endy's teapot

今朝のSKshow!

勝手に産経抄(1/28)「ゆとりのはきちがえ」

2005年01月31日 | skshow
原文はこちら

ちょっと気になるので,もう一度この日のコラムを取り上げますね.かつ,内容にコミットするので表題も変えますね.

>「ゆとり教育」には問題が多いことがようやく認知されるようになってきた。

曖昧な書き出し,根拠をよく専門家に求める産経抄にしては珍しい

>「数学なんて実社会では何の役にも立たない」と、斜に構える人

数学が何に役立つかは詰め込み教育では教えてないし,教えられないですね.
「詰め込み」の反動の「ゆとり」の反動はもう一度「詰め込むのか」とはならないはずなのですが,どうなんでしょうか.

>たしかに、ツルカメ算や連立方程式を駆使する職業というのはあんまりない

そんなことはないですよ.確かに方程式を解くことはないかもしれませんが,
○○算の考えなんていうのは結構使いませんか.
収益をプレイヤーで按分するなんてことはあることなんです.

>論理的な思考が身についてくる

論理的思考は,解くことだけなんかでは身につかないんです.
問題を解きほぐして,誰にでもわかる解法として記述するのと,解を得る過程はちょっと別なんですよね.

小6のときに,文章題を先走って方程式で解くことがはやりました.
「左辺を移項するときは符号を逆にする」
というのはみんな知っているんですが,「なぜ」を説明出来たのは私だけでした.
1+(-1)=0 とか 両辺に同じ数を足しても引いても等しさには変わりはないことを理解出来ないと
単なるテクニックの積み重ねだけになってしまいます.
対して「なぜ」という疑問を持ち,それを解きほぐせなければ,人間電卓なんです.

それは,反復詰め込みと全く違うプロセスが必要です.それを通常の数学のカリキュラムで
教えることがむずかしければ,「ゆとり」の時間を使ってやればいいんです.


もう一つの例ととして高校ででてくる相加相乗平均という公式があります.
この式がどうしてでてきたか,この式の持つ現実社会での意味づけとかは,この式を使う
数学の問題を何題やったところで,感じることはできません.

>中学教諭に「美術の実習は役に立つのか」と聞かれた。うーん…色彩感覚や審美眼が養われる?

格好の矛盾を提起されていて,おもしろいです.
美術は数学と逆で「何も教えていない」んです.「ゆとり教育の弊害」,ちゃんとおしえるべきことまで教えていないということのモデルはむしろ美術と国語にあると思います.どちらも,コミュニケーションの道具としての「技術」は教えず,むしろコミュニケーションの結果としては特異な「芸術品」を対象として取り上げている.
すでに現場でも気付いている先生はいるのではないでしょうかね.

>「ゆとり教育」という言葉は妙に聞こえが良すぎる。

こんな言葉を使ったのは間違いだったかもしれませんね.ボランティアやゲームではなく,普段の授業で教えられないことを教えるのもゆとりなんではないんでしょうか.

>睡眠や食事は最小限、私語などは論外。

ゆとりへの反動でこういうことを支持している人いませんか?
そもそも学力の低下がゆとりのせいなのかどうか,学力を図るのは試験の点数なのか.
ゆとりのせいにしていませんか?

昔,アメリカの学生は大学に入ってから真剣に勉強するって聞いたけど,あればうそだったのかな.最近は奨学金がもらえないと厳しいから,高校の成績も頑張るのかな.

(あとで加筆修正予定)

今朝の産経抄(1/31)「マリーシア」

2005年01月31日 | skshow
原文はこちら
論理構造タイプ: 落語枕型
出現テクニック:といえば
インプレッション:産経らしさ ○ 構造の魅力 △ 読みごたえ △

●ひとこと
中国と北朝鮮のサッカー選手のつばぜり合いなんて,「内輪もめ」のように見えることから
今日の表題にしたけど,
"サッカーに限らず外交でも。" で,手堅く外交へ「といえば」で展開をしている.
分量の比率からすると,このといえばは一パラグラフ遅いと思う.主張の核が第五でかつ
一パラグラフで済んでいるので,実はサッカーの話しも結構したかったのかなってちょっと
思う.しかし,外交をプチさげ,プチ枕にしたら巻頭コラムとしては如何なものか.
できれば,サッカーの話題は一つ少なくしてもう一つ外交で書いてほしかった.
第2パラグラフは第6にマージ可能. 残念


"快勝できる力があると信じている「が」"
この「が」で文末を終える文章がネットでは非常に多い,本人は倒置のつもりなのかと分析しているのだが,倒置されたはずの結論が見つからないことも多い.形式的に見つからないどころか,内容的にもなく,それこそ行間を読まなければいけなくなっている.

