endy's teapot

今朝のSKshow!

今朝の産経抄(6/30)「”今日こそ産経抄”」

2004年06月30日 | skshow
原文はこちら
論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック:といえば,「専門家」


構造的には単純反復だが,中身は久々に「産経らしい」内容.
今日の「といえば」はちょっと凝っている.

・話題の提供,筆者の感想
 実に強引なスタートで,その唐突さで挽子もうのというのか

”イラク暫定政府への突然の主権移譲という事態に、けったいなことだが平成十三年夏の小泉首相・八月十三日靖国神社参拝を連想してしまった。むろん二つには何の関連もない。しかしどちらも突然の「二日前倒し」で、それに同じくびっくりした。”

びっくりしたのは後付けかと思うくらい,びっくり.その後も
説明がないので唐突感は残ったまま.
”イラク暫定政府への突然の「二日前倒し」の主権移譲という事態に、けったいなことだが平成十三年夏の小泉首相・八月十三日靖国神社参拝を連想してしまった。むろん二つには何の関連もない。”
ならわかる.あえて,本人の驚きをそのまま表現する価値はないだろう.数学で解き方と回答の書き方が違うようなもの.
→といえば
私がリライトしたほうで,ここを「といえば」と理解するとして,小泉さんの話は後にもつながらず,産経らしい寄り道で
”小泉首相の八月十三日参拝は明らかに中韓の圧力に屈したもの。「八月十五日」という当初の参拝公約の日時にはそれなりの意義があった。”
なんてくだりは,なくても全く意味を失わない.こういう構造が産経らしく,実はこの一文さえかければ,後は
「おまけ」と言っても言い過ぎでないと思う.
→反語?
”そんなことはどうでもいい。”
書いておいて,これはないだろう.私からみれば余分な第2パラグラフでも,シンパの人からみれば「そのとーり」と一緒に寄り道してくれているのでは,その読者たちはここで,ポーンと飛ばされてしまった.
→筆者の主張,「専門家」(紙面の紹介)
 他紙の数値を紹介し,筆者の主張を展開
→筆者の考察
 気になるのは
 ”ヨルダン人ザルカウィ容疑者など外国人テロリストの標的になっているのは、”というのが突然でてきている.こういう重要な事実の前提こそ,連文節の前半に埋め込まず,一回事実として提示すべきだろう.逆に死亡者の割合を
”イラク人約四百人、米兵約四十人、そして拉致された民間の外国人十数人だという。”と紹介しているが,これはマクロの数値でその後の外国人容疑者の行動と何の関係もない.
内容がどうこうというより,構造としてなりたっていない.
→筆者の主張
 とにかく”無法の外国人”に関心があるように想像してしまう.構造上立証できないので,意味から想像すると本欄を超えてしまうので,この辺でやめておくが.
一文ごとに前提,考察,主張という構造ではなく,2パラグラフごとにあらかじめいいたいことがあって,それを述べているという構造.あまり得るテクニックはなかった.






今朝の産経抄(6/29)「売れるクリントン」

2004年06月29日 | skshow
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論理構造タイプ: 落語枕型
出現テクニック:「専門家」,さげ

アメリカの元大統領というのはヨーロッパの大統領のような
役割を持つんだろうな.
枕というにはストレートなんだが,書評ではなく,
元大統領を選挙の道具に引っ張りだすところが主張の核なんで
一応枕型に分類した.

・話題の提供
 中心人物:クリントン
 ”パンのように売れているという” 
 これは使える表現ですね.ラピュタの中の”バケツ一杯食べたい”っていうのを思い出す.
→話題の続き
 話題の中心をフォーカス
→「専門家」
 ヒラリーの自伝を引用,裏付けをとる
→筆者の考察
 中心人物:民主党選挙
→「」,反語
 ”「死せる諸葛生ける仲達を走らす」”
 「」でひきつけ,一方の共和党を比較
→筆者の考察,事例紹介
 世論調査の数字を提示し,自ら導き出している考察に
 自分で疑問を投げかけ,新たな疑問を提起している.
 
疑問を提起して終わり.
さげとしては,ひねって終わり.この先この本がケリー氏に
有利に働くとも働かないとも主張してない.最後の文で否定的観測をして終わりにしている.

新聞のコラムとしては問題提起だけでも十分な場合もある.
今日は最後のさげに至る構造がちょっと.世論調査との比較をしたいなら,レーガン氏の話題は余計かな.

