endy's teapot

今朝のSKshow!

今朝の産経抄(8/1)「抑留:戦争をめぐることば」

2004年08月01日 | skshow
原文はこちら

論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック: 専門家,落語枕 一部の人 といえば 反語
インプレッション:産経らしさ ○ 構造の魅力 ○ 読みごたえ △

●分析前の一言
8月らしいテーマ,産経らしい主張
でも,構造的には穏やかなものかな.
主張点が「言葉」だけなのが,言葉にこだわる点からすると
惜しい.


●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]話題の提供,筆者の主張,
 [論理構造]「」 専門家 一部の人
 [中心人物]シベリア抑留経験者の洋画家、故香月泰男
 [分析]「鎮魂の季節」だが、役所やマスコミにはなお、基礎的な史実の曲解や偏見がまかり通っている。
というので,今日は以上おしまいというくらい明快
→第2パラグラフ
 [概要]ロングパラグラフ
 [論理構造]専門家
 [中心人物]
 [分析]”昭和天皇の「戦争責任」”
 がミソ,このあと,取引会社の一方的な違反のような論理が展開されていく.
→第3パラグラフ
 [概要]筆者の主張
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]”、「捕虜」とは交戦中に敵に捕らえられた将兵らを”
つまり,言葉の定義が違っている.言葉が違うのだから,主張は筋違いということ.それが天皇の責任と同関わるのかは,本文をごらんあれ.

→第4パラグラフ
 [概要]筆者の主張
 [論理構造]といえば
 [中心人物]
 [分析]教科書も言いたかったことの一つだろう,ここだけ見ると香月氏も枕ネタに使われた感じもする.
→第5パラグラフ
 [概要]筆者の主張
 [論理構造]専門家
 [中心人物]
 [分析]外務省に責任があって,天皇には責任がないという構造.
→第6パラグラフ
 [概要]事例紹介,筆者の主張
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]”「われわれは捕虜ではなく抑留者だ。歴史をねじ曲げてはならない」と訴え続けていた”
当事者がこういっているのであれば,もっと前半に持ってくるべき.コラムというのは読み返されるものではなく,それこそスクロールして一回読まれるだけで,ちゃんと心に入っていく必要がある.
主張点はあまりにいつもの明快さだから,心に入っていくのだが,きっかけを言葉に求めているのなら,書き出す順番が違うだろう.


●今日のあとがき
こういう,当事者たちが造語してきた言葉で,ボタンをかけちがう.それを論理の鍵に使う.ネットで良くあるフレーム議論と同じレベルで,惜しい.素材も主張もしっかりしているのに,議論を隆起させるトリガが言葉遊びのレベルになってはいないかな.