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韓国を守るのではなく北朝鮮を潰す在韓米軍の「作戦計画5030」、No2

2010年05月21日 17時48分46秒 | 国際情勢、安全保障
参考]朝鮮半島における在韓米軍によるこれまでの作戦計画

■作戦計画5026(限定空爆作戦)

この作戦計画は90 年代初めの「第1次核危機」の際に立案されたもので、決定的
なピンポイント目標をレーザー誘導爆弾や衛星誘導爆弾など最先端兵器で破壊し、
「サージカル・ストライク(外科手術的打撃)」とも呼ばれている。限定的な攻撃と
はいえ、先ずは防空能力を無力化させる必要があり、核施設に対する攻撃では放射能
汚染の懸念もあり、地下施設に対する攻撃では核を含む高性能兵器の使用も考慮せざ
るを得なくなるほど、作戦実施のハードルは高い。また、北朝鮮の対応によっては全
面戦争に発展する可能性も高く、「限定空爆」だけでは終わらない危険性が考えられ
る。

■ 作戦計画5027(武力統一作戦)

1970 年代における米韓両国は、「北朝鮮による南侵で首都防御線が突破された場合
は、一旦ソウルを放棄して南方に後退し、米本土からの米軍増派を待って段階的に反
撃に移り、軍事境界線以北に敵を撃退する」という朝鮮戦争当時と同じ戦略をとって
いたが、80 年代に入ると、「南進をソウル北方で阻止し、必ず敵を撃退する」と積極
的なものに変わった。90 年代に入り核危機が深刻になるなかで、北朝鮮が南侵し本格
的な戦争が勃発した場合、これを「吸収統一」の機会と位置づけ、米韓連合軍は積極
的に攻勢に転じ、一気に北上して平壌を占領し、国土統一を果たす、と大幅に戦略は
変更された。94 年3月23 日、韓国国会の国防委員会で李炳台国防相が、初めてその
作戦内容を明らかにした。
作戦計画5027の具体的内容(2 年毎に更新)
第1段階(戦争前)米軍の前方展開作戦による戦争抑止
第2段階(反撃)朝鮮人民軍の南侵をソウル以北で阻止
在日米軍基地などから約500 機の作戦機を発進させて制空権を確保し、北朝鮮の
後方戦略施設を空爆
第3段階(撃滅)朝鮮人民軍の主力を撃滅
米韓連合軍は東部戦線の軍事境界線を突破し、米軍は陸海空3軍合同による大規
模な上陸作戦を元山で実施。この段階では在韓米軍(3万5千人)以外に、重装備
歩兵旅団11 個、軽歩兵旅団8個、戦闘機中隊34 個、爆撃飛行中隊4個、空母機動
部隊6個など、米軍の半数にあたる55 万人の兵力を投入する必要がある(米ワシ
ントン・ポスト紙93 年12 月2日付)
第4段階(占領)上陸部隊が平壌を占領
上陸部隊が西進し、平壌を占領し孤立化させる。米韓連合軍は新義州、平壌、元
山など重要拠点を確保。中国を刺激しないために、定州〜咸興ライン(マッカーサ
−・ライン)、あるいは、新義州〜咸興ライン以南で進軍を停止する案もある
第5段階(終戦後)占領地域を軍事統治し、韓国政府主導による南北統一を実現
占領地域では占領軍司令官(米韓連合軍司令官)の主導で、1 年以上の軍政を実
施したあと、国連監視のもとで選挙をおこない、住民の意思を問うべきだと米軍側
は考えている。しかし、韓国側は、占領地は「統一行政院」の主管とし、戒厳令を
宣言して韓国の国内法を適用し、1 年以内に「未修復地(北朝鮮)」を修復(統合)
すると考えていた。しかしながら、南北共同宣言後は、この作戦は実質的に放棄さ
れたと推定される

■5028は欠番

■作戦計画5029(崩壊対応作戦)