今朝の産経抄(6/28)「詩とことば」

2004年06月28日 | skshow
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論理構造タイプ: 落語枕型
出現テクニック:「専門家」

こういうテーマは好きです.

・「」,「専門家」
 会話文からはじめる,オーソドックスパタン.
 枕なので,可哀相だがこの女子高生はここで使い捨てになる.
 しかし,詩人と女子高生というのはジェンダー的には少しバイアスがかかるかな.レトリックとしてはありだと思うけど.
 詩人が”「まず良き社会人になること。詩作はその片手間で十分」”と,一般のひとが抱くであろう詩人への思い込みをひっくり返してみせていることにより,次を読ませようとしている.
→といえば,
 よき社会人になるべきこども
 話題の紹介,筆者の感想
 よき社会人といえば,そのこどもが使う言葉
→といえば
 ということで,本題の言葉に持ってくる.
 「言葉」の事例紹介
→「専門家」”童話屋社長・田中和雄”
 専門家の蘊蓄を引用
  ”。「昔の少年は詩をよく読んだ。それもとびきり上等の詩を、だ。そしてよく考え、『足る』を知った。みんなへっぴり腰を恥じて涼しげな目の下に、素朴な正義感をひそかにかくしていた。」”
 短いコラムと詩は相性がいい.このようにリズムの良い詩のような主張を引用したら,当の筆者はなにもすることがない.
→専門家の続き
 出典を明示し,最初のパラグラフにでてきた,専門家の詩もここに載っているということで,散らかした伏線が全部”『ポケット詩集』”の下に結びついている,という文章としては格好のいいさげ.
なんだけど,引用された田中さんの主張はわかるが,筆者の主張はどこにあるんだろうか.通常落語枕系の文章は中盤か後半に強いメッセージを放つのが普通なのにこの文章は,出典を明記して終わっている.
”言葉がなければ人間は存在もおぼつかない。詩が心のなかの欠落を埋める作業だというのは、人の心の痛みがわかることとほぼ同じか。美しく正しい言葉を教えることぬきに「命を大切にする教育」もへちまもないだろう。”というのが文章の意味から考えるとこのコラム全体の主張なのだが,
文の構造的にははっきりしない.それは,このパラグラフが文全体の主張を担っているにもかかわらず,一見直前のパラグラフの結論を担っているだけという構造になっているから,そしてこれら2つのパラグラフが,「言葉といえば」として,一つの事例紹介になっていて,全体をまとめるような役割を持っていないことによる.

#推敲したい

今朝の産経抄(6/27)「黒子に徹する」

2004年06月28日 | skshow
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論理構造タイプ: 追悼型
出現テクニック:「専門家」

存命で,議員を引退される方に失礼な分類かもしれないが,
退くという点では同じ.

・ロングパラグラフ
 事例紹介
→事例紹介の続きから「といえば」
”金子堅太郎は~米国に渡った。ルーズベルトは~腹を割って話し合った。講和に結びついた”といえば”七十数年後、~米国の懐に飛び込み、~日米関係を救った”
 日露戦争で相手の懐に飛び込んだといえば,椎名素夫氏
ということで,中心人物の登場
→中心人物の事例紹介
→中心人物の事例紹介
→「」
 中心人物のコメント
 ”「あれは僕がやった、という仕事はない」”
 という事例で間接称賛
 「専門家」
 ”「仕事をやろうと思ったら自分のラベルを張るな。人のラベルを張れ」”椎名悦三郎元外相

→筆者の感想
 中心人物を短い文章と,重みのある父のことばで的確にたたえている.
 構造的には,それほどみるものはないが,話題の提供順序はとても参考になった.

こういう単純な構造だと,順番を入れ換えてみるとはなしのインパクトがどう変わるかというのが興味深いですね.

今朝の産経抄(6/28)「割れ窓理論」

2004年06月28日 | skshow
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論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック:「専門家」

・話題の紹介
 駅の語源,馬から馬へを犯罪から犯罪へと比喩し,
 駅での犯罪を冒頭の話題として提起
→報道の紹介補足,筆者の感想
 渋谷での事件を事例として紹介
→報道の紹介補足,筆者の感想
 田園調布での事件を事例として紹介
 こちらは,外国人犯罪という点に注目,後段で外国は再利用する.
 中心人物:集団スリ
→「といえば」,事例紹介
 スリといえば,で別事例の紹介
→「」
 割れ窓理論の紹介.
→筆者の主張
 ”不良外国人どもからすれば、日本の警察は犯罪者に優しく、刑罰も甘いと見くびっている。”,日本も外国もない気もするが,ここは全段パラグラフで述べたポイントを再利用するという観点だと,外国人ということにしか触れないのは当然の構造.

