綱敷天神社 禰宜日誌

大阪梅田の綱敷天神社のご案内ブログです

1200年目の御粥祭

2013年01月14日 | ノンジャンル
明日、1月15日は小正月。 古いしめ縄をお焚き上げする「とんど祭」の日でもあります。
しかし、当宮での1月15日の神事の正式名称は「御粥祭」と称します。
これは、15日早朝に御神前に特殊神饌の御粥をお供えする事に因みます。

このお供えする御粥ですが、普通の白粥ではなく、七種類の雑穀をお粥にしたもので、七種粥(ななくさがゆ)とも称します。 (近世では小豆が中心の為、小豆粥とも称しました) 
※ちなみに七種類の野菜を用いる七草粥は、この七種粥の故事をもとに江戸時代に生まれたものといわれます。

米、粟、黍、稗、蓑米、胡麻、小豆の七種類を用いる倣わしで、うち蓑米(ムツオレグサの実)は現在では入手が困難な為、麦で代用しています。

この七種粥が記録上最も古く確認出来るのは、『弘仁主水式 逸文』に、「早朝 主水司 七種の御粥を供ず」とあり、当宮の御祭神、嵯峨天皇さまに献じられたのが、初見とされます。

実は、本年平成25年1月15日で、この七種粥が献じられてより、ちょうど1200年となります。

嵯峨天皇さまは、日本後紀などを読むと、民衆の食にとても心を配っておいでで、この七種粥にも、嵯峨天皇さまのそういった日本国民への愛情を感じられます。

本年はそういった嵯峨天皇さまの御心に思いを致し、1200年目の節目の神事ご奉仕申し上げます。 
(なお、神事は早朝の為、一般非公開です)

※写真は昨年のものです。



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