この作戦計画は北朝鮮でクーデターなどによる崩壊で不安定化した場合、韓国軍と
在韓米軍の協議で「北朝鮮の内部混乱」を「戦時」とみなして軍事介入することを想
定し、1999 年に策定された。しかし、「内部混乱」が「戦時」と判定されれば、米韓
相互防衛条約にもとづき韓国軍は米軍の指揮下に入ることになるため、「韓国の主権
に重大な制約がかかる」として盧武鉉政権は、04 年末からの協議を05 年1月に中断
させ、作戦計画は宙に浮く事態になっている。
想定される「内部混乱」
(1) クーデターや内戦の発生
(2) 政権が核・サイルの統制権を失った事態
(3) 大量脱北者の発生
(4) 韓国人人質事件の発生
(5) 大規模な災害

■作戦計画5030(撹乱工作作戦)
<略>

韓国を守るのではなく北朝鮮を潰す在韓米軍の「作戦計画5030」、No1

2010年05月21日 17時47分22秒 | 国際情勢、安全保障
情勢分析Ⅱ- 4
惠谷治
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%81%B5%E8%B0%B7%E6%B2%BB

金正日
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E6%AD%A3%E6%97%A5

1990 年代初めの「第1次核危機」の際、寧辺の核施設などを精密誘導弾でピンポイ
ント爆撃する「作戦計画5026」が立案された。しかし、限定空爆とはいえ、北朝
鮮の対応によっては全面戦争に発展する可能性があり、本格的な戦争が勃発した場合
は、これを「吸収統一」の機会ととらえ、米韓連合軍の積極的攻勢によって北朝鮮を
占領し、国土統一を果たすという「作戦計画5027」が策定された。極秘だった作
戦計画5027の存在は、韓国の国防相が、94 年3月、韓国国会でその概要を明らか
にしたことによって、一般的に知られるようになった。
1999 年、在韓米軍は韓国軍との協議で、北朝鮮がクーデターなどで崩壊した場合な
ど「北朝鮮の内部混乱」を「戦時」とみなし、軍事介入することを想定した「作戦計
画5029」を策定した。そして、2000 年6月の南北頂上会談以後、南北関係が融和
的になっていくなかで、在韓米軍は03 年半ば、韓国防衛よりも北朝鮮崩壊を積極的
に促進させるための新たな対北朝鮮軍事作戦を立案した。それが「作戦計画5030」
である。
作戦計画5030は、北朝鮮の限定的な軍事資源を枯渇させ、金正日に対する軍事
クーデターなどを誘発させる事態、あるいは最終的に金正日の「除去」に繋がる雰囲
気を醸成させることを目的としており、「撹乱工作作戦」と呼ぶべきものである。こ
うした謀略工作は、かつてはCIA(米中央情報局)が担当していたが、作戦計画5030
の特長は、謀略工作を軍事オペレーションとして組み込み、DIA(米国防情
報局)が主体となって軍が実施することにある。以下はその工作内容である。

(1) 食糧、水、及びその他の戦時備蓄を枯渇させる目的で軍事演習を実施
(2) スクランブルにより貴重な航空燃料を消費させる目的で頻繁な偵察飛行を
実施
(3) 戦略的な偽情報により内部混乱を助長
(4) 政権中枢の幹部たちの亡命を積極的に支援
(5) 金正日の資金源を壊滅させる目的で外貨の流入径路を遮断(合法措置)
戦闘ではなく謀略によって、北朝鮮の金正日独裁体制を瓦解させるのが、作戦計画

5030の特徴である。実際、米軍の撹乱工作である作戦計画5030により、金正
日に対する攻撃作戦はすでに開始されている。ブッシュ大統領は、戦争ではなく謀略
によって「危険な男」を除去しようとしているようである。また、作戦計画5026
と5030を統合することによって、金正日個人をピンポイント攻撃できる態勢は、
すでに整っていると思われる。外交交渉の場で金正日が国際協約を無視するような態
度に出れば、国際世論の後押しを受けて、金正日の抹殺という選択肢もあり得るのか
もしれない。