今日は
"サッカーの方はいつものフェアプレーで北朝鮮代表に快勝できる力があると信じているが,「DNA鑑定は捏造(ねつぞう)」などと、平気で主張する相手には、それくらいでないとらちが明かない。"
が割と素直に倒置になっている.
倒置して,外交を受ける述語に兼用することによって,かけことば(正しいかなこの用法)になっている.その意味では参考になるのだが,
「が」を抜いて,
「信じている」で終わらせたらいけないのか,文章は素直でそちらのほうが読みやすいと思うのだが,余韻があるとかメリットがあるのだろうか.

しかし,「が」で終わる文章にはいったいどういうメリットがあるのか,少し気になっている.今後少しこだわって分析していきたい.

1:話題の紹介:北朝鮮のサッカーチームの話を紹介
2:報道の紹介:数学をまなぶ効用を例示している.
3:歴史事例:北朝鮮チームの歴史を紹介
4:考察,まくら:北朝鮮チームといえば,日本チーム.日本といえば北朝鮮外交
5:主張:産経らしい主張なんだが,
"経済パイプを遮断してみせるくらいでいいのではないか"はいかにも弱い
"経済パイプを遮断してみせればよい"と言い切ってほしい
6:さげ:もう一度サッカーの話題に戻す,これも定番の手法.


今朝の産経抄(1/28)「ゆとりのはきちがえ」

2005年01月28日 | skshow
原文はこちら
論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック:専門家
インプレッション:産経らしさ ○ 構造の魅力 △ 読みごたえ △

●ひとこと
この人も「ゆとり」を勘違いしている.いや,わざと勘違いしている.


"極限状態の中で、生きることを自発的に考えさせる。"
考えさせる時間を作って考えることをさせるのが
ゆとり教育の目的なんで,その点では禅寺がやっていることも同じ.

ゆとり教育の反対に位置するのは
カリキュラムにしたがって,淡々と行なわれる教育を指すので,
例示として不適切.
禅寺が「ゆとりでない」教育をするのであれば,
・お経を意味も考えずに暗記する
・毎日ひたすら,掃除を自己目的として行なう
ことによって修行ができるのであれば確かにそう.
でも,生きることを自発的に考えさせているのであれば 目的は一緒ではないか.

中途半端な例示はかえって主張をおかしくしてしまう典型.

でも,この「ゆとり教育」って,勘違いしている人が多いよね.


1:話題の紹介:ゆとり教育の問題点について,最近の状況を鳥瞰.話題の提起
2:筆者の考察:数学をまなぶ効用を例示している.
3:反語:美術はどうかという例.なんでここに出したのか.パラグラフが活かされていない
4:考察:「ゆとり」という言葉への疑問
5:考察:"。「ゆとり」と「教育」の合体も無理があり" 用語にこだわっているだけなのかという
ことになってしまい,果たしてこの考察を主張を助けているのかどうか疑問.
6:事例紹介:最後に事例を持ってくるのは,全体の主張をソフトにしてしまう.功罪あり

今朝の産経抄(1/25)「安全保障で自立せよというのなら軍備増強」

2005年01月25日 | skshow
原文はこちら
論理構造タイプ: 落語枕型
出現テクニック:専門家
インプレッション:産経らしさ ○ 構造の魅力 △ 読みごたえ △

●ひとこと
アメリカ帰り官僚、経済人を専門家の名を借りて,一刀両断にして
といえば,で本題の9条の話へ
自衛権とは武力を持つことだというのが今日の主張
"安全保障で自立せよというのなら軍備増強しかあり得ない。"につきる
すべてはそこへの枕とさげ.