今朝の産経抄(6/25)「読書の梅雨です.新撰組を読みましょう」

2004年06月25日 | skshow
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論理構造タイプ: エッセイ
出現テクニック:「専門家」

単なる書評なんて,巻頭コラムでやるには役不足かな,なんて.

”梅雨空よ戻れ、と思うのは暑さがひどいばかりではなく、雨の日は落ち着いて本が読めそうだと考えるから。本を読むといっても仕事柄、読み飛ばしたり、読んだふりをしたりすることが多い。ところが最近うっかりして?思わずのめり込んでしまった本があった。”
・話題の紹介
 中心人物:本
 「」 ”梅雨空よ戻れ、”万人が共感できるキーワードでしかも鍵括弧はなくてもこれは,叫んでいるか祈っているんですよね.

”▼浅田次郎氏の長編『輪違屋糸里(わちがいやいとさと)』(上下、文藝春秋)である。初めパラパラとページをめくるだけのつもりだったが、文章のきめ細かい濃密さ、構成の巧みな骨組みに足をとられた。気づけば時代小説の魅力にずぶずぶ引きずり込まれていた。”
→「専門家」著名作家の作品

”▼題は京都・島原の遊里の女の名、その傾城(けいせい)たちから見た新選組群像。主題の一つは筆頭局長・芹沢鴨暗殺事件の“真実”である。NHKのテレビドラマは見ていないが、司馬良太郎氏『燃えよ剣』で芹沢は「一種の異常人」で「毒物のような男」として描かれた。”
→本の粗筋の紹介
 ”『輪違屋糸里(わちがいやいとさと)』”また題名がむずかしいので,読ませる効果をもたらしている.

”▼また松浦玲氏の新著『新選組』(岩波新書)でも、神道無念流の免許皆伝者だが水戸・天狗党生き残りの過激派とされている。しかし浅田新選組では永倉新八に「あの人はいわば時代の申し子でござる」「こと胆力においてはまさに大将の器。良くも悪くもまっすぐな気性ですな」などと語らせている。”
→事例の追加
 別の本の紹介.こんどは新書だし,作家というより専門家なのか,最初に浅田次郎,司馬遼太郎を持ってきているのは,引き込まれたという事実からの導出もさることながら,著名な順を選んだのではないか.
もちろん,逆の書き方もある.最初に専門性の高い正確な内容の紹介があって,そのあとにより身近な人たちのフォローという構成だ.

”▼女たちの目には、裏庭で後ろ姿を見せて草花を植えている男が映った。「何のお花どすやろ」「イギリスから渡来した、ろうずという花です。僕の生まれ故郷には野茨(のいばら)の垣があって…」と語る。バラのことか。芹沢鴨はそういう一面を持つ男とされていた。”
→事例の紹介
 ここで,浅田次郎の本の内容に突然に戻っているようにみえるが,芹沢の人間像を描いているのが誰なのか(筆者,浅田氏,松浦氏)構造上からは読み取れない.文章としては接続詞もなにもなく,不自然極まりない.

”▼暗殺事件の真実とは、百姓(土方歳三ら)と侍(芹沢)の対立だというのが浅田新選組の新史観なのだった。島原の遊女が粛清隊士の子をひっそりと産み、海辺の町で育てる決意をするという哀切さで幕が下りる。”
→筆者の考察
このパラグラフも脈絡がなくはじまっている.根拠は原文に求めるしかないのか.

ちょっと今日のコラムは前後のつながり間がわるく,パラグラフごとの内容も考察なのか,引用なのかが不明確なのがあり,とてもわかりにくい.「戻れ」といいたくなるのは,梅雨空でないはず.