■実例 その1 亡命支援

2003 年の秋、朝鮮労働党作戦部長の呉克烈大将の長男である呉世郁は、40 人もの
親族とともに北朝鮮の清津から船で脱出した。この呉世郁亡命事件について、情報関
係者は次のように証言した。「この亡命事件には中国軍幹部、そして総連系の日本の
ヤクザが協力しています。呉世郁が清津から船で脱出する手配をしたのは、在日朝鮮
人のヤクザでした。そして、呉世郁たちは日本海の海上で、待ち受けていた米海軍の
潜水艦に移乗したのです。脱北した40 人ほどは横浜に上陸しました」。1961 年生まれ
の呉世郁は、85 年に金日成総合大学物理学部を卒業後、姜健総合軍官学校に入学し、
亡命当時は人民軍大佐だった。「呉世郁大佐は保衛司令部の要員などではなく、外貨
稼ぎの全組織の総責任者で、かつては主席ファンドと呼ばれた金正日資金を管理して
いました。麻薬密輸や偽ドルをロシアのルーブルと交換も任務でした。ですから、中
国軍部や日本の暴力団などとも親しかったのです」という証言がある。謀略工作であ
る作戦計画5030では、中国軍の幹部や日本の暴力団と協力し、米海軍の潜水艦が
北朝鮮の脱北者を迎えに行くという通常では考えられないような米中日3カ国協同
の秘密作戦がおこなわれている。

■ 実例 その2 宣伝ビラ散布

2004 年11 月18 日付の産経新聞は「北朝鮮で体制批判ビラ 総書記の家庭背景も
高度な内容政権中枢に人脈」という見出しの記事を掲載し、北朝鮮の反政府グループ
が10 月10 日の党創建記念日の日付で北朝鮮国内にばらまいた『金日成・金正日の十
大うそ』と題するビラを、97 年に韓国に亡命した元朝鮮労働党傘下の貿易会社社長、
金徳弘氏が第3 国を通じて得たものを入手した、と報じた。この体制批判ビラは、北
朝鮮製のざら紙にボールペンで手書きされており、平壌、南浦、新義州、清津、咸興
など都市部を中心に、地方もふくめ、約50 カ所で散布されたという。
『金日成・金正日の十大うそ』というビラには、「金日成は富農の出身で、朝鮮労
働党の階級路線からいえば敵対階層である。万景台の生家は収穫期には小作まで雇い、

金日成は小学校に自転車で通っていた。この資料は朝鮮労働党中央委員会歴史研究所
資料室に保存されている」「金正日はユーラという名前で、ソ連国籍を持っていた。
解放後、ソ連艦で帰国したソ連縁故者であり、(党の路線では)監視対象である」な
ど、北朝鮮国内ではタブーとなっている事実が明らかにされている。また、「『思想の
主体』は人民を奴隷にした」「『政治の主体』は人民が主人どころか、首領絶対主義世
襲王国を作った」など、「主体思想」による独裁体制を批判しており、「肉のスープと
瓦屋根の家、絹の服(1957 の金日成の言葉)どころか、(金父子は)我が人民を世界
で一番悲惨な貧民に、この国を世界の落後者にした」と糾弾している。
このビラはボールペンで手書きされた北朝鮮製のざら紙だったため、保存すること
が難しい点などを反省した結果、今では『金日成・金正日の十大うそ』は印刷され、
コーティングされたビラにして、中朝国境から風船で北朝鮮国内に散布している。

■実例 その3 金正日あぶり出し作戦

2005 年6 月初旬、米ニューメキシコ州のホロマン米空軍基地の第49 戦闘航空団に
所属するF117Aナイトホーク戦闘爆撃機15 機が、韓国の群山空軍基地に配備さ
れた。F117A戦闘爆撃機は、レーダーで捕捉できないステルス機である。在韓米
軍はヒューミント(人的諜報)などで入手した金正日の所在情報を確認するため、金
正日が滞在していると推定される特閣付近にF117を飛行させ、その上空で急降下
や急上昇を繰り返している。急上昇するときのアフターバーナーによる凄まじい爆発
音が突然に響きわたれば、金正日を警護している護衛総局は米軍による空襲と勘違い
して、緊急事態の対応に奔走する。そうした行動は、ソウル北方の議政府にある在韓
米軍第501軍事諜報旅団(通称501MI)によって傍受される。501MIはエ
リント(電子諜報)、シギント(信号諜報)、コミント(通信諜報)を担当する軍事諜
報部隊で、北朝鮮の詳細な動きを監視しており、昼夜を問わずF117を北朝鮮上空
に侵入させて、金正日の居所をあぶり出す作戦を展開している。

