45)ひばりvsチエミ 犬猿の仲といわれた理由 のレスに、kouさんがひばりさんが一周忌の時に読まれた句をご紹介くださいました。
亡き友に 悔いて捧げん 花一輪
この歌にこめられた戦友「美空ひばり」の思いをが忍ばれる彼女の「発言」を紹介します。
福岡・済生会病院に緊急入院をする1月前、美空ひばりさんは読売新聞の記者出身のノンフィクション作家、本田靖春氏のインタビューにこう答えています。
>私も肝臓でドクターに(飲酒の)ストップかけられて、調子が悪かったときなんですよ。顔にバ-っとブツブツが出来てましたからね、それで判ったんですが、とにかくひどかったんです。写真も撮れない顔になっちゃった。だから大阪のテレビ局でVTR撮りしたときは、レンズに紗をかけてもらったんです。
(ちょうどその時、ひばりさんとチエミさんは同じ新幹線に乗り合わせます。)
>隣の席へあの子がやってきたので、何飲んでんの、って訊いたら、うん?ウィスキーにね、牛乳混ぜて飲んでんだ、って言うから、そんな飲みかたして、あんた身体によくないんじゃない?って言ったら、ううん、これが一番飲みやすいの、キサン、飲めないの?って言うんです。うん、いまちょっと調子悪くてね、飲めないんだ。悪いね、悪いね。飲めないキサンのそばで飲んじゃってごめんねとか言って、しばらく話しながら飲んでたんですね。
>あれからそんなにたたないうちに亡くなったのね。彼女も相当に乱暴な飲み方してたんですね。あれ(ウィスキーの牛乳割り)は飲みやすいですから、どんどん飲めます。…
>やっぱりお酒で気をまぎらわすっていう時間が多くなりますね。ただ、私達にとって危険なことは、ひとりぽっちにさせられることですね。こういう勝気な女でしょ。それだから、弱いところはひとには見せたくない。あたしは幸せよ、あたしは元気よ、って、いつもこう胸張っている性格ですからね。だから、ポツンとひとりになった時に、何にも頼るものが無い、寂しい…というのをお酒に託してしまう。それで身体を壊してしまったりする。そんなときに、もうだめよ。その辺にしときなさい!とかいう人がそばにいてくださると、救われるのかも知れないですね。あの子の場合も、やっぱり私と同じ状態だったので、残念ですね。だれかがそばにいてあげたらよかった。私、だれかいると思っていたんです。
>たったひとりで住んでいたそうですからね。かわいそうです。亡くなった時の状態がそうでしょう。だれかついていれば、暖房だってあんなに強くつけなかったし、あの子だってそのまんま寝ちゃうってことはなかったと思うのね。具合が悪かったから、アルコール飲んでるとこへ薬飲んじゃったでしょ。風邪薬だか何だか。そういういろんな条件が重なって、ああいう結果になったんでしょうね。でも、早すぎますね。
美空ひばりさんのあの献句には壮絶な思いが込められていたのだと思います。
亡き友に 悔いて捧げん 花一輪
この歌にこめられた戦友「美空ひばり」の思いをが忍ばれる彼女の「発言」を紹介します。
福岡・済生会病院に緊急入院をする1月前、美空ひばりさんは読売新聞の記者出身のノンフィクション作家、本田靖春氏のインタビューにこう答えています。
>私も肝臓でドクターに(飲酒の)ストップかけられて、調子が悪かったときなんですよ。顔にバ-っとブツブツが出来てましたからね、それで判ったんですが、とにかくひどかったんです。写真も撮れない顔になっちゃった。だから大阪のテレビ局でVTR撮りしたときは、レンズに紗をかけてもらったんです。
(ちょうどその時、ひばりさんとチエミさんは同じ新幹線に乗り合わせます。)
>隣の席へあの子がやってきたので、何飲んでんの、って訊いたら、うん?ウィスキーにね、牛乳混ぜて飲んでんだ、って言うから、そんな飲みかたして、あんた身体によくないんじゃない?って言ったら、ううん、これが一番飲みやすいの、キサン、飲めないの?って言うんです。うん、いまちょっと調子悪くてね、飲めないんだ。悪いね、悪いね。飲めないキサンのそばで飲んじゃってごめんねとか言って、しばらく話しながら飲んでたんですね。
>あれからそんなにたたないうちに亡くなったのね。彼女も相当に乱暴な飲み方してたんですね。あれ(ウィスキーの牛乳割り)は飲みやすいですから、どんどん飲めます。…
>やっぱりお酒で気をまぎらわすっていう時間が多くなりますね。ただ、私達にとって危険なことは、ひとりぽっちにさせられることですね。こういう勝気な女でしょ。それだから、弱いところはひとには見せたくない。あたしは幸せよ、あたしは元気よ、って、いつもこう胸張っている性格ですからね。だから、ポツンとひとりになった時に、何にも頼るものが無い、寂しい…というのをお酒に託してしまう。それで身体を壊してしまったりする。そんなときに、もうだめよ。その辺にしときなさい!とかいう人がそばにいてくださると、救われるのかも知れないですね。あの子の場合も、やっぱり私と同じ状態だったので、残念ですね。だれかがそばにいてあげたらよかった。私、だれかいると思っていたんです。
>たったひとりで住んでいたそうですからね。かわいそうです。亡くなった時の状態がそうでしょう。だれかついていれば、暖房だってあんなに強くつけなかったし、あの子だってそのまんま寝ちゃうってことはなかったと思うのね。具合が悪かったから、アルコール飲んでるとこへ薬飲んじゃったでしょ。風邪薬だか何だか。そういういろんな条件が重なって、ああいう結果になったんでしょうね。でも、早すぎますね。
美空ひばりさんのあの献句には壮絶な思いが込められていたのだと思います。
ひっ詰め髪の喪服姿のひばりさんは、お化粧も薄く泣きはらした目で...隣で同じく喪装のワンピースで憔悴しきったいづみさんと、わたしを含め長蛇の参列者ひとりひとりにお辞儀をされるなんて思ってもいなかったです。
右に同じ...ですが、ひばりさん、いづみさんを思いっきり好きになりました。
その内、美空いばりだから嫌い!と思っていました。
でも、よくよくチエミさんの親しい方々からお話しを聞くと、ひばりさんはやはり一番 チエミさんを慕っていた、一番の親友、一番の戦友、一番のライバルと思っていらしたようです。昔はよく チエミさんのうちに、ママと一緒に遊びに来られていたらしい、それもお魚さげて。ママがお刺身なんかつくってくれて、ちゃんとその場にいる人の分まで。
こんな話聞くと、ひばりさんを大変身近に感じますね。
先日、ある方が、「ひばりは チエミが亡くなった後、なんとなく生気がなくなった様な気がする。歌にしても、芝居にしても。やっぱり チエミというライバルがいなくなったことが大きな原因だと思う」と言われておりました。
ひばりさんにとっても、 チエミさんにとっても、互いに大切な存在だったのですね。
今でも、あの増上寺でのお葬式の日。ひばりさんが読まれた弔辞を思い出します。
「きさん、なぜもっと一緒に戦ってくれなかったのですか」