1:紙面の紹介:姉妹誌を引用して話題の提供.
2:ぷちさげ:アメリカ帰りの人をここで批判.でも今日のほんだいではない.
3:とえいば:日本の行く末といえば改憲
4:考察:NHK討論のへの感想.改憲派への不満
5:主張,反語:護憲派への批判.記述の順番が逆かなって気がするんですが,まず与しない護憲派を批判して,返す刀で身内を斬る方がわかりやすい.
6:考察:議論の進め方への批判

今朝の産経抄(1/24)「中国の民主化」

2005年01月24日 | skshow
原文はこちら
論理構造タイプ: 落語枕型?
出現テクニック:専門家
インプレッション:産経らしさ △ 構造の魅力 △ 読みごたえ △

●ひとこと
あまりにも構造に凝ってもらえないので,やり過ごすとヒット数が激減する.反響なんてどうでもいいとまではいいきれないな.せっかく書くんだし.
一応,趙紫陽氏を追悼する枕で,現代中国の問題においての独裁を批判している.
"こういう操作は日本人にも効いていて"なんてくだりが
"こういう操作は進歩的と自称する似非日本人マスコミにも効いていて"
なんてなれば刺激的なんだけど.

最後のパラグラフは,リズムとしては言葉の配置がすぐれているが,行間を読むには
この書き手を我々がまだ理解出来ていない.なので,なんの比喩なのかがちょっとわからないのが
残念.

"見えないところで矛盾"
"公式的だが本質的な忠告"
"小さな空しかのぞめない"
重要な比喩が託されているようなのだが,私には理解できなかった.
単に産経新聞の読み込みが足りなくて,
どこかにこの筆者がこれらを書いたことがあるというのであれば,ポイントいただければありがたい.

1:追悼:趙紫陽氏を追悼しているが,これは枕なのがすぐわかる.枕といっても全然違う話しにいくわけでもないが.
2:ロングパラグラフ:追悼の後半.ちゃんと追悼しているのは好感.
3:ロングパラグラフ:報道に対する経験の紹介
4:考察:要人の死といえば,デモ発生.しかし,今回はないことへの考察
5:考察:日本への波及.ここが産経らしくない残念
6:考察:
"独裁と市場経済は相いれず、見えないところで矛盾は膨らんでいる。"
"公式的だが本質的な忠告を、またも繰り返さねばならない。"
"この国には、小さな空しかのぞめない人がまだ多くいるのだから。"
比喩を読み取ることができない.いいたいことは想像つくが,導出出来ない.読者が暗黙で理解するほどのブランドはまだないのでは.


今日の産経抄(1/21)「我田引水 オモエモナー」

2005年01月21日 | skshow
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論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック:専門家
インプレッション:産経らしさ △ 構造の魅力 △ 読みごたえ △

●ひとこと
故事やことわざを枕に持ってくるのは基本的な手法.
あとは,報道の様子をまとめ,自分の主張にこだわる.すなわち
「手直しされた番組は公共放送にふさわしい品性や公平性を備えていたか」
である.
NHKや朝日にはいいたい事のある人が沢山いて,実際に解決しなければいけない
話題を枕に自説に持ってくる「我田引水」が横行しているので,話がこんがらがる.

産経抄も,何度も「中身の公共性」について言及している.
問題は,介入があったかどうかで,政治的な番組であるかどうかは関係ないと考えられるので,
筆者は自分の関心事に誘導していると読み取る事ができる



NHKに関しては
まずは,横領の話題をきっちり片づけてほしいのだが.
それが,どのくらい悪い事で,どのくらいの連座をすべきことなのかに
対して,論理的な文章での論陣を張ってもらいたかったのだが.

むむむ


1:過去の事例:ことわざ
2:報道の紹介:朝日対NHKの話題を紹介
3:過去の体験紹介,専門家:報道に対する経験の紹介
4:主張:「名誉をかけて証明」してほしい
5:主張:「公共放送にふさわしい品性や公平性を備えていたか」ここへもっていきたいのね.
6:考察:「人ごとのような態度はどうだろう。」感想のような末尾で,とりあえずあやまれって
5で自分の話題にもってきたのだから,反語的にトーンをやわらかくする必要があったのか,
そもそも,そんなに過激にもなっていないし.