■実例 その4 外貨流入を遮断

2005 年9 月17 日付共同通信『中国から北に違法資金か 米当局が調査と香港紙』
【香港8日共同】8 日付香港英字紙エイシャン・ウォールストリート・ジャーナル
紙は、中国の商業銀行大手、中国銀行とマカオの銀行2行が、北朝鮮側に違法な資金
供与をした疑いで、米当局の調査を受けていると報じた。米当局は、中国側の資金が
北朝鮮の核開発計画に使われた疑いもあるとみているという。<略>中国銀行は同紙
に対し「調査については知らない」と答え、他の2行はコメントを避けた。同紙によ
ると銀行に対する調査は、薬物や偽米ドル札などの製造を通じ、本国に違法資金を提
供していた北朝鮮系の貿易会社などへの捜査を端緒に始まった」
米財務省は、9月16 日、マカオにある香港系の「匯業銀行(バンコ・デルタ・ア
ジア)」が20 年以上、北朝鮮政府と取引関係を維持し、(1)米ドルの偽造紙幣の受
け入れと流通、(2)希少金属の売却、(3)紙幣偽造、たばこ偽造、麻薬密輸などに
関与している北朝鮮企業からの資金受け入れ、などにより、北朝鮮によるマネーロン
ダリング(資金洗浄)などに関与した疑いがあるとして、愛国者法に基づいて「マネ
ーロンダリングの主要懸念先」に指定したと発表した。その結果、バンコ・デルタ・
アジアの支店などで、16 日から客が預金を引き出すため行列をつくる取り付け騒ぎが
起き、計4000 万パタカ(約5 億7 千万円)が引き出され、17 日も各支店前には預金
引き出しを求めて、100 人以上の行列ができたという。
北朝鮮の核開発関連の部品獲得にも関与したといわれる北朝鮮の「朝光貿易」は、
報道されたマカオの2つの銀行と深い関係がある。その1つのバンコ・デルタ・アジ
アは香港金融界の大物であり、立法議員であるスタンレー・アウが所有しており、94
年、朝光貿易によるドルの偽札持ち出し事件当時にマネーロンダリングに関連してい
るといわれる。 また、「誠興銀行」を所有するマカオの最大カジノ富豪スタンレー・
ホー(何鴻桑)は金正日と親密な関係にあり、93 年に平壌でカジノを開いた男である。

【朝鮮半島ウオッチ】対北心理作戦「米韓の5030」が動き出した。

2010年05月21日 00時43分04秒 | 国際情勢、安全保障
2010.4.4 18:42 産経ニュース

在韓米軍
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%A8%E9%9F%93%E7%B1%B3%E8%BB%8D

米韓両国の高官から、対北心理戦とみられる発言や動きが目立っている。米国務省は「対北人道支援を考慮」などと誘いかけ、韓国の情報機関研究所は堂々と金総書記の極秘健康情報を公表した。訪中間近とされる金正日総書記は、中朝の同盟関係を誇示することで援助を獲得、同時に米国牽制(けんせい)を狙っているようだが、米韓中それぞれの動きは明らかに、「ポスト金正日」を見据えている。(久保田るり子)

米韓の対北心理戦「5030」

 金総書記の訪中近し-のさまざまな観測に呼応するように、3月下旬から米韓高官の北朝鮮に関する発言が続いた。

 「(訪中説に)安全な旅となることを期待している。金総書記が6カ国協議に復帰するという肯定的発言をすることを期待する」(3月22日、米国務省グローリー次官補)

