【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

法人クレジットカードを利用するにあたっての経理上の注意点(費用を計上するタイミング?)

2012-06-21 17:00:00 | 勘定科目と仕訳
法人クレジットカード(会社名義で使用して会社の預金口座で決済するカード)を利用するようになってしばらくすると、クレジットで支払った費用の計上を「いつするか?」で悩みます。というのは、クレジットカードで買い物をすると代金は後払いになり、いわゆる「未払」の処理が必要となるのです。

経理の理論からすれば未払計上(通常は月ごと)が望まれます。しかし、未払計上をすると次のような問題が生じます。

★未払計上合計額とクレジット会社の利用明細の合計額との不一致

【1】未払計上合計額=特定の期間(例えば毎月の1日から末日まで)のクレジットカード利用額の合計

【2】クレジット会社の利用明細の合計額=特定の期間(例えば毎月の1日から末日まで)に加盟店から連絡があったクレジットカード利用額の合計

「特定の期間」が同じであっても【1】と【2】が相違することがあります。ほとんどの場合は【1】>【2】でしょう。そこで、未払金が消えない(次回以降の決済時に消える)という現象が生じるのです。

「未払計上を忘れていた(加盟店の領収書の入手漏れなど)」もあります。「会費」「利用料」「保険料」などはクレジット会社の利用明細でしか把握できません。これらの額が多ければ【1】<【2】となるかもしれません。

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◆確実な基礎資料の入手・保管とタイムリーな記帳が経理の基本です!(経理に王道はありません!)
「細かな(少額の)経費の出納帳への記帳が煩わしい」とい理由から法人クレジットカードを利用するケースが多いです。しかし、クレジットカードの経理処理は思いのほか複雑で、現金払いにしてその都度記帳するほうが楽かもしれません。

◆私的な買い物は厳禁です!
「便利だから、つい・・」と法人クレジットカード(会社の経費支払用)で事業とは無関係な代表者やその家族が負担すべき分の支払いをしてしまいがちです。この分は代表者に対する貸付金ですので、代表者は会社に返済しなければなりません。