこだけ持ってきて,いきなり教条的な話をしはじめて,そこは小さな正論でそこの部分だけやっつけて
本質には手をつけないなんてことはないのだろうか.
日頃噂に聞くマスコミの羽振りの良さと比べてどうなんでしょうか.
ネットに番組を提供し始めたことへの牽制というのは考えすぎでしょうか.
ちと今日は筆がすべったようで......