(構造をかえたので改訂しました)
1.論理構造タイプ:
文章の構造を分類することに挑んでいます.残念ながら,まだうまく自分の思うように類型化できていません.
(1)落語枕型:
最初の話題は結論に全く関係ない.主張のための前振りを持つ構造.
通常の文章でやられるにはまだよいが,新聞コラムでは引き合いにだされて,ほかされる.
ような感じこういうスタイルがコラムにあるのは,
(2)単純反復型:
最初に報道もしくは,話題の提供を行い,それについて筆者の考察,事実の補足が単調に続く
話題そのものが重要で,構造としては単純.結論も単純
(3)「キーワード」継続型:
単純反復型に近いが,一つの「キーワード」に対して,パラグラフごとに記述が続く
自分の分類としては,キーワード型の方がパラグラフ前後の結びつきが弱いと考えている.
(4)追悼型:
新聞コラムでは,必須の有名人の追悼記事に対するコラム.破綻のない構成が求められる.
最初に故人の逝去に触れ,次に
パタン:故人の著作があれば引用して,感想を述べる
パタン:故人と筆者が交際があればそれについてふれる
パタン:故人が季節との結びつきが深い場合,季節の話題から故人を偲ぶ.雪とか梅雨とか寒空とか
消えゆくがふたたび巡ってくるというのからよくなじむ
(5)エッセイ風:
無構造といってもいい.さらさらと当たり障りのない話題について書き綴る
2.出現テクニック:
(1)中心人物:そのパラグラフでの話題の中心.または,そのパラグラフでの主張を行っている人・団体.
話題の中心をはっきりさせるために書いています.
「秋田県でお米を植えている皇太子殿下」という文があったとき,この文章は次のパラグラフに向かって
「秋田県」,「お米」,「皇太子殿下」の何が話題の中心なのか,こういう時は尤も有名な固有名詞に
関心が集まりますが,実は関心を引くためのサクラ,文章内「枕」の場合がよくあります.その構造を見いだすためにかきだすようにして
います.
また,下の「といえば」と組み合わせて,あるパラグラフでの主張を行い,その主張の余韻がある中で中心人物だけ入れ換える.そうする
とあたかも次のパラグラフの中心人物も前のパラグラフと同じ主張をもったような印象を読者に与えることができる.
(2)「といえば」:本当にいいたいことと一部に「つながり」のある話題を前のパラグラフにおいて,風が吹けば桶屋が儲かる的な話題の遷
移を作り出す.普通の論文ではこんなことはできない.
(3)「反語」
言い切った後にさっと反対主張を出したり,類似を引いて独自性は少ないと示唆する場合ありです.
なんで,わざわざ反対のことをいうのでしょうか.2つのパタンがありそうです.
パタン:マイルド型 反対意見にも耳を傾け,「よい子」のコラムに仕立てる.読後に過激な印象を残さない工夫
カレーに入れるヨーグルトのような感じ
パタン:エッジ際立て型 わざと反対のことをいって自説の主張のエッジをはっきりさせる
お汁粉にいれる塩のような感じ
(4)「一部の人」
誰かが言ってたと言っては学校の先生に怒られていたが,自分が言っていないといって,一般性をもたせている.
本当は個人を明確できるのにあえてこのように書いているようにもみえる.しかし,政治外交欄の「当局」とか「筋」とは性格がことなっ
ていて.一部の人と書くと複数いることを想起させて,かえって信憑性が上がってしまうのがふしぎ
(5)専門家
自説にハクをつけるのに多用されている.よくいえば根拠を示す.
普通の文章は引用や紹介をすると引用元の紹介を明示するのが基本だが,新聞コラムはそれも許されているようだ.
場所の都合もあるからかもしれないが,引用というよりそのパラグラフの権威付け使われているようにみえる.引用の場合は,引用文を料
理する必要があるのにそのまま載っていることもあるからである.
(6)事例紹介
読者の投稿や自分で見つけてきたことを基に信憑性を高める.たった一例で一般性を導いてしまうので,少々怖い
(7)「」型
昔読んだエッセイの書き方の本に,3行以内で勝負をつけよ.テクニックは会話,擬音だと書いてあった.
話題のキーワードはそれを使うだけで,目に飛び込んでくる.