今朝の産経抄(6/24)「自己責任」

2004年06月24日 | skshow
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論理構造タイプ: 落語枕
出現テクニック:「専門家」「」反語 さげ

・報道の紹介,「」
中心人物:韓国
"“冬ソナ”ブームの日本も、人質事件を経験..."
身近なキーワードを持ってきて興味を引いていく.
→報道の紹介
→筆者の考察
韓国大統領の声明に対する考察
ここは,産経なので,予想される考察
→事例紹介
パラグラフ内の反語
("、「人命は地球より重い」"の福田首相って,私は子供心に格好いい判断だとおもったんだけどな.あるころおぼえた全方位平和外交とかって,すっごく刷り込まれている.)
過去のトレンドを紹介して,反語に過去の日本への批判をおこなう
→筆者の主張.
なんだけど,どさくさにキーワードを埋め込んでいる.
"いま親北・反米感情に揺れているが、賢明な人びとだからこんどの悲劇にもたぶん冷静な反応をみせるだろう。自己責任と危機管理の問題もふくめて。"

ここは,構成に飛躍がある.「といえば」でつながらない.
倒置だとおもって
"いま親北・反米感情に揺れているが、賢明な人びとだから自己責任と危機管理の問題もふくめてこんどの悲劇にもたぶん冷静な反応をみせるだろう。"

と並べ替えても,国語の問題として根拠が書いていないから,筆者が唐突に入れているという構造に変りない

落語枕型に分類したが,脈絡が唐突で,これはいただけない.

→「専門家」
自己責任論は当事者たちがそんなこと言ってなく,ここに書いてあるとおりですよ.
主語が別なのがややこしい.


今朝の産経抄(6/23)「説明責任こんどは野党」

2004年06月23日 | skshow
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論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック:「専門家」「」反語 さげ

・紙面の紹介
中心人物:小泉首相
産経新聞自身自身の結果が載っていないのが興味深い
自紙でないので,厳密には事例紹介かなとも思ったが,
ここでは,他メディアを特に別物扱いしていないので,
紙面の紹介に整理してみた

→筆者の考察
→筆者の考察
→報道の紹介
「反語」
中心人物:野党
小泉首相の反対側としての野党の行動の紹介

"しかし~もまた、疑問と不審~いない。"(否定)
"一斉~主張。当初~柔軟な姿勢"(肯定)
"ところ~一転、撤退論~くら替え"(否定)

文章作りの基本レトリックかもしれない.内容が否定的か肯定的かは立場によって異なるので,ここは言葉の使い方でみたい
第一文は逆説の接続詞を「も」で畳みかけ,疑問,不審,不信と否定語を重ねている.第2文は一転,一斉に主張(前向きな勢い),柔軟な姿勢と前向きな言葉を並べている.
で,第3文で一転,鞍替えといったまさにひっくり返すような
否定語を用いている.ここで,読者はパイレーツに乗ったときのように上げられたり下げられたりする.
単純に野党を攻撃する主張ならば第2文を後に持ってきて
"~を見せていたにも関わらずだ"としたほうが否定否定肯定で
もっと主張としてはきつくなる.
このかたの得意パタンの場合,このあとのパラグラフではもう
別のことを話題にしていて,ここで,野党攻撃を組み込むのを
よくやられるのだが,今回はこの話題のままで,最終パラグラフへ行くので,ここでの主張はあまり濃くなる必要はない.
むしろ中間部としてのリズムを重要に考えたのでないか,

→報道の紹介
筆者の問題提起
→筆者の主張
さげ
"“知っちゃあいないよ”で済ます気なのか。"
は,小泉さんの発言なら,攻守交替だよ(オモエモナー)という
感じをだすためのレトリック

今朝の産経抄(6/22)「いにしえの台風」

2004年06月22日 | skshow
原文はこちら
論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック:「専門家」「さげ」「事例紹介」

・報道の紹介
中心人物:台風
→事例紹介
過去の事例による被害の紹介
→事例紹介,「専門家」「」
中心人物:信長
もーと古い例を
昭和から永禄やスリップしている.身近なことから,手を伸ばしながら事例を紹介すると読みやすいということなんだろう.
こちらは,出典を明記して専門家を登場させている.このくらいの時代のはなしだと,諸説ある中の説のハク付けという感じではなく,純粋に引用元明記といえよう.
→事例紹介の続き
→事例紹介の続き
→筆者の考察「」
ここは,
"降らなければ降らないで夏の渇水が気になり、また降れば降ったで水害が心配になる。台風6号の雨量も記録的なものだったらしい。"
でおわっても何ら問題はないが,もう一回ここで,いにしえの引用をすることによって,前のパラグラフが活きてくる.危うく単調な単純列挙型になるところが,ぐっと深みのある構造になっている.あざとくもなく,参考になる締めだと思う.

