【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
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通信費(個人事業者の勘定科目)

2022-02-11 22:00:00 | 所得税の確定申告
ネットが普及する前の1990年代までは、通信費といえば電話料金と郵便料金専用の勘定科目として用いられていました。2000年代になってネットによるデータ通信が音声や文書に代わって通信の主要手段になり、これに関する多種多様なサービスが提供されるようになってからは通信費で処理される項目も増えています。

〇インターネット回線利用料
〇プロバーダー料金
〇携帯電話回線利用料

今やビジネスに必須です。これらがなければビジネスが成り立たず、これらに関する料金が事業者の通信費の大部分を占めるようになっています。

◆通信関連費用(通信費に含めるべきか?)

データ通信には様々な関連サービスが存在します。データ通信の利便性を高める、用途を拡大するためのサービスです。レンタルサーバーや各種のクラウドソフトなどです。

これらを通信費に含めるかについては悩みますが、データを通信するための費用のみが通信費であると考えるのであれば含まれないことになります。また、これらを通信費に含めると通信費があまりにも高額になる、大きく変動するといった現象が起こってしまいます。それを考えれば、通信費に進めるのは純粋なデータ通信に関する部分に限定すべきです。

◆通信機器

通信機器(電話機やファックスなど)に関する費用を通信費に含めないのは、電話や郵便が通信の手段であった時代からです。データ通信に関する通信機器は、パソコンとその周辺機器、携帯電話がその代表的なものです。

通信機器は購入金額によって、減価償却資産(購入代金を複数の年度に必要経費として配分する)と消耗品費(購入代金を購入年度に一括して必要経費とする)のふたつに分かれます。

通信機器をレンタルあるいはリース契約で利用している場合には、賃料あるいはリース料を支払った都度必要経費として処理します。

◆通信費の一般的な推移

〇固定的に発生する
〇事業規模の拡大とともに増える
〇通信に関する新サービスの出現によって変動する

一般的に、通信費はこのような傾向で推移します。通信費は事業内容と規模からしておおよその発生額が推測できるのです。自身の通信費の推移がこの傾向と異なる場合には、特定の項目については別の勘定科目を使用する、あるいは推移の原因を説明できるようにしておくことが必要です。

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★郵便(郵送)と運送の違い
郵便(郵送)料金は「通信費」、運送料金は「荷造運賃」で処理することが一般的です。郵便(郵送)は「文書を送る」、運送は「物を送る」という違いがあります。しかし、郵便(郵送)で物(書籍など)を送ることもあります。これも通信費で処理すると、通信費の中に運送料金が混入することになります。

★DMの発送費用
DMを郵便で送った場合、その送料は「通信費」で処理することが一般的です。一方、DMの印刷代や発送代行料は「広告宣伝費」です。DMを大量に発送している場合には、通信費の金額はDMの発送状況によって大きく変動します。

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