今年に入り九弁連大会のシンポのテーマを募った際に
「誰のためのIT化か」
というテーマの応募がありました。
拙速という批判も聞かないうちに改正法が成立したということです。
一番正解に近いのは「裁判所のため」ではないかと思います。
それにしても
6カ月以内に審理を終える裁判に同意する弁護士がどれだけいるか。
同意しないことが繰り返されると裁判所がプレッシャーをかけてくるのではないか。
など今後の運用も気がかりです。
★引用
民事裁判や離婚調停を全面的にIT化する民事訴訟法などの改正案が17日、参院法務委員会で可決され、18日の本会議で成立する見通しとなった。記録の電子化、オンライン提出、ウェブ会議などが一気に進む。裁判所はシステムの構築を進め、2025年度までに順次、実現する。
司法IT化で裁判はこう変わる
民事裁判のIT化では、記録は原則電子化され、訴状の提出から判決の送達までオンラインで可能になる。オンラインでのやり取りは、弁護士らは義務化されるが、弁護士をつけない原告・被告には従来通りの紙での運用も認める。 法廷の審理も、原告・被告は口頭弁論にウェブ会議で参加できるようになるほか、遠くに住む証人に限って認めていた証人尋問のウェブ参加条件もなくなる。
IT化により、膨大な紙を持ち寄っていた裁判を効率化、迅速化し、利用しやすくする。IT化の遅れで外国企業が日本での訴訟を敬遠し、日本企業が他国での裁判を強いられる現状の解消も期待されている。
手続き面では、双方が同意すれば6カ月以内に審理を終え、その後1カ月で判決を出す制度ができる。双方が争った訴訟の地裁審理は平均13・9カ月(20年)かかっており、スピード決着で使い勝手を高める。
性犯罪やDV(家庭内暴力)を受けた被害者が提訴する場合、安全確保のために訴状などに住所や氏名を記載しなくていい秘匿制度も創設される。
また、離婚調停を全てIT化する家事事件手続法の改正案も成立する。