弁護士法人かごしま 上山法律事務所 TOPICS

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取調べの録音・録画

2016-10-03 | 取調可視化
裁判員裁判対象事件、1日から全過程を可視化 全国の警察で


全体の事件の割合も示してほしいものです。

立法審議の過程での取締り側の言い分を報道しないと

一般の方にとっては、刑事司法改革の成果みたいに読めてしまうのが、問題。

産経新聞の記事からです。

※ 引用

裁判員裁判対象事件、1日から全過程を可視化 全国の警察で


 裁判員裁判の対象事件について、全国の警察は1日から原則、容疑者の取り調べの全過程の録音・録画(可視化)の試行を始める。これまでは裁判員裁判対象事件のうち、供述の任意性や信用性から必要とした場合に一部で可視化を試行していたが、例外を除いて全過程で可視化となる。今後は取り調べの技能向上や機材の着実な整備などが課題となる。

 裁判員裁判対象事件の全過程の可視化は、今年5月に成立した改正刑事訴訟法で義務付けられた。改正法は平成31年6月までに施行されるため、警察庁はすでに全国の警察に1日からの全過程可視化試行の新指針の通達を出し、本格実施に備えるとしている。

 警察庁によると、裁判員裁判対象事件以外の事件でも、取り調べを進める過程で将来的に裁判員裁判対象事件に発展する見通しがある場合は、可視化の対象とする。警察庁幹部によると、殺人事件に発展する可能性がある死体遺棄事件などが対象になるという。

 このほか、客観的な証拠が乏しく容疑者の供述が犯行立証に必要な場合は、事件の内容ごとに判断し可視化の対象とする。知的障害があり、取調官に迎合するような傾向がある容疑者についても実施する。

 可視化の機材が不足し、記録が不可能なケースや、容疑者が可視化を拒否した場合は例外的に行わなくともよいとした。

 警察による取り調べの可視化は平成20年から試行を開始。27年度は対象事件3217件のうち1565件で全過程の可視化を行い、実施率は48.6%だった。件数は26年度の587件から約2.7倍に増えた。

 課題は機材整備だ。取調室は全国の警察本部や警察署など約1200カ所に約1万室あるが、昨年末時点で取調室に設置された録音・録画に必要な機材は約1850台にとどまる。警察庁幹部は「改正法が施行となった段階で、機材が足りませんでは済まない。機材の整備を着実に進めねばならない」と強調する。

 また、全過程が可視化される中、容疑者が供述しやすい室内環境を取調官がつくるなどの、技能の向上も求められることになる。

 警察庁の坂口正芳長官は9月27日、全国の捜査担当課長らを集めた会議で「3年後の制度施行を念頭に原則全過程の録音・録画を行うとともに、計画的な機器の整備や取調官の技能向上などを図ることが必要」などと指示している。



【用語解説】取り調べの可視化

 冤罪(えんざい)の温床となる違法な自白の強要などがないか検証したり、裁判での供述の任意性や信用性を立証したりするため、取り調べを録音・録画すること。警察は平成20年、検察は18年から一部で可視化試行を開始。今年5月に裁判員裁判対象事件と検察の独自捜査事件の全過程可視化が義務づけられた改正刑事訴訟法が成立した。可視化の対象は全事件の約3%。

 裁判員裁判対象事件 国民から選ばれた裁判員によって全国の地裁で審理される重大な刑事事件。殺人や強盗致死、現住建造物等放火、身代金目的誘拐、危険運転致死などが対象になっている。


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