この前北原亞以子作「東京駅物語」という本を読みました.
駅を行き交う人のエピソードがつづられる短編集なんですが,登場人物が
絶妙に複数回出てきて,ちょっとした叙事詩のようになっています.
登場人物がその人生において東京駅を通った瞬間を切り出しているので,
あれっ話の続きはっていう位途中で終わる話しもあるんですが,心に残る作品です.
去る10日はその東京駅周辺が炎上した東京大空襲の日です.
我々の親の世代の記憶なので,次の世代にこういう話が伝わるのか,
そもそも,ちょっと乱暴な言い方をすると広島と長崎と南京とアウシュビッツだけで
大量の被害があったことが記憶され,各都市でおきた空襲の被害は忘れられそうです.
9日夜帰宅してNHKで空襲のドキュメンタリをやってたのをみて思ったんです.
東京の惨禍のことは今東京にいる人は知らない人が多い,でも東京の端っこに生まれた
私だって実はよくしらないし,東京以外の空襲の歴史なんて全然知らないといってもいい.
でも,東京大空襲の話題を聞くと夕方前に都心から家に帰っていていて被害に会わ なかっと
いうの親父の話や,ガラスのうさぎの機銃掃射のエピソードの前日くらいに伊豆に疎 開したと
いうお袋の話を思い出します.おかげさまで,まだ2人とも健在ですが,もうそういう話を
家ではすっかりしなくなりました.親父が集めていた軍艦記事の切り抜きも今はどこにあるの
だろう.
悲しみを憎悪として数千年の世代を超えて伝えようとしている国がある一方で,となりのうち の不幸でさえほんとうに共有するのは難しい.隣のご主人がなくなった事をいったい何日涙出来るだろうか.
実体験が伝聞になり,やがて歴史と呼ばれるように なるときに何が伝わっていくのか.
少年時代からの疑問はいまだ解けません.
駅を行き交う人のエピソードがつづられる短編集なんですが,登場人物が
絶妙に複数回出てきて,ちょっとした叙事詩のようになっています.
登場人物がその人生において東京駅を通った瞬間を切り出しているので,
あれっ話の続きはっていう位途中で終わる話しもあるんですが,心に残る作品です.
去る10日はその東京駅周辺が炎上した東京大空襲の日です.
我々の親の世代の記憶なので,次の世代にこういう話が伝わるのか,
そもそも,ちょっと乱暴な言い方をすると広島と長崎と南京とアウシュビッツだけで
大量の被害があったことが記憶され,各都市でおきた空襲の被害は忘れられそうです.
9日夜帰宅してNHKで空襲のドキュメンタリをやってたのをみて思ったんです.
東京の惨禍のことは今東京にいる人は知らない人が多い,でも東京の端っこに生まれた
私だって実はよくしらないし,東京以外の空襲の歴史なんて全然知らないといってもいい.
でも,東京大空襲の話題を聞くと夕方前に都心から家に帰っていていて被害に会わ なかっと
いうの親父の話や,ガラスのうさぎの機銃掃射のエピソードの前日くらいに伊豆に疎 開したと
いうお袋の話を思い出します.おかげさまで,まだ2人とも健在ですが,もうそういう話を
家ではすっかりしなくなりました.親父が集めていた軍艦記事の切り抜きも今はどこにあるの
だろう.
悲しみを憎悪として数千年の世代を超えて伝えようとしている国がある一方で,となりのうち の不幸でさえほんとうに共有するのは難しい.隣のご主人がなくなった事をいったい何日涙出来るだろうか.
実体験が伝聞になり,やがて歴史と呼ばれるように なるときに何が伝わっていくのか.
少年時代からの疑問はいまだ解けません.