旧刊時空漂泊

さまざまな本・出版物がランダムに現れます。

東寶古川緑波(ロッパ)一座 九月公演 脚本解説 有楽座

2012-03-14 13:07:40 | 日記
昭和15年9月4日発行
編輯兼発行兼印刷人 奈須藤三郎
発行所 東京寶塚劇場東寶発行所

      

                                     
古川ロッパの昭和15年9月1日から29日までの有楽座公演。
演目は (一)ヒコーキ親爺 (二)雛妓〔おしやく〕 (三)幡随院長兵衛 (四)歌へば天國
 
                         

                            (当時の新聞の切り抜き、映画・演藝欄)

このパンフレットの中で、「新體制」(しんたいせい)という言葉がよくでてきます。・・・・新體制オペレッタ・・・・。      
                       
晶文社の「古川ロッパ昭和日記・戦前篇」 昭和十五年九月のところを見ると。
         九月一日(日曜)
         有楽座初日。
          一時二十分前に起せと言っといたが、ちゃんと自然に眼がさめた。元気なものだ。
         一時すぎに家を出て、東宝グリルへ、白川の壮行会。二時半ホテ・グリへ行ったら、
         肉が無いと言うので、又東宝グリルへ引返してロールキャベツなど食べて座へ。
         超満員。今日は日曜、この成績はアテになるまいが、大入りは嬉しい。三時開演、
         序幕終り、次は順序を変更して「幡随院」これはナベ・ロク大あばれ、松平もまあ
         まあで大受け。長兵衛の気持ちのいゝのには驚いた。役者とはこれかなと思ふ位。
         次が「雛妓」だ。京都でテスト済みだから安心、よく受けた。幕切に、又幕をあげて、
         白川道太郎出征の挨拶をし、客に万歳を三唱して貰った。壮観。幕間四十分、
         いよいよ「歌えば天国」。流石に古賀政男は偉いと思った。歌の一々に手が来るのだ。
         きく歌でない歌、歌う歌を作る人だ。稽古を随分やったのに、井田一郎の指揮ぶりと
         いふものは全く、いやんなっちまった。サグリサグリで行くので殆んど歌へない、センス
         の悪いこと無類。その悪条件の下に、これだけ受けるのだから、結局古賀が偉いと言
         ひたいのだ。ハネ九時半、女房見物で、感想「歌えば」は上出来とのことだ。今日より
         料理屋はすべて昼二円五十銭夜五円以上の食事まかりならぬこと々なる。

開演時間は日によって変わったようです。それにしても井田一郎氏はロッパに相当怒られたでしょうね。
  

最新の画像もっと見る

コメントを投稿