(8)落語枕
みんなが共通の感心をもつ話題で一旦注意を引くための「ネタ」.本論と同じ話題の場合はあまりここでは枕とは呼ばず,全く関係のない
話題の場合に枕と呼ぶことにしている.
特に朝日新聞を攻撃するときにはいろんな枕を用意している.
(9)さげ
枕と逆に本文の主たる主張ではないのだが最終パラグラフで,皮肉や風刺や本文の論旨からは直接反映できない筆者の普段からの思いを一
文程度でさらっというもの.
(10)プチ枕
第3~4パラグラフあたりで,筆者の自説がぽろっと出てくる時がある.末尾の結論に関係ないのに出てくるから面白い.産経抄の特徴と
いっていいのではないか.引合にだされるのは社民党,一部の左翼主義者,朝日新聞の登場が多い.真っ正面から非難する論陣話題をかか
げるわけにもいかないので,こういうところに挟み込まれている.
(11)擬態
いわゆる擬態,「」を使った音声臨場は多用されるが,地獄のようなとか象さんだったらというような擬態は意外と少ない
(12)ロングパラグラフ
新聞のコラムは多く場合,一段落ごとに話をまとめてゆく.文章が短いので長々とかけないからだ.しかし,専門家を紹介して,その内容
について述べるとなると一段落に収まりきらない.そういうときにロングパラグラフと読んで,続きかどうかを区別している.
(13)巻頭の切り出し,「話題の提供」と「報道の紹介」と「紙面の紹介」の違い
「話題の提供」:紙面とは関係なく筆者の関心で集めてきた話題
「報道の紹介」:紙面で記事にはなっているが,どの記事と特定しない,または連日の複数の報道を総括して
話題とするとき
「紙面の紹介」:当日または昨日位の特定の記事を指す
3.インプレッション
読まないと,中身がわからなくて,かつ原文と両方読んでいただかないとわからないのできてくださった方に
明快に今日の結果をお伝えしようと思ってつくった項目です.
◎:とてもすぐれたできである
○:よいできである
△:少し物足りない
×:出来が悪い
の4段階で評価しています.なぜ5段階でないのと言われそうだが,普通ってなかなかないですよ.
具体的な基準を書いてみます.
(a)産経らしさ:産経らしい強い主張が盛り込まれた構造か
◎:産経らしい強い主張が盛り込まれている
○:一定の主張がなされている
△:徒然とした内容で,主張がはっきりしない
×:主張がないか.論旨に矛盾がある
(b)構造の魅力:テクニックに魅力があるか.きれいな論理の流れになっているか.
◎:布石の打ちかたや,主張の根拠の元に文章が組み立てられ,係り受けができている.
○:一定のテクニックが用いられている.
△:テクニックがはっきりしない.
×:論理の流れが破たんしている.
(c)読みごたえ:総合評価として面白いかどうか.但し,主張に賛同するかどうかではない.全体の印象なので,必ずしも下の基準とい
うわけではないです.
◎:なるほど,そうかこういうことかとうなるとき
○:まずまず面白い時
△:内容が散文的で引き込まれない時
×:文章がつまらないとき
4.分析前の一言
たいてい,分析前に一読した時の印象を短く書いている.
5.分析結果
具体的な分析結果
・第1パラグラフ
[概要] 構造上どのような位置づけなのかを書く.
(1)話題の提供:紙面とは関係なく筆者の関心で集めてきた話題
(2)報道の紹介:紙面で記事にはなっているが,どの記事と特定しない,または連日の複数の報道を総括して
話題とするとき
(3)紙面の紹介:当日または昨日位の特定の記事を指す
(4)事例紹介:読者や専門家の仕事や作品を紹介
(5)過去の事例:時間軸をさかのぼっていることを陽に踏まえて事例紹介をしている場合
(6)筆者の考察:筆者がテーマを分析しているパラグラフ
(7)筆者の主張:筆者が主張を行なっているパラグラフ
(8)ロングパラグラフ:前のパラグラフの続き
[論理構造]2.に書かれた出現テクニックの提示
[中心人物]話題の中心を書いている.たいていはやはり人なので人物としている.人物でもないときはある.
[分析]解説の記述
以下第6パラグラフまで繰り返し.
