お陰様で平成29年分の所得税確定申告も無事終了しました。確定申告に関してお伝えしたいことはたくさんありましたが、残念ながら確定申告期間中はそれができませんでした。またの機会にお伝えしたいと考えております。
それでは、久々の投稿をさせていただきます。
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企業経営者は、複式簿記や会計理論を離れて、自社の商品や販売形態からして合理的な売上計上の時点(日付)を考えてみなければなりません。
「この段階まで到達すれば販売をしたと考えて間違いがない」という時点を通過したならば、売上としてカウントするのです。
売上計上についての明確な尺度を確立し、それを遵守するということは、企業経営上の最重要事項であるといっても過言ではありません。売上計上のルールなくして、事業活動の成果を測定することができないからです。
★売上の計上は販売の時点にしなければならない(入金の時点に計上するのではない)
帳簿の作成を始めたころ、このことを知って、愕然とする人、反発をする人が非常に多いです。
販売の時点で代金を受け取る小売業などを除いて、ほとんどの業種では代金の受取りは販売よりも遅れます。ですが、売上の計上は入金に先行して販売の時点で行わなければならないのです。
例えば、事業年度が平成29年4月1日から平成30年3月31日で、平成30年3月31日に販売をして、代金の回収は翌事業年度の平成30年4月30日になった場合でも、平成30年3月31日に売上を計上しなければなりません。その事業年度に入金もないのに、売上が計上され利益が増えるということです。
これは「ルール」ですので受け入れるしかありません。このルールは、利益を抑えたい(法人税を少なくしたい)という場合には大変酷です。しかし、ルールなのです。
◇理由?
それは商慣習です。商慣習上、代金は後払いとなっているからです。
◇最終的に代金の入金がされなかった場合!?
大丈夫です。返品、値引き、貸倒れなどとなった場合には後から売上を取り消すことができます。
★業種別の売上計上日(例)
売上の計上が販売の時点であるとはいっても、「販売の時点」が何時であるかは、業種や業態によって異なってきます。
◆小売店
小売店の場合には販売(商品の引渡し)と同時に代金を受け取りますので、売上と入金の時点、つまり日付が一致します。しかし、顧客がクレジットカードでの代金支払いを選択した場合には売上計上が入金に先行します。
◆小売店以外で商品販売する場合(卸売業、ネットショップ、製造業の既製品販売など)
代金後払いの販売です。商品を引渡した日に売上を計上します。商品を発送する場合には発送(出荷)の日をもって売上を計上します。商品の発送を運送業者に依頼する場合には、運送業者が発行する受領書の日付で売上を計上します。
◆注文生産する製造業
注文生産する製造業の場合には、既製品を販売する場合と違って、製品が注文どおりに作られているかを顧客が点検(確認)する作業が必要となります。売上の計上は、この点検が済んだ日にします。
顧客が点検をしたことを証明するために、「受領書」や「引取書」などをあらかじめ用意しておき、それに顧客の署名と署名日の記入をしてもらいます。
◆ソフトウェア製作
既製品を製作して販売する場合には、商品を引渡した日に売上を計上します。その要領は、上記の「小売店以外で商品販売する場合」と同じです。
注文を受けて製作する場合には、完成したソフトウェアをユーザーが使用できる状態になった日に売上を計上します。
◆建設工事
受注した物件が完成し、引渡しをした日に売上を計上します。一軒家の建築工事でいえば、住めるような状態になったということです。なお、完成を見極めるのはあくまでも顧客です。
建設工事の場合は、この完成した日を明らかにするため、「工事完了書」などをあらかじめ用意しておき、それに顧客の署名と完成引渡し日の記入をしてもらいます。
◆サービスを提供する場合
サービスの提供が完了した日に売上を計上します。派遣業であれば派遣期間が終了した日、各種教室であれば授業が終了した日に売上を計上します。
◆ネットショップ(入金確認後に商品を発送)
ネットショップのほとんどが、代金の入金確認(クレジットカードの場合には決済確認)をもって商品を発送していると思います。売上の計上は商品を発送した日にします。
