京都のいぬぅ

I wanna be a master of life.

ロボットと心(1)

2006年01月29日 01時14分09秒 | 
ロボットは心を持てるのか?

そもそも心とは何かという根本的な問題があり、
またそれが分かったところで、ロボットで再現できるのかという技術的な問題もあり、
心をもったロボットがSFの世界を飛び出ることは今のところありえませんが、
人に近いロボットをつくるという点では、
心をもっていると人に錯覚させることで可能になります。

人は心をもっています。
これは断言できますが、
心が本当にあると確信をもって言えるのは、自分自身についてだけです。
目の前にいる人がホントに心をもっているのかは、実際に確かめることはできません。
では、その不確かで目に見えないものを、どうやって人は相手がもっていると分かるのでしょうか?

それは、心をもっているからこそ行う典型的な行動パターンがあり、
人はそれを何気に読み取って感じ取るのです。

こんな実験があります。
まず2,3歳の子供に、大人がダンベルの輪をはずすビデオを見せます。
次に実際に大人が子供の前でダンベルをはずそうとすると、
子供はそれを真似します。

ダンベルをはずそうとするのがロボットの場合、
機械が同じ動作をしても、子供は真似をしません。

次にそのロボットに、ダンベルを外す動作の前後で隣にいる子供の顔を覗き見るようにプログラムすると、
子供はそのロボットの意図を理解し、動作を成し遂げます。

単に顔を向けるという動作を入れるだけで、
人にとってはあたかも相手の気持ちを窺おうとする行為に感じられ、
人は相手を心をもったものとして認識するのです。

それは感情においても同様です。
ある特定の文脈を認識すると、涙を流すなど特定の感情行動をとるようにプログラムするだけでいいのです。
ロボットが一人部屋で「フランダースの犬」のビデオを見て、泣いている姿を見れば、
こいつは心があるのではと思わずしまうものです。
(実際、人においても、これまでの人生経験によって違いはあれ、
特定のシチュエーションで涙もろくなってしまうなんてことがありますよね。
これは感情とリンクしている記憶を思い出したり、連想したりすることで、感情行動がおき、ロボットの仕組みと同じといえます。
お涙頂戴の番組などはこの典型でしょう。)

心の研究には心理学のような人の内面から調べるだけでなく、
外から見て心はどのように捉えられるのか、また人にどういった行動をとらせるのかというように外面からのアプローチがあります。

ロボットによる心の研究は
ロボット自体の高度化だけでなく、
客観的に心による行動を分析することで、
人の心の本質に迫る手がかりを私たちに与えてくれるのです。




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3 コメント

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Unknown (こころって)
2006-10-12 15:59:08
改めて考えてみると不思議ですね。

「こころ」あるけど目に見えない。

傷ついたりすると、胸に手を当てて「こころが痛い」というような表現をしますよね。



場所であらわすと「心臓」なんだろうけど、

感情であらわすと「脳」なのかな・・・



ん~、表現が乏しくてすいません

うまく伝わってくれると良いのですけど
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 (かめ吉)
2006-10-12 16:00:06
名前忘れました
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理屈で述べて申し訳ないですけど (京都のいぬぅ)
2006-10-13 17:24:12
感情とは



脳がある情報により、感情を想起して、

それが身体、例えば心臓に伝わり、胸が締め付けられるなどの反応がおき、

さらにそれを脳が感じ取って、はじめて感情として認識されるのです。

(ソマティック・マーカー仮説といいます。そのうち紹介します。)



つまり、感情は脳にあるのだけれど、実際に私たちが感情がそこにあると感じれる、つまり感情があらわれる場所としては身体ということがいえます。
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