1.論理構造タイプ:
文章の構造を分類することに挑んでいます.残念ながら,まだうまく自分の思うように類型化できていません.
(1)落語枕型:
最初の話題は結論に全く関係ない.主張のための前振りを持つ構造.
通常の文章でやられるにはまだよいが,新聞コラムでは引き合いにだされて,ほかされる.
ような感じこういうスタイルがコラムにあるのは,
(2)単純反復型:
最初に報道もしくは,話題の提供を行い,それについて筆者の考察,事実の補足が単調に続く
話題そのものが重要で,構造としては単純.結論も単純
(3)「キーワード」継続型:
単純反復型に近いが,一つの「キーワード」に対して,パラグラフごとに記述が続く
自分の分類としては,キーワード型の方がパラグラフ前後の結びつきが弱いと考えている.
(4)追悼型:
新聞コラムでは,必須の有名人の追悼記事に対するコラム.破綻のない構成が求められる.
最初に故人の逝去に触れ,次に
パタン:故人の著作があれば引用して,感想を述べる
パタン:故人と筆者が交際があればそれについてふれる
パタン:故人が季節との結びつきが深い場合,季節の話題から故人を偲ぶ.雪とか梅雨とか寒空とか
消えゆくがふたたび巡ってくるというのからよくなじむ
(5)エッセイ風:
無構造といってもいい.さらさらと当たり障りのない話題について書き綴る
2.出現テクニック:
(1)中心人物:そのパラグラフでの話題の中心.または,そのパラグラフでの主張を行っている人・団体.
話題の中心をはっきりさせるために書いています.
「秋田県でお米を植えている皇太子殿下」という文があったとき,この文章は次のパラグラフに向かって
「秋田県」,「お米」,「皇太子殿下」の何が話題の中心なのか,こういう時は尤も有名な固有名詞に
関心が集まりますが,実は関心を引くためのサクラ,文章内「枕」の場合がよくあります.その構造を見いだすためにかきだすようにして
います.
また,下の「といえば」と組み合わせて,あるパラグラフでの主張を行い,その主張の余韻がある中で中心人物だけ入れ換える.そうする
とあたかも次のパラグラフの中心人物も前のパラグラフと同じ主張をもったような印象を読者に与えることができる.
(2)「といえば」:本当にいいたいことと一部に「つながり」のある話題を前のパラグラフにおいて,風が吹けば桶屋が儲かる的な話題の遷
移を作り出す.普通の論文ではこんなことはできない.
(3)「反語」
言い切った後にさっと反対主張を出したり,類似を引いて独自性は少ないと示唆する場合ありです.
なんで,わざわざ反対のことをいうのでしょうか.2つのパタンがありそうです.
パタン:マイルド型 反対意見にも耳を傾け,「よい子」のコラムに仕立てる.読後に過激な印象を残さない工夫
カレーに入れるヨーグルトのような感じ
パタン:エッジ際立て型 わざと反対のことをいって自説の主張のエッジをはっきりさせる
お汁粉にいれる塩のような感じ
(4)「一部の人」
誰かが言ってたと言っては学校の先生に怒られていたが,自分が言っていないといって,一般性をもたせている.
本当は個人を明確できるのにあえてこのように書いているようにもみえる.しかし,政治外交欄の「当局」とか「筋」とは性格がことなっ
ていて.一部の人と書くと複数いることを想起させて,かえって信憑性が上がってしまうのがふしぎ
(5)専門家
自説にハクをつけるのに多用されている.よくいえば根拠を示す.
普通の文章は引用や紹介をすると引用元の紹介を明示するのが基本だが,新聞コラムはそれも許されているようだ.
場所の都合もあるからかもしれないが,引用というよりそのパラグラフの権威付け使われているようにみえる.引用の場合は,引用文を料
理する必要があるのにそのまま載っていることもあるからである.
(6)事例紹介
読者の投稿や自分で見つけてきたことを基に信憑性を高める.たった一例で一般性を導いてしまうので,少々怖い
(7)「」型
昔読んだエッセイの書き方の本に,3行以内で勝負をつけよ.テクニックは会話,擬音だと書いてあった.
話題のキーワードはそれを使うだけで,目に飛び込んでくる.