今朝の産経抄(1/20)「入試漏洩」

2005年01月20日 | skshow
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論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック:専門家
インプレッション:産経らしさ △ 構造の魅力 △ 読みごたえ △

●ひとこと
私が大学を受けたとき,昼休みに試験会場の安田講堂前で弁当を食べながら,
O社の「800点確保」という直前攻略本に「今年はじゃんけんがでます」なんて感じのことが書いてあって,その場にいた友人たちと,とりあえず食後の10分漬けでおぼえておいたんです.
そしたら,本当にでたんですね.おかげで数学は高得点をいただけました.本当の話です.
(800点なんて書くと年がばれますね.) それこそ出版社のヤマが当たっただけだと思うんですが.
他にも,そのシーズンの11月の駿大と代ゼミの模試で全く同じ国語の例文が出題されていました.
共同幻想についての話でとってもおもしろい内容だったのでよくおぼえています.問題は違ったのですが,おぼえている文章なんで,有利だったのは間違いないです.数少ない得意科目でしっかり稼ぎました.

えっ構造は? って今日のは
一昨日の続きで,テーマは危機管理でなく,漏洩そのもの



1:報道の紹介:入試漏洩
2:考察:揺れる社会を考察
3:報道の紹介,専門家:
4:考察:遠藤周作エピソードをいれて,トーンを和らげている.
5:主張:問題は,国語の掲載よりも,事前予告
6:主張:ネット情報に踊らされないようにという主張


今朝の産経抄(1/19)「"申し開き"とは弁明のこと」

2005年01月19日 | skshow
原文はこちら
論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック:専門家
インプレッション:産経らしさ ○ 構造の魅力 ○ 読みごたえ ○

●ひとこと
「申し開き」とは弁明のことで,反論と弁明は微妙に相手との力関係が違っている.
朝日は弁明をしているというのが今日のポイント.構造ではないんだが,鍵となる
言葉に注目した今日のコラム.久々の単純反復型.シンプルで結構


「スポンサーでもない政治家の介入は内容の如何と関係なく,娯楽番組でもなんでもNGなんではないのかいな.」ということに対して

"自由は社会に対する節度、公への配慮があってこそ成り立つ。(略)同時に、この国を一方的に断罪しそれを報じる「自由」が妥当だったかも、(以下略)"というのが今日の主張
久々に明快に強い主張があるのが,その説を支持するかどうかは別として,産経らしくちょっとうれしく懐かしい.



1:報道の紹介:NHK介入問題
2:主張:朝日の姿勢への批判 「申し開き」と断
3:考察:朝日の主張"民衆法廷の偏りについて「今回の報道とはまったく別次元」"に対する疑問.
4:考察:批判がおきた経緯に対する考察.番組内容に起因するのだと.
5:考察:"かつての「進歩的知識人」" "一部の左翼マスコミ"に代わる新しいキーワード
6:主張:"自由は社会に対する節度、公への配慮があってこそ成り立つ。"
エッセイでないコラムはこのくらい簡潔に言ってこそ.簡潔だから明快かってっていうと.
残念. 公への配慮ってよく分からないよね.


今朝の産経抄(1/18)「ありえないこと」

2005年01月19日 | skshow
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論理構造タイプ: エッセイ型
出現テクニック:「」
インプレッション:産経らしさ ○ 構造の魅力 △ 読みごたえ △

●ひとこと
「ひねくれもの」の一言で,採用決定
事例→考察→事例→事例→事例→考察
というもの.コラムで事例が多いと,雑学としての知識が増えるのはよいが,
果たして限られた字数で,事例集のような文章を読んでたのしいだろうか.

「ひねくれもの」ならもっと構造もひねってほしかった.

1:報道の紹介:ありえない 主題ミス
2:考察:
3:事例:ありえない ノロウィルス
4:ロングパラグラフ:自社の対応.
5:事例:ありえる 製品故障inアメリカ
6:主張:製品を簡単に取り替えることが「ありえること」なんかいな.
ありえない状態を作るためにために立派な堤防とか地下貯水池とか築いてきたんだけど.