こういう,枕でなく文末にヒネリが入っているのを「さげ」型
テクニックとしたい.しかし,これが政治ネタで使われるとねっとりした感じ,筆者の主張を畳みかけるように主張するとか,筆者の表の主張は最終パラグラフの先頭に形式的に書かれ,ここで
さくっと本音を挟み込むように書くなんて使い方もありそう.

こう書いていて思い出したが,
「さげ」型は昔は読売新聞が得意だったような気がする
今はどうだろうか.他紙まで比較余力はない,その前に
バックログを貯めないことだ.

今朝の産経抄で書きたいこと(改訂)

2004年06月21日 | skshow
「白紙でだしてきたよ」元々,家族が,一見関係のないキーワードをつなげて,
一つの文章にするという試験問題をうまくできなかったよというのがきっかけです.

一見関連のないことをつなげるのが得意なのは,「落語」か「コラム」.
特にその場で話題にしたのが,「しんぶん」,短い文章で構成する新聞の巻頭のコラムという話をしました.
その場では,即興でこんなふうにつなげればいいのではという例を作ってみたんですが,もっとエレガントに強引な文章
の例があるかなってちょっと考えたのです.

後日,このことが頭の片隅に残っていて,コラムで本当に話の構造ってどうやって構成して
いるのだろうか確かめたくなり,実際に分析してみたいなってと思い立ったのです.

分析するっていっても,小学生のように机に隠して,絵を書いてしまっておくっとというのだと続かない.
ここそこの暇を見つけて書きためて,整理できないと続かない.
さあどうやって書こうかと思っていたところ,折しもBlogブーム.
私もアカウントは持っていたものの書くことがなかったので,これはいいとテーマに選んだのです.

さて,ではなんで産経抄なのか,
実は,家では産経新聞はとっていません.
コラムだったら,「天声人語」だろうが,と思うかもしれませんが,このコラムでは「構造」がキーワードなんです.
私の関心は短い文章が,巧みな構造で比喩や飛躍論理の入れ替え,擬音擬態などの構造を屈指することで
筆者の主張が「スッ」と示されているかです.
その意味では天声人語は主張がストレート過ぎるんです.もちろんこれも,きちんと分析してみないと
わからないのですが天声人語はすでにこういうことをやっている人も多いでしょう.天声人語の要約って,今でも夏休みの宿題の定番なんですかね.楽しくないですよね.でも天声人語の方が夏休みの宿題対策サイトとしては
喜ばれるかもしれませんね.
産経抄は産経新聞のオピニオンということもあって
主張ははっきりしていて,いかなる状態からもその状態に持っていくのです.(6/20を読んでみて下さい.内容はここでは取り上げないつもりでも,この日のなんて,いかにもって感じでニコニコしてしまいます.

産経新聞ですから,書かれていることへの批判,賛辞も他紙よりは強くでるでしょう,

しかし,シュプレヒコールのように結論やお題目だけいっても,それだけでは読み手の気は惹きません.
その構造とテクニックに興味を持っています.2カ月やって,よい文章もあれば,流しているのもあると
いうことがわかりました.
私は書いてある内容の是非についてはここでは,ふれません.内容に関して他のWebサイトBlogなどでの
議論にまきこまれたくないです.

おかげで全くというほどアクセスがないですね.(笑い)
でも,アップした日は少しずつアクセスがあるのがすごいです.

やってみてわかってきたのは,主張の強い日が5日エッセイが2日でローテーションのようです.が,ときにその中間のような日があって,それがすごいできなのがあるのがまたおもしろい.


もう一つ,産経抄は無料のImodeサイトで公開されていて,暇々に読んでました.
これがおもしろい,新聞一面に書いてある時は自分の視野に文章全体が入っているので,下手をすると
結論の先読みができるのですが,Imodeの場合はスクロールして読む.これが全然違うんです.
先読みができないから,筆者の構造テクニックに簡単にはまってしまうんです.これが,「音」による
語りで先読みができない落語に通じるのかなと思ったのです.

(初めての人に読んでもらいたくてまた少し加筆修正してアップしました)

このblogの読み方Ver1.2

2004年06月21日 | skshow
(初めて来た人のために順番をあげました)

1.論理構造タイプ:
文章の構造を分類することに挑んでいます.残念ながら,まだうまく自分の思うように類型化できていません.

