石橋幸緒のごきげんグラシアス!

日本女子プロ将棋協会(LPSA)所属
正統派??将棋女流プロ棋士が勝手に発信する気まぐれブログ

女流名人位戦A級8対千葉女流王将戦。

2006-11-17 | しょうぶ&はたらく

予定通り矢倉に組む。前回の対戦では千葉さんが急戦だったが今回は組み合って、なつかしの▲4七銀・3七桂△6三銀・7三桂対抗型に。
後手からの思いもしないタイミングで仕掛けられ、思いもしない飛の引き場所でかく乱される
              
この▲2三桂に期待して強気に進めたが、ちょっと過剰だったかも。
△2二玉▲1一桂成△3七角成に▲23歩が利かないところがソフトバンク級の予想外だった ここからは苦しい戦いに。
駒損して細い攻めという最悪の展開だったが
              
この▲9六歩で元気が出てくる
苦しいことは変わらないが駒の補充と玉を広くして一石何鳥もある大きい手だ。
千葉さんも直前の△9五桂が余計だったと悔やんでいた。
△1三桂と非常手段で受けてきた。ここでもったいないが▲14金だったかも知れない。(同玉なら▲15飛から成れる) △32玉▲12成桂・・・・・・けどやっぱり打てないなぁ。
              
上図からちょっと進んでこの△1五歩を軽視。直前に△1四歩▲同飛の交換が入っていただけにやり直しみたいで見えていなかった。
▲同香は△36馬くらいで辛いので▲同飛だが当然△5九角の王手飛車。
以下後手は強奪した飛車を軸に必死に入玉。
こちらは入ろうとすると△8三銀が妙に利いているし、入れたところで駒が足りそうもないので、なんとか寄せに行こうと食い下がったが結局逃げ込まれてしまった。

このあとの終盤はすごく荒かっただいたい入玉将棋得意ぢゃないし。。。
両者慣れない攻防で盤の隅っこばっかり見てたからおかしくなってて、局後はとりあえずため息しか出ず
矢倉の将棋ではよくあることだからもうちょっとましにならなきゃいけないんだけど、こればっかりは実戦で練習しにくいしね

その後は他の感想戦を勉強して帰りました。
A級最終局は最後の粘りを見せて踏みとどまりたいと思います。
日程は12月7日(木) A級リーグB級リーグ一斉対局です。

明日と明後日は新女流棋士伊奈川さんと新四段戸辺氏の祝賀会に行ってきます。


明日対局。

2006-11-15 | しょうぶ&はたらく
明日は第33期女流名人位戦A級リーグ8対千葉涼子女流王将戦。先手です。
だいぶ背中も寒くなってきたのでとりあえず残留確定しておきたいと思います。
先日とてもいい将棋を目にすることができたので、これからまた希望と自信を持って指してゆきます


それでは今月のタイトルコールでつ。
情熱の真っ赤な薔薇を
盤上に咲かせよう
指し手に水をあげましょう
心のずっと奥の方

(@ブルハみたいに)
乗り切ってゆけ俺


竜王戦は渡辺竜王が返していよいよ面白くなりましたねー

Yahoo!将棋特集とか。

2006-11-12 | しょうぶ&はたらく
先日インターネット検定に将棋検定が加わったYahoo!JAPANで将棋特集が組まれています。
今月末の25日にはなんと羽生先生と対局できる企画が
招待された6名はうらやまし過ぎますね
なにげにあたしの誕生日だったりしますんであたしに当たったりしないかしら・・・・・・
そんなあたしの駒「掬水作開雲書」も七寸盤とともにオークションに出されてますので、これをお読みのあなた様 
ちょいと頑張って落札して下さいませ
いまなら大型台風もセットにして付けますさかい(笑)


昨日は第19回社会新報まつり 東京囲碁将棋大会でした。
行ってきましたよ今年も永田町の社会文化会館
今年も変わらず熱気ある大会で、圓枝師匠も変わらずにこにこ笑ってらして、中川東京都連合代表も変わらず独特のトークテンポでしたよー。
来年は20回記念大会ですな。もっと求む将棋参加者ですっ。