背景を知らずして,今の治水,特に大都市の治水をあたりまえだと思ってしまうことは
確かにまずいかも.昔は神田川はすぐあふれました.と,ちょっとフォロー



今朝の産経抄(1/16)「誤報の一人歩き」

2005年01月17日 | skshow
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論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック:専門家
インプレッション:産経らしさ ○ 構造の魅力 ○ 読みごたえ △

●ひとこと
昨日からの続きのような,コラム.昨日のコラム全体を
「枕」にしている.非常に珍しいパタン.
教科書問題は自分も鵜呑みにした口なんですね.でも,事実は「そんなことなかった」んですが,
ここを焙りだしたかだされたか.すっきりしていない問題ということがわかったできごとですね.
今回,「といえば」でこの問題を出してくるのは,「誤報の一人歩き」に対する警鐘ナノでしょうが,この問題をとりあげてくるところが産経らしい.慰安婦問題から持ってくるにも近い話しとなるのでしょうね.
構造は極めて,単純で.単純反復型というより,
「単に長い文章」
なんです.何が違うかというと,新聞コラムの魅力は限られた字数で,いろんな知見や考察,事実の紹介をコンパクトに詰め込むところにあると考えます.だからこそ,詰め込み方におもしろさがあります.よく,学校の先生が「天声人語」を要約しなさいというけど,すでに要約なんで意味がないのです.今日は2日かかりの枕で○にしてありますが,教科書問題を単になぞるのに紙面の半分を使っているのは実にもったいないし,無駄.
本当は中国批判をしたいのなら,もっと後半を膨らました方がよいし,元のNHK問題に戻った後のボリュームも少ない.
「その原因を作ったのは、推測と伝聞だけの軽々しい「内部告発」だった。」と決めつける主張を育てる考察が足りない.惜しい.

1:といえば:従軍慰安婦から教科書問題へ
2:事例紹介:当時あったことの紹介
3:ロングパラグラフ:顛末の続き
4:ロングパラグラフ:自社の対応.
5:ロングパラグラフ,考察:大陸対応を紹介して,痛恨のできごとだったと回想
 ここまで,事例紹介につかってしまっている.
6:主張:「政治家は叩かれるべきもの」ではなく「政治家は守られるべきもの」ありきなのかどうか.”軽々しい「内部告発」”ともう言ってしまっていいほどの根拠はこの文章のどこにもない.



今朝の産経抄(1/15)「番組の真実は」

2005年01月17日 | skshow
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論理構造タイプ: 単純反復型
出現テクニック:専門家
インプレッション:産経らしさ × 構造の魅力 × 読みごたえ △

●ひとこと
金曜日に書いても,ヒットが伸びなかった.元ネタのせいにはできないよね.

今日の話題は,ナイーブな話題の幕の内弁当,誰も簡単に解けはしやしない.
・報道,放送事業,政治,外交,戦後処理 あまりにもてんこ盛り
いったい,世のマスコミは何を解きたくてNHK問題に取り組んでいるのか.それが見えなくなっている.ただ知りたいだけなのか.
・横領をしたい.
・会長を辞めさせたい.
・弱体化させたい
・政治家の失点を明らかにしたい
・政治家の潔白を晴らしたい
・外交問題に変化をだしたい
・慰安婦問題の真実を明らかにしたい
・なんでもよくてただ真実を知りたい
構造から,見えてくるのは,いまのところはとにかく知りたいということで,全体としては
様子見のような気がする.



1:問題提起:肝心な問題が抜けているという主張を最初に行なう.
2:報道の紹介:告発内容の紹介.
3:ロングパラグラフ,プチさげ:内容の詳細
”そうした女性を日本軍が強制的に集めたという根拠はなく、戦地での接客業というべきものではということはさて”とさりげなく筆者の考察をはさんでいる.これが重要な見解で,こんなに軽く流すことではないはずなのですが.
4:考察:事実より,素材の質として,報道に足る素材だったのかという問題提起
5:主張:報道の良心 と 結果としての公平さ は別
6:主張:”むろん、圧力があったのかどうかも含めて、徹底的に明らかにし、検証したらいい。誰が偏向していたか、おのずと明らかになるはずだ。”ということから,
圧力の有無
内容の真偽,素材の価値 について検証してほしい つまり,まだ知りたいというレベルであることがわかる.
さらに
”誰が偏向していたか”ということで,偏向している人がいるという前提に立っていることがわかる.このことから,偏向の中身と人を明らかにしたいということもわかる.
でも,わかってどうするかまでは言及していない.


