旧刊時空漂泊

さまざまな本・出版物がランダムに現れます。

こちら北京探題

2012-06-14 13:05:10 | 日記
著者  邱 永漢
1996年7月15日 発行
発行所 株式会社 新潮社

     

         まえがき
     「こちら北京探題」は1993年7月号から96年6月号まで、新潮社の「フォーサイト」誌に連載した。
           (中略)
    今後中国で仕事をする人たちが少なくとも常識として頭に入れておくべきことをその時々のホットニュース
    を織りまぜながら一冊になるまで長々と連載することになった。
           (中略)
     はたしてしばらくぶりで、李登輝さんに会ったら「『フォーサイト』の連載は毎号読んでいるよ」と言われた。
    李登輝さんは勉強家だから言うことはないが、日本語のわからない北京の指導者たちにもぜひ読んで
    もらいたいと思ったので、目下、北京で中国語に翻訳してもらっている。
           (中略)
     探題のもともとの語源は、仏典に発しており、教義上の論議をするときの取り持ちをする役僧のことである。
    従っていまの場合、中国の経済をもっと発展させるための意見をたたかわせる積極的な討論会の司会役く
    らいに思っていただければ有難い。
          1996年6月吉日                                (7~9頁)

         
         中国のGNPがアメリカを追い越す日
     二〇〇二年になったら、香港、台湾を加えた中国のGNPがアメリカのそれを追い越すと世界銀行が発表し
    て以来、いままで共産中国とか、社会主義経済に懐疑的な論調を展開していた日本のジャーナリズムも一
    せいに方向転換をはじめるようになった。
     はたして二〇〇二年にそうなるのかどうかは必ずしもさだかではないけれども、中国のGNPがアメリカを追
    い越す日が来ることは既定の事実とみてよいだろう。私は人より少しばかり早くこのことに気づいたので、
    「大陸の香港化」を予想し、香港住民がカナダやオーストラリアに移民をはじめている時期に、香港に行って
    不動産投資をやった。三年足らずで、香港の不動産は倍以上に値上がりし、株価は三倍になった。
                                                        (11頁)

この本が出版されてから16年が過ぎました。
中国経済が世界一になるのはいつか。
邱永漢氏がどう考えているか知りたくても、もうできなくなりました。
 新聞や出版界が邱永漢特集をしていないのが、不思議です。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