例年に増してストーブリーグはさかんに。

2006-11-10 | やきゅう
今オフのプロ野球界も激しい動きをみせてますねー。

すでにいろいろな動きがありすぎてコメント難しいですがあたしの想いは・・・

C黒田FA宣言せずの残留に感動
ひさびさに男気感じるニュースでした。現セントラルでは以前から一番好きな先発投手でしたが、これでますますファンになりました。来期も鉄腕完投を見れるのがウレシー

Gイスンヨプ超大型契約に超うらやましー
スンちゃん将棋やらないかなー。ぜひ覚えてもらって・・・・・・

T井川おめでとー念願かなったね
正直Tファンとしては痛いけど、あのチェンジアップが本場でどこまで通じるかが見たいです。できれば3年前くらいの状態のいいボールを希望ですっ

その他 センターラインの魔術師・仁志さんYB入りとか、G移籍の谷は打撃の輝きを取り戻せるかとか、小久保SB復帰はいいけどさすがに高すぎないだろうかとか、元F坪井さんはどうするのだろうかとか
そしてなにより我ら時代の大エースダイスケさんですよ。
僕たちの夢は何処へ そしてどんななる

毎日働きマン。

2006-11-08 | しょうぶ&はたらく
このごろ「働きマン」にハマってます。
もともとはコミックですが、今はTVアニメでもやってます。
だからあたしも主人公・松方弘子見習って毎日チマチマとお勉強してるワケですよ。
やっぱり負けた後が肝心だって誰か言ってましたからねー
細かい事から続けていくことが将来的に大事ですし。
今日も明日もがんばりマン

女流王位戦第4局対清水女流王位。

2006-11-03 | しょうぶ&はたらく

頭をクリアにするためしばらくネットから離れてました。が竜王ブログも細かい変化まで更新されてましたのでこちらも頑張ってみます

30日 徳島空港から対局場のホテルクレメント徳島へ。
前回挑戦の時は第3局で終わってしまったので徳島へ来れずにいて、実に10年ぶりの徳島対局でした。
検分を済ませたあと駅前を少し散歩。
前夜会食のあと関係者ご一行は阿波踊り会館へ見学に行かれたようですが、明日があるので失礼して早めに就寝
対局前夜はipodで音楽を聴ききながら自然に寝付くことが多いです。

31日 例によって洋食バイキングでしっかり朝食。外の空気を吸ってから対局室へ。やはり四国はやや暖かかったですね。

対局の模様や詳細は徳島新聞社の特設ページをご覧下さい。
まだ主催新聞紙上や専門誌に観戦記が出てませんので、タイトル戦に関しては1図のみのUPとします。
指し手や進行に関するご質問はまた後日にまとめてお答えしますので、何か疑問点がありましたらなんなりと書き込んで下さい
1~4局通してお答えしたいと思います。
            
