弁護士法人かごしま 上山法律事務所 TOPICS

業務の中から・・報道を見て・・話題を取り上げます。

成年後見  不正事案

2018-04-28 | 成年後見利用促進基本計画 関連
社会福祉士2755万円横領 後見制度を悪用、5人被害 刑事告発する方針


成年後見制度利用促進基本計画が本格的に動き出そうとしているときに大きなニュースですね。

個別の被害発生の防止もそうですが

基本計画の目指すところがはっきりしないと
結局、市民後見とか法人後見とか結構大掛かりなことになってしまうのではないかなと思います。
また、チームというか複数での対応というのも現実的になってくるのではないかということも思います。


西日本新聞の記事からです。

※引用

社会福祉士2755万円横領 後見制度を悪用、5人被害 刑事告発する方針

 公益社団法人佐賀県社会福祉士会(佐賀市)に所属する30代の男性社会福祉士=福岡県久留米市=が、認知症などで判断能力が十分でない人の財産管理を行う成年後見制度を悪用し、昨年11月〜今年4月上旬、福岡と佐賀両県の30〜80代の男女5人の預金口座から計2755万円を着服していたことが分かった。同会は26日、佐賀市内で会見し、業務上横領容疑で佐賀県警に刑事告発する方針を明らかにした。

 男性は2010年から同会に所属。後見や保佐となった同会の実務を担当し、6人の預金通帳を預かっていた。今月23日、同会との面談で「経営していた障害者施設の運営が悪化し、補填(ほてん)のためにした」と説明し不正が発覚した。

 同会は昨年11月、提出書類の遅延など男性に職務上の問題があったため、今年3月末までに通帳の返還を求めていたが、本人に会えず、結果的に被害拡大を招いたという。鍋島恵美子会長は「多数の被害者、多額の被害が発生し、心よりおわび申し上げます」と陳謝した。

特殊詐欺

2018-04-28 | 民事
法務省を装い、はがきで金銭要求 全国で約3万件の相談


特殊詐欺の一種ですが
ハガキが来て着手金といわれたときに
弁護士に相談してみようという考えが浮かばない原因はどのあたりにあるのだろうか?

※引用

法務省を装い、はがきで金銭要求 全国で約3万件の相談


 消費者庁は27日、法務省の名をかたった業者が「訴訟を起こされた」とするうそのはがきを送りつけ、お金を支払うよう要求しているとして、消費者安全法に基づいて事業者名を公表し、注意を呼びかけた。各地の消費生活センターには昨年5月〜今年3月、同種の相談が2万9455件寄せられたという。

 発表によると、はがきの差出人は「法務省管轄支局民事訴訟管理センター」や「法務省管轄支局国民訴訟通達センター」などで、法務省には実在しない名称が記されている。「訴訟が起こされている」として連絡するよう求め、連絡すると、弁護士と名乗る人物が「示談に持ち込むには着手金が必要」などと金銭を要求するという。

 消費生活センターに寄せられた相談のうち、少なくとも107人が計約1億1900万円を支払った。近畿地方の70歳代の女性は、5100万円を支払う被害に遭ったという。

 同庁は、裁判関連の書類ははがきでは送られないとして、注意を促している。

忘年会 と 使用者責任

2018-04-23 | 労働
忘年会での暴行「会社に責任」…「業務の一環」


企業側のコンプライアンスやガバナンスの相談を受けたりしますが

意外とこういう使用者責任の及び範囲については、問題意識を持ちにくかったりするのだなあ

と感じることがあります。

読売新聞の記事からです。

※引用

忘年会での暴行「会社に責任」…「業務の一環」


 業務時間外の職場の宴会で起きた従業員同士のトラブルに企業が責任を負うべきかどうかが争われた民事裁判で、東京地裁が企業の使用者責任を認め、賠償を命じる判決を言い渡した。

 入社や異動に伴い歓送迎会が増えるこの季節、宴席に参加する社員の行動には、企業も注意を払う必要がありそうだ。

 提訴したのは、東京・新橋の海鮮居酒屋で正社員として働いていた男性(50)。訴状などによると、男性は2013年12月、上司の店長から忘年会に誘われた。休みの予定だったが、「参加しますよね?」と念を押され、他の従業員も9人全員が参加すると聞いて承諾した。

 忘年会は、深夜から焼き肉店で1次会が開かれ、午前2時30分頃からカラオケ店で2次会が始まった。男性は、その席で酔った同僚から仕事ぶりを非難され、「めんどくせえ」と言い返すと、殴るけるの暴行を受けた。男性は 肋骨 ろっこつを折るなどして約3週間後に退職した。

 加害者の同僚は15年3月、傷害罪で罰金30万円の略式命令を受け、男性は15年8月、居酒屋の経営会社「フーデックスホールディングス」(東京)と同僚に約177万円の賠償を求めて提訴した。

 同社側は「業務外の私的な会合で本社に報告がなく、忘年会も禁じていた」と主張したが、今年1月22日の東京地裁判決は、忘年会への参加を店長から促され、本来休みだった従業員を含む全員が参加した経緯を重視。2次会は電車もない時間に始まり、判決は「全員が2次会にも参加せざるを得ず、1、2次会とも仕事の一環だった」と判断した。

 さらに、判決は「会社が忘年会を禁じても会社は使用者責任を負う」として、約60万円の支払いを同社と同僚に命じ、確定した。

 男性は取材に対し、「会社員として上司に誘われて自分だけ忘年会に参加しないのは難しい。判決が忘年会を業務と認めたのは当然だ」と話す。同社の担当者は「コメントできない」としている。

 労働問題に詳しい嶋崎 量 ちから弁護士は「建前上は自由参加の宴会でも、実質的には全員参加で断れない状況であれば、企業に責任が生じ得ることを再認識すべきだ」と指摘している。