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【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

社長の給料(役員報酬、役員給与)を下げるタイミング

2007-10-17 00:00:01 | 税務調査
中小零細企業ではよくあることですが、毎月の社長の給料(役員報酬、役員給与)を支払えない場合でも、帳簿上は社長に支払って直ちに社長から借りたという処理をします。つまり、社長にすれば受け取ってもいないのに税金(所得税と住民税)を負担するということです。さらに、社会保険料(健康保険と厚生年金の保険料)も負担になります。

しかし、目先の業績悪化、つまり一時の「悲観論」や「感情論」のみで社長の給料を減額すると、思いのほか早期に業績が回復した場合には利益が出て法人税を納税しなければなりません。これでは、社長の給料を下げたメリット(税金と社会保険料が減った)を吹き飛ばしてしまうことになります。

誰しも先のことはわかりませんが、迷わずに社長の給料を下げなければならないのは下記の場合に限られると思います。

■主要得意先との取引がなくなり、新規の取引先も当分は見つかりそうにない。

■社長のけが・病気、災害などで事業を中断せざるを得ない。

事業を継続する意思と体力がある限り、安易に社長の給料を下げてはいけません。少なくとも純資産の部がマイナスになる直前、つまり当初出資した資金(資本金)を使い切るまではがんばってください!!

【役員報酬と役員給与】
世間一般では、役員(社長や専務などの取締役)の給料を「役員報酬」といいます。「役員給与」とは法人税法(会社などの法人の税金)の概念で、そのうち損金算入される、つまり経費になるのは定期同額給与(毎月定額の給料)、事前確定届出給与(事前に税務署に届けた額のボーナス)、利益連動給与(上場企業の業績に比例した給料)に限られます。これは、役員の給料を変動させることによる利益操作=法人税額の意図的な圧縮を防ぐことが目的です。

【不祥事による減俸処分】
上場企業では不祥事を起こした場合、役員の給料が一定期間減額され再び元の額に戻されます。このような理由により定期同額給与(毎月定額でなければ損金算入できない)が変動しても損金算入は認められます。

【長期的な業績不振による減額】
当然、認められます。