            
序盤は▲2五歩を決められると思っていたので予定通り振り飛車穴熊を採用。相穴熊も考えられましたがまぁ予想は銀冠かと。
その後の△6二銀から△7一銀左も予定の松尾穴熊。(松尾歩六段が指し始められたらしいが藤倉勇樹四段との説も)しかしなにしろ公式戦では初の試みでしたので組みきれるかどうか心配なところはありましたが無事に過ぎました。ちなみに振り穴は採用率低いですが結構好きな戦型です
45手目で昼食休憩でしたが今シリーズ初、てか清水さんとはめったにない駒がぶつかってない局面での休憩入りでした。
ただすでに煮詰まってきているだけに午後は相当な勝負が予想され、昼食はまったく喉を通らず。
再開後はお互いしばらく間合いを計りながらまったりと思っていましたが、51手目の▲4八飛に△2二角が意表を付いた打開だったようです。もちろん当初の予定通り千日手狙いで△42飛と合わせる手もありましたが、ここに飛車が行ってしまうと縦にしか動けなくなるので、これ以上は金銀を動かすしか手がなくなってしまいます。
そこに違和感を感じたため手を変えたのでした。
もちろん▲45歩△同歩▲同飛△44歩▲47飛△35歩▲24歩△同歩▲27飛も気にしないといけないので指しずらいところもあったのですが。(上記変化は△33角▲35歩△51角で大丈夫のようです)
34分の長考で▲3八飛と妥協されたのに対し、△1三桂も継続の一手。部分的にはよくある手ですが。
59手目▲4五歩からの仕掛けは意外に軽視してました。△同歩▲4八飛△4二飛でどうするのかと思ってましたから。ここで第一感の▲65歩は△同歩▲42角成△同角▲45飛△44歩▲48飛△64角で後手の堅さが生きる展開となり優勢でしょう。しかしじっと▲3七桂溜めが普通ながら好手でした。
局面的には玉が四枚で堅く、飛角も動きやすくて、端の桂香も動いているので振り飛車なんの不満もないのですが・・・・・・。ムズカシイ。
考えれば考えるほど難しい局面がこのあとしばらく続きました。
なかなかハッキリとした手順で優勢にするのは本当に難しかったようです。今思えばこのあたりに今シリーズのツキのなさが出ていたようです
このあとの手順はここで書きつくせないくらい複雑だったので、週刊将棋将棋世界などで読んでいただければと思います。
ただ見た目ほど押さえ込まれてはいません。先手は常に強い戦いがしにくいので神経を使う将棋になっていますから。
両者が「なんとかできそうな中盤だけど意外に難解」だといった形勢だと思います。

進んでこの図面。
           
ここではやっと我慢が実って60:40で良くなったかと思ったのですが、どうやらその形勢判断が甘かったようです。元来楽観派なものでどうしようもありませんが
微妙に駒得で玉の堅さが上で、先手の飛車の捌きを防いでいてと金がソッポなので指せると踏んだのですが。実際には53:47くらいかも知れません(ちょっと誤差ありすぎだろあたし
直前の92手目▲3五成桂では▲35角で角を早く捌いたほうがよかったのでは?との記録係池田三段の指摘がありました。あたしはついつい三枚換えの成桂取れる順に目がくらんでしまった訳ですが。貧乏性ですね、ハイ
そしてこの局面で▲2九飛に対しての△2四歩が甘く敗着になってしまったようです。△46歩とか△56歩と一手早く攻めるべきでしたが、それでもまぁかなり難解でしたね。どこかでもう一手調節できれば後手が勝ちそうではありますが。
この△2四歩は予定通りで、ここで先手の指し手が難しいだろうと思っていたのですが▲4一となんていう素晴らしい手が落ちてました
この一枚が来るのは大誤算です。指されたとたんに寒気がしました
後は△5七角成と成り込んだものの△67歩と垂らせない為、思うような攻め筋がなくどうにも足りませんでした
それにしても終盤は予想以上の差が付いてしまいましたね。

しかし本局はタイトル戦や決勝での自分史上一番力の出せた将棋だと思います。もう少し粘れたらよかったですが、この玉でこの将棋で負けたのでは仕方ありません。今の実力はここまでだったという事です。
清水さんの強さを久々に肌で感じた一局でした。
徳島新聞社や徳島の皆様、お世話になりましてありがとうございました


今回の女流王位戦は第1局こそ空回りしてしまった内容でしたが、2局目以降はいろいろな自分の持ち味と可能性を出し切れたシリーズでした。
しいて言えば第2局で急に急ぎすぎて勝ち損ねた事が悔やまれます
ただ今現在の全力は出し切ったタイトル戦は初めてだったので、そこのついては一定の満足感もありますし、今後の課題もより明確になったのでこれからをまた新たなスタートとして、もうひと回り大きな将棋を指せるように精進します
応援してくださいました皆様、ご期待には添えず申し訳ありませんでしたが、ありがとうございました
次の戦い、次の目標、次へのワンステップを目指してLet’s Challengeです


追記:大型台風との賭けに負けたため、かに料理フルコースを奢るはめになって散財したのでやっぱり悔しいです