50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

そのことに対しても理恵は充分・・・

2015-07-14 19:55:54 | 小説
そのことに対しても理恵は充分理解しているつもりで、
「ごめんなさいね」
と重ねて言った。するとふいに、幸男がにじり寄るようにし、
「テレビでお会いしていますから」
話はこれっきりにしましょうと、理恵にはそう聞こえていた。耳にかすかな息を感じさせながら。

(つづく)