endy's teapot

今朝のSKshow!

今朝の産経抄(8/29)「戦いとスポーツマン精神」

2004年08月29日 | skshow
原文はこちら

論理構造タイプ: エッセイ型
出現テクニック:「」,専門家,反語
インプレッション:産経らしさ × 構造の魅力 × 読みごたえ ×

●分析前の一言
(書いているあいだに内容が飛んだらしい)
主張したいことが,当のイラクやアメリカの人々の世論と同期していないので,軸が定まらず,昨日のような,強引さが発揮できない.とても歯切れの悪いコラム

医療/軍事/スポーツ は突出した人がいればできる分野なので,国全体が平和で安定して,国の底力があるかどうかはあんまり関係ないと思うのだが.

●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]報道の紹介
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]スポーツマンをたたえるエピソードを紹介
→第2パラグラフ
 [概要]筆者の考察
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]”試合はイラクがローマ大会の重量挙げ以来四十四年ぶりというメダルを逃した”
「~は」「~が」が並ぶ文章は,主語が構造から特定できない.良く読まないと,なんで,重量挙げの選手がサッカーの試合でメダルを取らなければいけないのかと思ってしまう.
→第3パラグラフ
 [概要]事例の紹介
 [論理構造]
 [中心人物]ウダイ
 [分析]オウンゴールをいれた選手を処刑した話を持ってきているのだろうが,別に全員を処刑していたわけではないだろう.それならみんな亡命するだろう.
→第4パラグラフ
 [概要]事例の追加
 [論理構造]
 [中心人物]アフガニスタン
 [分析]アフガニスタンでの同様な事例を追加して,信憑性を高めている.
→第5パラグラフ
 [概要]報道の紹介
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]ブッシュの政治利用を紹介.単純な論理に沸き返っているわけでもないことを一応してき.
→第6パラグラフ
 [概要]筆者の感想
 [論理構造]反語
 [中心人物]
 [分析]”「たとえ私たちの国が破壊されても米国人に対し何も抱いてはいない」”という引用は"試合がなければ反米活動”という別になされている報道とは趣を異にする.
その上”「イラク戦後の混乱は誤算だった」と初めて認め、復興への混迷は続く。”
を引いて,混迷していることを認める.この反語は主張のエッジを立てることもできずに
次の結論がいよいよはっきりしなくなる.
”しかし、スポーツマン精神だけは一足早く、復興と国際社会への復帰を果たした。”は意味不明

●今日のあとがき
苦しいコラム.

今朝の産経抄(8/28)「教育(者)の自由」

2004年08月29日 | skshow
原文はこちら

論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック:「」,専門家, 一部の人 といえば 反語 さげ
インプレッション:産経らしさ ◎ 構造の魅力 ○ 読みごたえ ○

●分析前の一言
教科書問題は得意中の得意分野なので,大得意に論を張っている.
このコラムでは内容にあまり踏み込まないことにしているが,この問題はいろいろ言いたくなるなぁ.ちょっとだけ.
・社会科を教科書でしか学ばない人は教科書のことも覚えていないので,どのみち一緒.
・君が代は強制しないって立法したんだから,それは守った方がいい.先生の自由と生徒の自由は別の話
・スポーツ選手がこの国のあり方を決めるわけではないので,そのシーンだけもってこられても引いてしまう.

さてさて,教科書問題を契機にいいたいことをみんな言おうとしているから,盛り沢山で構造的なまとまりがない. 
トピックの中心人物が,
・教科書,都教委礼賛,匿名投書,ジェンダーフリー,職員処分,朝日論陣,スポーツ選手
これだけいる.コラムの字数と位置づけを考えたらもっとテーマを絞るべき.なんて,若い研究者の論文につける上司の注釈みたい.


●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]報道の紹介,筆者の感想
 [論理構造]「」,専門家
 [中心人物]東京の教科書
 [分析]朝日の論陣に対して,逆の感想を述べている.文頭でスタンスを明確にしている.
→第2パラグラフ
 [概要]筆者の考察
 [論理構造]
 [中心人物]都教委
 [分析]理由付け.”都教委だから”というのは,いくら字数が短いとはいえ,読者には論理不明.”反対意見の文言の99%は同一”こういうことは出典を示した方が説得力がます.本当にこんなことを都が公表するようであれば,安心して抗議なんかできないよね.
→第3パラグラフ
 [概要]ロングパラグラフ
 [論理構造]プチ枕
 [中心人物]投書,ジェンダーフリー
 [分析]文面同一から読んでいないのではという推論を導いている.
”都教委の良識といえば、「ジェンダーフリー」というあやしげな用語の不使用通達もその一つだった。”これを良識の根拠とするなら,通常の日本語であれば,”都教委は「ジェンダーフリー」というあやしげな用語の不使用通達をおこなったことをはじめとして,その良識は信頼できる.”というような文章が2パラグラフの先頭にないとおかしい.この文は主張を裏付けているというより,ここでぶつぶつ言っているに過ぎず,構造上何の役にもたっていない.

→第4パラグラフ
 [概要]報道の紹介
 [論理構造]プチ枕
 [中心人物]職員
 [分析]この際みんな言ってしまおうということで,教職員の身分と処分について触れている.すでに教科書とは別の話になっている.といえばのように話の話題を写している訳ではなく,単なる寄り道なので,プチ枕
→第5パラグラフ
 [概要]筆者の主張
 [論理構造]一部の,専門家
 [中心人物]朝日
 [分析]先生が公人であるということと,先生が業務として歌うことと,生徒が歌うことを留保することは別なんだが,この文章からもその違いは導けない.日常の中で,教育しようとした項目を生徒が達成しなかったら先生が処罰されるのでは先生はたまったものではない.
朝日と産経の論理は対立しているのではなく,すれ違っている.両者とも違いを埋めて論理をぶつけようと気はまるでないようだ.4月から何も論陣に進展がない.
→第6パラグラフ
 [概要]別の事例
 [論理構造]
 [中心人物]スポーツ選手
 [分析]”アテネ五輪は日本選手の健闘で日の丸・君が代のラッシュになったが、スタンドの日本人はみな国際的礼節を守り、他国の国旗・国歌にもきちんと敬意を払っていた。つまり都教委のめざすような教育がほどこされれば、まずまず“安心”していいのである。”
どうして,この結論が導けるのかがまるで不明.
スタンドにいる人たちは都教委の教育に沿っていたわけでも何でもない.

●今日のあとがき
今日のテーマはなかなか冷静になれませんね.

私の出身高校では,君が代はメロディーのみの演奏だった.普段生徒に何でも任せるけど,卒業式だけは先生が仕切るとおっしゃった.君が代は歌わないがメロディーを全員で聞いた.
全部を学生自治に倒さない,全部を先生の強権にゆだねない.
こういう体験が,わが校のOBに絶妙なバランス感覚を身につけさせてくれたと感謝している.


スポーツ選手は君が代/日の丸/ニッポンでなくてはいけないこともないのでしょ.
私もニッポンと発音することもあるけど,ニホンという音の方が好きです.清音の組み合わせの方がきれいな音だから.ニッポンの方が歯切れがいいのもわかるので駄目とは言わないですが.