50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

彼女が宇礼市に招かれてくる。・・・

2015-07-19 17:35:47 | 小説
彼女が宇礼市に招かれてくる。そうあってほしかったのだ。春の陽射しは降り、潮香まじりの風は休日の静かな路上を渡り、幸男の町は平穏そのものだ。突然そこに二十歳のことの、恋の女がテレビの歌のように、「お久しぶりね」とふってくるだろう。

(つづく)