ニューヨーク知ったかぶり

著者　常盤新平
１９８９年２月２３日　初版発行
発行所　ダイヤモンド社

　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　【ニューヨークのいい書店は、もちろんベストセラーはウィンドーに飾るし、目立つところに
　　　　　　　　　　　　　　　　山のように積んであるが、ベターセラーを大切にすることを忘れてはいない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　そういう一軒がマディスン・アヴェニューにある。七四丁目に近いところだから、アパー・
　　　　　　　　　　　　　　　　イースト・サイドになる。ブレンダン・ギルという週刊誌『ニューヨーカー』の作家は、ニュー
　　　　　　　　　　　　　　　　ヨークのベスト２４のなかに、ブックス＆カンパニーをあげている。日曜日でも店を開けてい　
　　　　　　　　　　　　　　　　る熱心なところが、ギルは気に入っているらしい。
　　　　　　　　　　　　　　　　　ブックス＆カンパニーには二～三度行っている。店内は仄暗く、アカデミックといおうか、
　　　　　　　　　　　　　　　　知的といおうか、スノビッシュといおうか、とにかくアパー・イースト・サイドらしい雰囲気が
　　　　　　　　　　　　　　　　ある。　　　　　　　　　　・・・中略・・・
　　　　　　　　　　　　　　　　　著者の署名入りのベストセラーが欲しかったら、ブックス＆カンパニーで手に入るだろう。
　　　　　　　　　　　　　　　　書店であるからには、ベストセラーを無視するわけにはいかないが、この書店は小説とノン
　　　　　　　　　　　　　　　　フィクションの「クオリティ・ブックス」を重視している。あるガイドブック＊には、こんなにシ・シな
　　　　　　　　　　　　　　　　書店はニューヨークでこのブックス＆カンパニー一軒である、と出ていた。シ・シとは、お上品
　　　　　　　　　　　　　　　　ぶった、いやに凝った、気取ったという意味である。したがって、点数はほかの大きな書店に
　　　　　　　　　　　　　　　　くらべると少ないのだが、サービスがいい。ただし、ミッキー・スピレーンの小説はおいてない、
　　　　　　　　　　　　　　　　とそのガイドブックは指摘している。　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　The Hip Pocket Guide to New York City, Harper & Row
】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（５７～５８頁）
　　　New York ：　Ａ　Know-all Book on The City of Fantasies by Tokiwa Shimpei
　　
　　　本体にはこのタイトルがあります。