イバラノツルヒコの華麗なる生活

ボンソワール、今夜も僕と素敵な話をしよう

試される感性

2005-02-12 19:04:24 | Weblog

ブログのデザインを変えてみたよ。実は、今までも白い背景にグレーの文字のつもりだったのだけれど、人によってとんでもなく見づらい配色になっているらしいと教えてもらったから。
今回のはできあいのを使ったから、大丈夫じゃないかな。
今まで読みにくかった人はごめんね。

ところで、出会いっていうのは不思議なものだと思わない?
唐突で面食らうかもしれないけど、僕は昨日実に奇妙な「出会い」をしてしまった。
駅前の「うめや陶器店」で。
そもそも僕は今までその店に入ったことがない。置いてあるのがほとんど和食器で、しかも民芸調というか、素朴でごつい感じのものが多くて、有体にいって僕の趣味とあわなかったからだ。

でも昨日僕は時間をつぶさなくちゃいけなかった。
それで、なんとなく店の中をふらついてみる気になったんだ。

そこで、「それ」に出会った。

「それ」は、簡単に言うと「亀のかたちをしたポット」だった。
でも実はポットだとわかるまでに一瞬以上の時間が必要だった、なぜなら亀の頭が蓋で、注ぎ口が前足(あしでいいんだろうか)、甲羅部分がお湯を入れる部分…と、良く言えばたくみに造形がなされていたからだ。

実に奇妙なシロモノだと思った。全体は、ちょうど信楽焼きの狸みたいな雰囲気。でも妙にポップな赤いスカーフを首に巻いている。きわめつけは、腹の部分に筆文字で「東京」と書いてある。

東京と亀。
亀と東京。

全然わからない。

素朴な民芸品にも、かわいいキャラクターにも、気の抜けた土産品にもなりそこねてしまったようなそれは、しかもものすごい存在感を持って棚に鎮座していた。

僕は思わずそれを手にとってしまった。
機能一点張りの、シンプルというよりは面白みのないデザインは好きじゃない。
だから、こういう「遊び心」とか「無駄な装飾」は嫌いじゃないはずだ。
こういうものを「面白いよね」と買える余裕が、
僕の求める感性ってものかもしれない、と思ってみたりする。

でも、明らかに僕の趣味とは違う。
というか、多分これは誰の趣味とも違うんじゃないんだろうか。
さらに言えば、何かの間違いなんじゃないだろうか、これは。

店には誰も、そう、店番のおばさんひとりさえもいなかった。
きっと、呼ぶまで出てこないつもりなんだろう。いかにもそういう感じの店だ。
こういう店だから、きっとこの亀も置いてもらっているに違いない。
もしかしたら、あることさえ忘れられて、もう10年もこうしている可能性だってないとはいえない。(かなりほこりっぽいし)

僕が買わなかったら、

そこまで考えた時に待ち合わせの時間がせまっていることに気が付いた。

それで、結局僕はそれを棚に戻して店をあとにしたわけだけれど。
今こうやってモニターに向かいながら、あれをもし部屋に飾ったらどうなってしまうのか考えている僕がいる。

パンサーとジャガーと亀がいる部屋。

ううん、困ったものだ。