(8)落語枕
みんなが共通の感心をもつ話題で一旦注意を引くための「ネタ」.本論と同じ話題の場合はあまりここでは枕とは呼ばず,全く関係のない
話題の場合に枕と呼ぶことにしている.
特に朝日新聞を攻撃するときにはいろんな枕を用意している.
(9)さげ
枕と逆に本文の主たる主張ではないのだが最終パラグラフで,皮肉や風刺や本文の論旨からは直接反映できない筆者の普段からの思いを一
文程度でさらっというもの.
(10)プチ枕
第3~4パラグラフあたりで,筆者の自説がぽろっと出てくる時がある.末尾の結論に関係ないのに出てくるから面白い.産経抄の特徴と
いっていいのではないか.引合にだされるのは社民党,一部の左翼主義者,朝日新聞の登場が多い.真っ正面から非難する論陣話題をかか
げるわけにもいかないので,こういうところに挟み込まれている.
(11)擬態
いわゆる擬態,「」を使った音声臨場は多用されるが,地獄のようなとか象さんだったらというような擬態は意外と少ない
(12)ロングパラグラフ
新聞のコラムは多く場合,一段落ごとに話をまとめてゆく.文章が短いので長々とかけないからだ.しかし,専門家を紹介して,その内容
について述べるとなると一段落に収まりきらない.そういうときにロングパラグラフと読んで,続きかどうかを区別している.
(13)巻頭の切り出し,「話題の提供」と「報道の紹介」と「紙面の紹介」の違い
「話題の提供」:紙面とは関係なく筆者の関心で集めてきた話題
「報道の紹介」:紙面で記事にはなっているが,どの記事と特定しない,または連日の複数の報道を総括して
話題とするとき
「紙面の紹介」:当日または昨日位の特定の記事を指す
3.インプレッション
読まないと,中身がわからなくて,かつ原文と両方読んでいただかないとわからないのできてくださった方に
明快に今日の結果をお伝えしようと思ってつくった項目です.
◎:とてもすぐれたできである
○:よいできである
△:少し物足りない
×:出来が悪い
の4段階で評価しています.なぜ5段階でないのと言われそうだが,普通ってなかなかないですよ.
具体的な基準を書いてみます.
(a)産経らしさ:産経らしい強い主張が盛り込まれた構造か
◎:産経らしい強い主張が盛り込まれている
○:一定の主張がなされている
△:徒然とした内容で,主張がはっきりしない
×:主張がないか.論旨に矛盾がある
(b)構造の魅力:テクニックに魅力があるか.きれいな論理の流れになっているか.
◎:布石の打ちかたや,主張の根拠の元に文章が組み立てられ,係り受けができている.
○:一定のテクニックが用いられている.
△:テクニックがはっきりしない.
×:論理の流れが破たんしている.
(c)読みごたえ:総合評価として面白いかどうか.但し,主張に賛同するかどうかではない.全体の印象なので,必ずしも下の基準とい
うわけではないです.
◎:なるほど,そうかこういうことかとうなるとき
○:まずまず面白い時
△:内容が散文的で引き込まれない時
×:文章がつまらないとき
4.分析前の一言
たいてい,分析前に一読した時の印象を短く書いている.
5.分析結果
具体的な分析結果
・第1パラグラフ
[概要] 構造上どのような位置づけなのかを書く.
(1)話題の提供:紙面とは関係なく筆者の関心で集めてきた話題
(2)報道の紹介:紙面で記事にはなっているが,どの記事と特定しない,または連日の複数の報道を総括して
話題とするとき
(3)紙面の紹介:当日または昨日位の特定の記事を指す
(4)事例紹介:読者や専門家の仕事や作品を紹介
(5)過去の事例:時間軸をさかのぼっていることを陽に踏まえて事例紹介をしている場合
(6)筆者の考察:筆者がテーマを分析しているパラグラフ
(7)筆者の主張:筆者が主張を行なっているパラグラフ
(8)ロングパラグラフ:前のパラグラフの続き
[論理構造]2.に書かれた出現テクニックの提示
[中心人物]話題の中心を書いている.たいていはやはり人なので人物としている.人物でもないときはある.
[分析]解説の記述
以下第6パラグラフまで繰り返し.