 「北朝鮮が望むなら人道支援を検討する」(23日、グローリー次官補)

 前向き発言に加えて、米韓軍事同盟の誇示も見られる。

 「韓国はすでにミサイル防衛(MD)能力を備えている」(24日、米太平洋軍ウィラード司令官)

 「北朝鮮の不安定事態の可能性を念頭に、米韓は人道支援作戦から大量破壊兵器除去にいたるあらゆる事態への準備が整っている」(24日、在韓米軍シャープ司令官)

 また金総書記の健康問題や後継者問題にも触れている。

 「金総書記は過去1年間、自らの後継者として3男、金ジョンウン氏を組織的に紹介してきた」(24日、シャープ司令官、米下院への書面証言)

「金総書記は糖尿病と高血圧を患っており2週間に一度の人工透析をうけているようだ」(24日、韓国・国家情報院傘下、国家安保戦略研究所の南成旭所長)

 これらはいずれも、高官の公式発言であるのが特徴だ。

 情報関係者によると、3月中旬に訪韓した米高官は韓国側に、金正日体制について「物理的な時間はあまりない」と伝えていた。そのうえで、米国が持つ金総書記の健康に関する極秘情報や後継者問題に関する分析も伝えたという。

 このあとに続いた高官発言を北朝鮮専門家は、「対北情報戦で米韓が秘密裏に進めている作戦計画5030の一環」とみる。「5030」は心理戦で、相手国住民や統治者に向け圧迫や懐柔を仕掛ける作戦だ。

 昨年末以来の、「貨幣改革」(デノミネーション、通貨呼称単位の変更)で経済・社会の混乱が続き、ポスト金正日体制づくりに向けた北朝鮮国内の動きがうかがえる中、米韓による心理戦は本格化しているようだ。

金正日総書記の訪中は米中の合作

 金総書記が訪中すれば、6カ国協議再開に向けたモメンタム(機運)が強まる。

 背景は中国の対北援助だ。昨年10月、中朝国交60周年で記念式典出席のために訪朝した温家宝首相は金総書記と会談し、「米朝協議の結果いかん」との条件付きで「多者(6者)会談を行う用意」を明言させた。この訪朝で、中国は北朝鮮との複数の経済協力協定に合意、調印した。だが支援の実現状況は不明で、中国側は援助実行に核問題進展を絡めている可能性が指摘されている。

金総書記の訪中は、この「経済協力」を進めるほか食糧やエネルギーなど実物援助も獲得するのが大きな目的とみられており、訪中が実現した段階で、北朝鮮は核問題への具体的コミットを余儀なくされる。

 ただ、北朝鮮が求めている「米朝協議」については今後に委ねられ、そのハードルは高い。

 北朝鮮が要求する6カ国協議復帰の条件は(1)国連安保理決議(1874)の経済制裁解除(2)米国の対北敵対政策の撤回(3)朝鮮戦争の休戦協定の平和協定への転換-で、米国は「制裁は国連安保理決議である」とし、非核化が進まなければ不可能との立場をとっている。また、平和協定は、休戦協定に参加しなかった韓国が「韓国はずし」を警戒しているため、簡単には進まない。

 「米中間では確かに協議再開への調整が進んだが、制裁解除は北朝鮮の非核化が大前提-というのがオバマ政権の考えで、その非核化については、日米韓露プラスIAEA(国際原子力機関)による査察が必要というが日本の立場だ」(外務省幹部)

 自らの健康問題、そしてデノミ失敗による混乱が続々と外部世界に伝えられる北朝鮮国内の疲弊と社会不安-。金総書記を取り巻く環境は変化の中にある。北朝鮮の突然の体制崩壊が国益に反する中国は、北朝鮮を自らの影響下に置いた中でのソフトランディングを目指している。

 米中は核問題で金総書記との取引を開始、米韓はこの機会に心理戦を仕掛けたようだ。金総書記の訪中をめぐって各国の思惑は渦巻いている。