endy's teapot

今朝のSKshow!

今朝の産経抄(8/21)「『勝者には何もやるな』」

2004年08月24日 | skshow
原文はこちら

論理構造タイプ: エッセイ型
出現テクニック:「」,専門家
インプレッション:産経らしさ △ 構造の魅力 △ 読みごたえ ○

●分析前の一言
産経らしからぬ,普通のコラムとしての完成度は高い.昨日と打って変わって読みやすいし,結論もしっかり押さえている.

●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]事例紹介
 [論理構造]枕
 [中心人物]負けること
 [分析]次のパラグラフが本題なので,このパラグラフは本題が出てくるまでの枕.
→第2パラグラフ
 [概要]筆者の問題提起
 [論理構造]といえば,専門家
 [中心人物]
 [分析]負けるといえばである.
"井上康生はなぜ敗れたのか。日本選手団の主将であり、柔道ニッポンの顔であり、不動の“無敗神話”を持つ男が、金はおろか何色のメダルにも手が届かなかった。"
リズムがあって読みやすい文章.

→第3パラグラフ
 [概要]報道の紹介
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]
→第4パラグラフ
 [概要]報道の紹介,著者の考察
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]
→第5パラグラフ
 [概要]事例紹介
 [論理構造]プチ枕
 [中心人物]
 [分析]エッジをたたせるために,近隣の事例を紹介.愛ちゃんは中心人物ではなく,ここでは井上氏の枕に使われている.
→第6パラグラフ
 [概要]筆者の主張
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]

●今日のあとがき
負けたものに対する経緯とエール.
最後の文章は「花束」をつかって,ソフトに終了させている.

今朝の産経抄(8/20)「褒められるジャーナリスト 糾弾されるジャーナリスト」

2004年08月24日 | skshow
原文はこちら

論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック:専門家,事例紹介
インプレッション:産経らしさ ○ 構造の魅力 △ 読みごたえ △

●分析前の一言
ぱっと,読みにくい文章である.その原因は,新聞コラムはロングパラグラフでない限り,一つ一つのパラグラフにまとめがあるのが普通なのだが,どうもパラグラフごとのまとまりが悪いことにある.構造の問題というよりは,内容があっちこっちに行っている感じがする.


●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]報道の紹介,事例の紹介,プチ枕
 [論理構造]
 [中心人物]橋田信介、小川功太郎
 [分析]話題の中心となる,人と文献の提示.話題の説き起こし
→第2パラグラフ
 [概要]次の事例
 [論理構造]
 [中心人物]勝谷誠彦(まさひこ)
 [分析]"(金子貴一氏)が文藝春秋九月号"と出展付きの引用がなされているので,この金子さんが中心人物として展開するのかと思うとさにあらず,橋田信介、小川功太郎といえばで,また別の著作者が出てくる.引用明記といえば聞こえはいいが,金子さんの付加価値はその後解釈されることもなく,使い捨てになっている.引用というより転載に近い.
今日の主役は勝谷誠彦氏なので,勝谷氏を登場させるまでにでてきた3人はまさに前座として消費されてしまっている.

→第3パラグラフ
 [概要]ロングパラグラフ
 [論理構造]反語
 [中心人物]
 [分析]"小欄とはやや主義主張や見解を異にするが、しかし『イラク生残記』は出色の作品なのだった。" 筆者との違いに読者は関心はない,わざわざ書いているのは筆者の自己満足.しかも,見解の詳細については述べられないので,ここも構造的に不備である.

→第4パラグラフ
 [概要]筆者の考察,事例紹介
 [論理構造]専門家
 [中心人物]
 [分析]専門家の発言を肯定的に転載して,筆者の代わりに主張させている.
"。「私は国家の『行くな』という意思に背いて、イラクへ出かけるのである。ならば何かが私の上に起きた時には、それなりの責任を自ら負うつもりであることを明記しておくのが、日本国民としての礼儀であろう」と書く。" 肯定的に取り上げている人の主張を書くと本人がいうより説得力があったりする.

→第5パラグラフ
 [概要]筆者の考察
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]"そしてあらかじめホームページで、万一の際はすべて自分の責任であり、日本政府に多大の労力と血税を使わせたことをわびる。"
労力と血税を使うのは日本政府だけではいし,
これは政府の仕事でしょ.労力に感謝はあっても謝ることではない.こういう細かい表現構造の違いが,少しづつの世論の流れをミスリードしていくのではと危惧する.


→第6パラグラフ
 [概要]筆者の考察
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析]"現場至上のジャーナリスト根性に脱帽するのである。"
ジャーナリストならいいのか,認められた人ならOKでそうでないNGOならNGなのか,身内意識が垣間見得るさげ.


●今日のあとがき
何が読みにくいか,わかった.
前半は主人公をだすまでの前振りが大物過ぎて,実際の中心人物がでてきたときに霞んでいる.
つまり,イラクの話題の2人,文藝春秋という大物メディアとそれに投稿した人,その2つのあとに真打ち登場というのは,頭が重すぎる.

後半は中心人物の文献引用に頼りすぎて,読者に行間を読むことを強いている.読者は自分の想像があたっているのかどうか正解を知ることもなくコラムを読み終える.

個人的には,責任とか礼儀とか貢献とか最近よく使われるけど,
具体的に何を指しているのかがわからない.
特に責任をもつ/とるってどういう意味でつかっているのか.
物書きでない人が,自分の仕事をやり遂げるできなければ,関係者に極力迷惑がかからないようにして,自分がその舞台から降りるというのがひとつの理解だが,責任をとるというのがもし放置されるのを甘んじて受けるという意味ならとんでもないです.
また,物書きの人が他人の責任を問うときって何をしろという
意味でつかうんでしょうね.