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【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

個人事業者の廃業(気持ちはまだ死んでいない!)

2021-02-11 13:00:00 | 所得税の確定申告
★廃業しても「復活」できます!

廃業すると二度と事業ができないと考えている人がいますが、そんなことはありません!廃業しても、何度でも復活することはできます。廃業するときにも、復活するときにも所定の手続をすればいいだけです。

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◆個人事業者の廃業

廃業とは事業をやめてしまうことです。事業主が高齢になったけれども後継者がいないというのが廃業する一番の理由です。しかし、事業主の死亡、資金繰りの悪化などの予期しえなかった理由でやむを得ず廃業しなければならないこともあります。(個人事業者が会社を設立する法人成りの場合も廃業となります。)

◆税務上の手続は必須(廃業の届けをする)

個人事業の開業・廃業等届出書

廃業した場合には税務署に上記の届けをしなければなりません。事業をしていれば事業所得の確定申告をしなければなりませんが、廃業するとこれが不要となります。届けがないまま事業所得の確定申告をしなくなると、税務署にすれば「事業所得の申告をしていないのか」、それとも「廃業をしたのか」のどちらであるかの判断ができません。

この届けは、廃業してから1か月以内に税務署に提出しなければなりません。提出を忘れていた場合には、廃業した年度の確定申告書と一緒に提出しなければなりません。

◆機会があれば営業を再開したい(あらためて開業の届けをする)

事業活動が停止となり再開の目途が立たない場合には、どんなに営業を再開したいという意志があっても、税務署に廃業の届けをしなければなりません。

ようやく再開することになったなら、今度は税務署に開業の届けをします。以前の事業と事実上つながりがあっても(同一地、同一業種、同一屋号であっても)、あくまでも「開業」です。

◆期間限定の(単発的な)復活

廃業し、事業以外(給与や年金など)で収入を得るようになってから、期間限定で(単発的に)事業をしていたときと同じ仕事を依頼されることもあります。このような場合は、その仕事に継続性がありませんので活動再開とはいえません。これによって得た所得は「雑所得」として確定申告をしなければなりません。

◆許認可や資格との関係

許認可や資格が必要な業種の場合には、廃業する際に許認可や資格を管轄する役所や団体に所定の届けが必要となります。活動を再開するには、全くの「白紙の状態」から、あるいは「特定の審査や手続は省略」できる場合など様々でしょう。

◆屋号と看板

廃業をすれば屋号は自動的に消滅します。看板は取り外さなければなりませんが、そのまま放置していても事業所得が生じていなければ税務署は問題とはしません。許認可や資格との関係では、廃業したら看板を取り外す義務が生じることが通常です。

◆残った設備や商品

事業をしていたころの設備や商品が廃業後も残り、それが生活用に転用できるのであれば使用や消費をしてもかまいません。

◆事業用の預金口座

名義が屋号の預金口座は解約することが望まれます。屋号の預金口座がいつまでも動いていると、税務署に「本当は廃業していない(事業所得の申告をしていない)」と疑われるからです。

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★廃業届の控は大切に保管しておく

税務署に提出した廃業届の「控」は大切に保管しておく必要があります。控とは、提出した届けの「写し」で、税務署の受付印を押印してもらったものです。この押印をもらうには、届けの提出時に「提出用の写し」を持参しなければもらえません。

この廃業届の控はいつ必要になるかわかりません。もしかしたら、「廃業した人に対する公的支援」の際に必要となるかもしれません。

★破産した場合

破産手続を依頼した弁護士の指示に従って確定申告をしてください。破産しても復活はできます!

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