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それでは、久々の投稿をさせていただきます。
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企業経営者は、複式簿記や会計理論を離れて、自社の商品や販売形態からして合理的な売上計上の時点(日付)を考えてみなければなりません。
「この段階まで到達すれば販売をしたと考えて間違いがない」という時点を通過したならば、売上としてカウントするのです。
売上計上についての明確な尺度を確立し、それを遵守するということは、企業経営上の最重要事項であるといっても過言ではありません。売上計上のルールなくして、事業活動の成果を測定することができないからです。
★売上の計上は販売の時点にしなければならない(入金の時点に計上するのではない)
帳簿の作成を始めたころ、このことを知って、愕然とする人、反発をする人が非常に多いです。
販売の時点で代金を受け取る小売業などを除いて、ほとんどの業種では代金の受取りは販売よりも遅れます。ですが、売上の計上は入金に先行して販売の時点で行わなければならないのです。
例えば、事業年度が平成29年4月1日から平成30年3月31日で、平成30年3月31日に販売をして、代金の回収は翌事業年度の平成30年4月30日になった場合でも、平成30年3月31日に売上を計上しなければなりません。その事業年度に入金もないのに、売上が計上され利益が増えるということです。
これは「ルール」ですので受け入れるしかありません。このルールは、利益を抑えたい(法人税を少なくしたい)という場合には大変酷です。しかし、ルールなのです。
◇理由?
それは商慣習です。商慣習上、代金は後払いとなっているからです。
◇最終的に代金の入金がされなかった場合!?
大丈夫です。返品、値引き、貸倒れなどとなった場合には後から売上を取り消すことができます。
★業種別の売上計上日(例)
売上の計上が販売の時点であるとはいっても、「販売の時点」が何時であるかは、業種や業態によって異なってきます。
◆小売店
小売店の場合には販売(商品の引渡し)と同時に代金を受け取りますので、売上と入金の時点、つまり日付が一致します。しかし、顧客がクレジットカードでの代金支払いを選択した場合には売上計上が入金に先行します。
◆小売店以外で商品販売する場合(卸売業、ネットショップ、製造業の既製品販売など)
代金後払いの販売です。商品を引渡した日に売上を計上します。商品を発送する場合には発送(出荷)の日をもって売上を計上します。商品の発送を運送業者に依頼する場合には、運送業者が発行する受領書の日付で売上を計上します。
◆注文生産する製造業
注文生産する製造業の場合には、既製品を販売する場合と違って、製品が注文どおりに作られているかを顧客が点検(確認)する作業が必要となります。売上の計上は、この点検が済んだ日にします。
顧客が点検をしたことを証明するために、「受領書」や「引取書」などをあらかじめ用意しておき、それに顧客の署名と署名日の記入をしてもらいます。
◆ソフトウェア製作
既製品を製作して販売する場合には、商品を引渡した日に売上を計上します。その要領は、上記の「小売店以外で商品販売する場合」と同じです。
注文を受けて製作する場合には、完成したソフトウェアをユーザーが使用できる状態になった日に売上を計上します。
◆建設工事
受注した物件が完成し、引渡しをした日に売上を計上します。一軒家の建築工事でいえば、住めるような状態になったということです。なお、完成を見極めるのはあくまでも顧客です。
建設工事の場合は、この完成した日を明らかにするため、「工事完了書」などをあらかじめ用意しておき、それに顧客の署名と完成引渡し日の記入をしてもらいます。
◆サービスを提供する場合
サービスの提供が完了した日に売上を計上します。派遣業であれば派遣期間が終了した日、各種教室であれば授業が終了した日に売上を計上します。
◆ネットショップ(入金確認後に商品を発送)
ネットショップのほとんどが、代金の入金確認(クレジットカードの場合には決済確認)をもって商品を発送していると思います。売上の計上は商品を発送した日にします。
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