(1)落語枕型:
最初の話題は結論に全く関係ない.主張のための前振りを持つ構造.
通常の文章でやられるにはまだよいが,新聞コラムでは引き合いにだされて,ほかされる.
 ような感じこういうスタイルがコラムにあるのは,

(2)単純反復型:
 最初に報道もしくは,話題の提供を行い,それについて筆者の考察,事実の補足が単調に続く
話題そのものが重要で,構造としては単純.結論も単純
(3)「キーワード」継続型:
 単純反復型に近いが,一つの「キーワード」に対して,パラグラフごとに記述が続く
自分の分類としては,キーワード型の方がパラグラフ前後の結びつきが弱いと考えている.

(4)追悼型:
 新聞コラムでは,必須の有名人の追悼記事に対するコラム.破綻のない構成が求められる.
最初に故人の逝去に触れ,次に
パタン:故人の著作があれば引用して,感想を述べる
パタン:故人と筆者が交際があればそれについてふれる
パタン:故人が季節との結びつきが深い場合,季節の話題から故人を偲ぶ.雪とか梅雨とか寒空とか
消えゆくがふたたび巡ってくるというのからよくなじむ

(5)エッセイ風:
 無構造といってもいい.さらさらと当たり障りのない話題について書き綴る



2.出現テクニック:


(1)中心人物:そのパラグラフでの話題の中心.または,そのパラグラフでの主張を行っている人・団体.
話題の中心をはっきりさせるために書いています.
「秋田県でお米を植えている皇太子殿下」という文があったとき,この文章は次のパラグラフに向かって
「秋田県」,「お米」,「皇太子殿下」の何が話題の中心なのか,こういう時は尤も有名な固有名詞に
関心が集まりますが,実は関心を引くためのサクラ,文章内「枕」の場合がよくあります.その構造を見いだすためにかきだすようにしています.
また,下の「といえば」と組み合わせて,あるパラグラフでの主張を行い,その主張の余韻がある中で中心人物だけ入れ換える.そうするとあたかも次のパラグラフの中心人物も前のパラグラフと同じ主張をもったような印象を読者に与えることができる.

(2)「といえば」:本当にいいたいことと一部に「つながり」のある話題を前のパラグラフにおいて,風が吹けば桶屋が儲かる的な話題の遷移を作り出す.普通の論文ではこんなことはできない.


(3)「反語」
言い切った後にさっと反対主張を出したり,類似を引いて独自性は少ないと示唆する場合ありです.
なんで,わざわざ反対のことをいうのでしょうか.2つのパタンがありそうです.
パタン:マイルド型 反対意見にも耳を傾け,「よい子」のコラムに仕立てる.読後に過激な印象を残さない工夫
カレーに入れるヨーグルトのような感じ
パタン:エッジ際立て型 わざと反対のことをいって自説の主張のエッジをはっきりさせる
お汁粉にいれる塩のような感じ

(4)「一部の人」
誰かが言ってたと言っては学校の先生に怒られていたが,自分が言っていないといって,一般性をもたせている.
本当は個人を明確できるのにあえてこのように書いているようにもみえる.しかし,政治外交欄の「当局」とか「筋」とは性格がことなっていて.一部の人と書くと複数いることを想起させて,かえって信憑性が上がってしまうのがふしぎ

(5)専門家
自説にハクをつけるのに多用されている.よくいえば根拠を示す.
普通の文章は引用や紹介をすると引用元の紹介を明示するのが基本だが,新聞コラムはそれも許されているようだ.
場所の都合もあるからかもしれないが,引用というよりそのパラグラフの権威付け使われているようにみえる.引用の場合は,引用文を料理する必要があるのにそのまま載っていることもあるからである.

(6)事例紹介
読者の投稿や自分で見つけてきたことを基に信憑性を高める.たった一例で一般性を導いてしまうので,少々怖い

(7)「」型
昔読んだエッセイの書き方の本に,3行以内で勝負をつけよ.テクニックは会話,擬音だと書いてあった.
話題のキーワードはそれを使うだけで,目に飛び込んでくる.


