50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

彼、伝言板を頭の中に残すことはない。・・・

2015-08-29 19:12:57 | 小説
彼、伝言板を頭の中に残すことはない。路上にでた時に、幸男は自分に言い訊かせた。
「理恵さんを裏切るようなことは、絶対にダメだ」

(つづく)

舌打ちを小さく耳に入れた。・・・

2015-08-26 14:47:33 | 小説
舌打ちを小さく耳に入れた。幸男はさっさと切りあげるにかぎると思い、ふりかえらないようにして席を立った。昔とそっくり・・・・・・。
「じゃあまたな」
と伝言板。あっさりしているそれはそうだろう。

(つづく)

そう言ってまたタバコに火をつけ、幸男が・・・

2015-08-20 20:43:04 | 小説
そう言ってまたタバコに火をつけ、幸男がまじめに聞いていると思ってか、どうか、
「喫茶店に望月も退屈まぎれにきたんだろう、つまり。それとも、道江さんと、望月にかぎってそれはないか。だとすると独身時代がなつかしくなった、そしてばったり気楽なぼくとであった、気晴らしにはなるでしょう。時にはアバンチュール、どうだ、望月」
と彼が斜めにかまえて言った。

(つづく)