江利チエミさんは「美空ひばりさん」「雪村いづみさん」と違って、唄こそ我が命的な仰々しい楽曲は歌わなかった歌手...という点。これが私が彼女が大好きなところなのかも知れません。
私の人生(ラ・ビータ)唄/雪村いづみ
♪悲しみに心引き裂かれる時にも・・・
ディス・イズ・マイ・ライフ 今日も明日も歌おう!それが私の人生---
人生一路 唄/美空ひばり
♪胸に根性の炎を抱いて 決めたこの道まっしぐら
明日にかけよう 人生一路 花は苦労の風に咲け!
こういう「マイ・ウェイ」的な「自分の人生を歌い上げるナンバー」というのは、江利チエミ・スタイルではなかったような気がします。
チエミさんに「私の人生」というナンバーがありますが、これはドラマの主題歌です。
♪愛は終わるからいとおしい
命は尽きるから美しい
着物縫っては壁に掛け 眺めて解いてまた縫って
あなたをじっと待つことが 思えば私の人生でした
♪夢は醒めるからいとおしい
涙は枯れるから美しい
たとえ貴方が居なくても 二つの茶碗にお茶を注ぎ
見えない影と話すのが 思えば私の人生でした 思えば私の人生でした
切々と語るように歌う・・・昼ドラ「赤帽かあちゃん」の主題歌でした。
※52年日テレ(13:30~55まで)「赤帽かあちゃん」(8/29~10/28.まで)
戦前--->戦中---->戦後を、山梨・下部温泉の女中さん、平和主義者との結婚、夫の死...
一人息子を育てる為、「女であることを捨てて」リンタクの運転手、甲府駅の赤帽と働きつづけて育て上げ、最後は交通事故死をしてしまう実在の女性「内海かな江さん」をほとんどノーメイクの体当たりで演技し、好評を得ました。
(先にこの作品は、「女赤帽物語」として清川虹子さんの主演によって新宿コマで上演されました。ドラマで清川さんは奉公先の旅館「源泉館」の女将を演じました。)
一応、前章までで「本編」は終わりで---す。