(8)巻頭の切り出し,「話題の提供」と「報道の紹介」と「紙面の紹介」の違い
「話題の提供」:紙面とは関係なく筆者の関心で集めてきた話題
「報道の紹介」:紙面で記事にはなっているが,どの記事と特定しない,または連日の複数の報道を総括して
話題とするとき
「紙面の紹介」:当日または昨日位の特定の記事を指す

今朝の産経抄(6/21)「言葉(ことば)の力」

2004年06月21日 | skshow
原文はこちら
論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック:「専門家」「」

・話題の提供
中心人物:ラジオのことば
→事例紹介
キャンペーンの紹介
→事例紹介の続き
単行本化された内容を紹介
→事例紹介
引用というより転載にちかい.
→事例紹介
"そのひと言によってみんなの心が救われたというのだった。"ここも,みんなが感動したので筆者は伝えているだけ.
→筆者の考察

背景に例の事件があるということを念頭に書いているのだろうけど.本当に本の紹介だけでおわってしまった.同じスペースでもっといろんなことを含められたのでは,言葉の力をテーマにするのであれば,もっと言葉の力を駆使して書いてほしいかった.

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今朝の産経抄(6/20)「キムの勝負勘」

2004年06月21日 | skshow
原文はこちら
論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック:「専門家」「といえば」

中身としては,この新聞の超得意分野なんでしょうけど,構造としてはどうか.

・話題の提供
中心人物:共産主義
のっけから濃いーパラグラフでのけぞるが,感想はここの領分ではないので.なし
→中心人物:北朝鮮
最初のパラグラフは書きたいから書いたので,ここ以降あってもなくても,影響ない.
ここで,話題の紹介
→話題に対する考察
→考察の続き
ここで,中心人物に対比する存在を"何しろ韓国では"という書き出しで提示
→「といえば」
韓国の話題,北に弱気といえば日本の話題
→筆者の考察
そのほかの2国を対比して提示
日本の提示の所だけは「といえば」を使って導き出しているが
他の国は,順番にでてきているだけで,つまらない

本当は第一パラグラフがなくても残りできちんと成立する
構造なんだが,
なんといっても第一パラグラフの毒気にあてられて,
うしろが霞んでしまうのがすごいというべきなのだろうか.

今朝の産経抄(6/19)「説明責任」

2004年06月21日 | skshow
原文はこちら
論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック:「専門家」「」

・報道の紹介,筆者の主張
→報道の補足
→筆者の疑問
前パラをきっちりうけて
"「了解」をとった"→"では、どのように了解をとったのか"
→疑問の根拠の提示
倒置でしょうか.疑問を提示して,なぜならと疑問を持つ根拠を提示
ああ,でもここで「国民は」を使ってしまった.
数日前のイラクのはなしと違って,ここは自分の主張国民にくっつけてる
→筆者の要望,提案
"テレビなり、ラジオなりでもいい"
あれ新聞は!と読むか,新聞の役割は暗黙に語られているか.
じゃァお前がというのは酷,分担が違う

→筆者の主張の続き


すっごい単純反復,反語もなければほとんど構造らしきものはない.こういう文は本欄としては物足りないわけ.

今朝の産経抄(6/18)「梅雨」

2004年06月21日 | skshow
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論理構造タイプ: エッセイ型
出現テクニック:「専門家」「」

昨日分はお札に絡めて,女性樋口一葉だったが,今日は梅雨に絡めて,まるで連作のような.

・話題の提供
中心人物:堀口大学
「といえば」梅雨といえばと詩を引用,

"「夕ぐれの時はよい時/かぎりなくやさしいひと時…」"
のように巻頭に「」を使うのは基本テクニック

そしてその作者に話題を写す.こてこてともいえる枕の構造.こういうの好きです.
→中心人物の作品紹介
→「といえば」
作家つながりで別の人を紹介
→「といえば」
前のパラグラフが,雨から夕暮れを想起させて,
ここで,夕暮れのサクラ並木を登場させ,
サクラといえば,桜桃忌
で,太宰治
しかけるしかける.
→元へ戻る 話題紹介
"夕日が沈めば本来旧暦の季語だった五月闇(さつきやみ)がくるが、十九日から夏至(二十一日)までの三日間、「百万人のキャンドルナイト」"
夕暮れといえば→五月闇とくれば,→夏至の闇
といえば,一斉消灯
てな感じ
→筆者の感想

過去の偉人を前に,最後に草の根を人に共感して,内容も優しくかつ,といえば展開も豊富で,これは気に入った.