50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

切れた電話に、理恵の満ち足りる心持ちが向かった後で、

2016-01-31 10:32:09 | 小説
切れた電話に、理恵の満ち足りる心持ちが向かった後で、
「楽しい旅を、か」
と理恵は呟く。それから大きく両腕を伸ばして欠伸をした。「海があんなに美しい」

(「おしのび」つづく)

冷静に平板にそう言って、理恵は・・・

2016-01-30 20:53:10 | 小説
冷静に平板にそう言って、理恵はその自分に満足した微笑を浮かべる。と電話口は言う。
「否。まあ。しかしくれぐれもスキャンダルにはお気をつけていただきませんことにはそれに今回の旅行はまさに破天荒、否まああなたから伝えてくださればよろしいのでして。では楽しい旅行を」

(「おしのび」つづく)

とか言う電話口がボルテージをあげたり、下げたり。

2016-01-28 20:04:34 | 小説
とか言う電話口がボルテージをあげたり、下げたり。敏彦に向けて、叱咤、感激、理恵に向って機嫌を秤っている。暗に非情な競争の原理がこもるのだ。

(「おしのび」つづく)