「ひいちゃん」ふるさと宮まつりで踊るの巻②

　集合場所でさんざん待たされたのですが、４時半にようやく花火が打ち上げられ、オープニングです。

　大通りの脇道にはそれぞれ、参加する幼稚園児が待機していて、そこから通行止めになった誰もいない大通りに入場していきます。
　保護者１名（ママ）と年中児である「ひいちゃん」は車も人もない道を進んで行けばよいのですが、ビデオカメラとデジカメ担当のアタシは見物人と通行人と稀に自転車なんかが通る歩道を、撮影のベストポジションを確保するために押し分け、掻き分けしながら後を追わねばなりません。

　　　　　

　広い大通りなのだから、歩道に近い車道の一部を撮影者用（見物人用でも良いのですが）に開放してくれれば楽なのに、演技をする定位置が決まったら、それを待ちかねたように誘導員が歩道から車道に下りて見物している人がいないかチェックをして、いたら歩道に上がれと指示を出します。
　もう歩道は満員電車のようで、撮影どころではありません。

　って言っても、撮らないワケにはいかないので、ビデオカメラのスイッチを入れ、前の人垣が映らないように右手を高く上げたまま撮影します。
　手を上げたままでも辛いのに、人に押されてもブレないようにカメラを揺らさぬ努力をするのは、"グッドパパ１０種競技"に入れたいくらい体力と精神力を要します。

　

　おまけにビデオだけでなくデジカメを左手で扱おうとするわけですから、スリし放題・痴漢し放題といった無放備な格好で、アタシは久しぶりに自分を褒めてあげたくなりました。

　で、主役の「ひいちゃん」は誰が自分を見ているのか判らないだろう不思議な空間（人ごみでごった返す大通りの歩道を見ながら）で上手に踊りきりました。

　

　おつかれ、踊った「ひいちゃん」。
　おつかれ、ハッピを作ったママ。
　おつかれ、アタシ。

（おわり）