THE READING JOURNAL

読書日誌と雑文

「ハーグとマウリッツハイス美術館」

2009-03-13 | Weblog
「フェルメールとオランダの旅」 星野知子 著

ハーグとマウリッツハイス美術館

オランダの家は窓が大きい、しかも通りに面した1階でもカーテンが開けっ放しになっている。これには、2つの理由がある。1つは、「私は人に見られても恥ずかしくない正しい生活を送っています」という宗教的な理由。そしてもうは1つ、部屋いっぱいに光を入れるためである。

オランダ人は太陽好きである。そして光に敏感な目を持っているらしい。レンブラント、ゴッホ、フェルメールなどオランダを代表する画家も独特の光を表現している。

著者はマウリッツハイス美術館に行くために、オランダの政治の町ハーグに到着した。ハーグは国会議事堂・各国の大使館・国際司法裁判所などが集まる政治の町である。アムステルダムに比べて建築規制が厳しくないので近代的な建物も多く建っている。しかし、緑豊かな公園も多く古い建物も多く残っている。ビネンホフと呼ばれる由緒ある建物がある地域にマウリッツハイス美術館は建っている。このこじんまりとした美術館には、2点のフェルメール『真珠の耳飾りの少女』『デルフト眺望』(ココ参照)がある。

この二つの絵は、並んで展示されていた。まず著者は『真珠の耳飾りの少女』に釘づけになった。この絵は最もポピュラーなものでよく知っているはずの絵である。

写真映りより実物の方がずっとミステリアス。世界中に少女のファンが多いのもうなづける。

その後、隣にある『デルフト眺望』に目を移す。この絵にはフェルメールが生涯をすごしたデルフトの町並みが描かれている。

それにしても・・・・・・、
実物と印刷がこれほど違う絵は初めてだ。
もしかして、額の後から照明を当てているいるんじゃないかしら?
そんな馬鹿な疑問を抱くほど、この絵は内側から光を放っていた。

この絵は、フェルメールが忘れ去られていた時代にも、評価を得ていた。

著者は、ハーグからそう遠くないデルフトをおとづれる事になる。

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「朗読者」 ベルンハント・シュリンク 著

I 13、14、15、16、17