今朝の産経抄(1/12)「東京にも空はある」

2005年01月14日 | skshow
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論理構造タイプ: エッセイ型
出現テクニック:専門家
インプレッション:産経らしさ × 構造の魅力 × 読みごたえ ○

●ひとこと
石井タンでなくても,食指の動くコラムは取り上げてきたが,今週は構造的にはほんとに不作.
別のテーマを考えたほうがいいのかもしれない.

今日の話題は富士山,中身は興味のある.東京から見える富士山の話し.
東京で冬に富士山が見えるのは「あたりまえ」のことである.富士見むしろ海を越える湘南からの方が見えない日が多い,そのあたりまえの富士山なんだが,毎年その美しさにあらためて驚嘆し,感動する.

東京の自然が取り上げられるときには,気になることがある.大抵の場合
「東京で自然に触れることができるのにびっくり」という論調である.マスコミの人たちの根深い思い込みがあるのだろうか.そういう風に東京は「不毛の地」と書くことにより「そうだそうだ」と溜飲をさげる地域の人たちがいるのだろうか.そういう論調はいい加減にしてもらいたい.東京の地は逃げ水や雑木林の落ち葉のようささやか事象に季節感があり,それを感じる人々によって育まれてきた地域である.今日のようなよく晴れた日の昼下がり,弱いひざしが「黄色い光」となって集落を黄金色に染める.そういう景色も,この季節のあたりまえに感動的な風景なのである.

高村智恵子の「智恵子抄」の中の有名な一節「東京には空がない」を読んだとき,少年時代の私は大変な衝撃を受けた.いったいなんでそんなことを言われなければならないのか,怒りと困惑に陥ってしまった.戦前の東京の空はおそらく今の地方都市の空よりもきっときれいだったはずなのにである.

あれから,答えがみつからずに何年も頭の中にその一節が居座り続けていた.自分なりに一つの解にたどり着いた.「空」「山」はふるさとを象徴するキーワードである.東京の人を含めて関東の西側の人にとって富士山や抜けるような青空はまさに「ふるさとの風景」である.「智恵子」にとっての「空」は東京にはなかったのだろう.

その点,今日のコラムは,富士山のうつくしさを素直にとりあげ,
「江戸の町民にとっては、身近な信仰の対象でもあった。お山が見えたら吉日、きょうもがんばろうと、先人はすごしてきたのではないか。」してくれているのがうれしい.




1:話題の紹介,専門家:季節の話題.天気予報を引用
2:筆者の体験:富士見という地名は,東京には沢山あるんだよね.
3:ロングパラグラフ:富士見坂体験
4:専門家:富士見についての解説
5:筆者の考察:東京と富士のかかわり
6:筆者の考察:これ唐突なんですよね.多分富士山をみて,前のパラグラフにあるようによし頑張ろうというような心境になったのでしょうけど.


今朝の産経抄(1/9)「自衛隊派遣」

2005年01月11日 | skshow
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論理構造タイプ: 落語枕型
出現テクニック:「」事例,専門家
インプレッション:産経らしさ △ 構造の魅力 ○ 読みごたえ ○

●ひとこと
連休中書かなかったら,あっという間にヒットがおちた.オフラインで書いておくことも多いので,つけおくとだめね.今日のもつけおきのを校正した投稿しています.

12.28以降,やはり灰汁の強さに物足りなさを感じている方は多いのでは.
斜に構えていて,深入りしまいとおもっていたのにどっぷりとつかっていた自分に気がつきます.
今日なんか,結局自衛隊を出せーという主張なんだけど,
「愚論がまかり通った」 ここまではいいのですが,
「後遺症でなければいいのだが。」これが弱い.これではコラムの模範生ですよね.

「といった一部マスコミの訳知り顔の愚論がまかり通った後遺症では困る。いまこそ
国家が国家を救うという大義のもとにアジアのリーダーシップが発揮される時である.

なんて書いてくれると「キター!」って感じなんですが,もうノスタルジーの世界かな.

一応歴史の事例からひもといて,枕としていると構造は手堅くて好感がもてる.
産経がロシアをひもといているのに使われ方が従来とまったく違う.ロシアは枕に消費される
だけで,そこにいつものロシアの役割はまったく期待されていないのはとってもおもしろい.

1:歴史事例:産経がロシアを取り上げると..という期待は裏切られるんです.
2:ロングパラグラフ:司馬遼太郎を引用するのは,ほんと常套手段
3:といえば,考察「」:「明治日本の幸運を強調したいのではない。」この一文で,話題が変わっていく.といえば 構造なんだけど,否定語で場面転換を図るのは珍しい.
4:筆者の考察:各国政府の援助の「はやり」に対する警鐘
5:筆者の考察:日本政府の対応への批判
6:筆者の主張:もっと目立ってほしいという主張.

今朝の産経抄(1/7)「ヨンフルエンザ-石井さん去りし後の産経の日韓-」

2005年01月07日 | skshow
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論理構造タイプ: エッセイ型
出現テクニック:「」事例,専門家
インプレッション:産経らしさ ? 構造の魅力 ○ 読みごたえ ◎

●ひとこと
石井さんいなくなるとこういう論陣がでてくるのかって
ちょいとびっくりしている.らしさを×していいものかどうか.
韓国,北朝鮮,中国のいずれにもこういう太陽政策的な記事を記事をみたことがないですね.

構造的には,話題になったひとの発言を象徴的に用いて,過去の韓国へのこだわりを鮮明にして
それを壊すことへの願望が主張されている.従来の産経でありえたろうか.
「韓国の人は、ちょっとねえ」
「韓国が嫌いでした」
というネガティブなイメージが
「僕は在日韓国人でええんやないか」
という人があらわれて
"体にすみついた“抗体”が、互いの色眼鏡を壊す"
へ変わることへの願望への代わっていく.

今までの産経なら一気に政治批判に行くのが
通常のパタンでした.たとえば
"中国は「政冷経熱」だが,北朝鮮を巡って韓国と日本の立場は大きくことなり韓国はさしずめ「政冷映熱」といったところか"
なんて書いてくると"キターッ"って感じなんですけど.
変わったのですね.ほんとに


1:話題の紹介,専門家:ヨンフルエンザ 駄洒落も珍しい.韓国ブームの話題の紹介
2:筆者の考察「」:"「韓国の人は、ちょっとねえ」と偏見" 一般の人を事例に大きな流れの変化を託している.自分が言い張らないのがミソ.
3:事例の紹介,考察「」:「韓国が嫌いでした」という在日の発言で逆説的な事例を引いて問題を鮮明化
4:ロングパラグラフ「」:
5:筆者の考察:この考察が,政治や文化ではなく映画およびヨン様だけをいっているのが実に珍しい.
6:筆者の主張:"互いの色眼鏡を壊すことになればこの" なんて,融和を唱えているのも,どうしたの?って感じですね.書いていることはいいことなんですけど.

今朝の産経抄(1/6)「大寒小寒といえば」

2005年01月06日 | skshow
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論理構造タイプ: エッセイ型
出現テクニック:といえば「」事例,専門家
インプレッション:産経らしさ △ 構造の魅力 ◎ 読みごたえ ○

●ひとこと
典型的な「といえば」エッセイ,結論に向かって種を蒔いているというよりは
徒然なるままを書いている.なんだけど,政治風刺が少しぴりって効いている.
コラムとしてはいいのだけど,産経らしいかというと?
小寒
といえば 大寒小寒
といえば 小僧がとんできた
といえば 子供がいない
といえば 小紙の「『福翁自伝』を仏語訳」記事
といえば 福沢諭吉
といえば 慶応義塾
といえば 小泉首相
といえば ルーズベルト大統領
といえば パン
といえば 七草がゆ
といえば 癒しと元気

という連鎖,新聞のコラムではありそうなパタンなんだが,不思議とここまで
徒然なるものは今までなかったです.
面前で一気通貫を完成したみたいなところは○
パラグラフごとの分析はなし