保育所つくってネットワーク

保育園をつくって~! 東京都足立区のママたちが立ち上がりました!!

区との懇談内容(3月23日)

2015-04-04 | 足立区へ働きかけ
区の担当課(こども子育て支援課/子ども子育て施設課)の課長さん方と保護者たちで、3月23日に行なった懇談の内容について以下にまとめました。

青字が区の回答、緑字が親の発言です。

以下の区からの回答につきましては、課長さんにご確認をいただいています。

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足立区・近藤やよい区長殿

認可保育所のすみやかな増設と「保活」の負担軽減を求める要望書
2015年3月23日
保育所つくってネットワーク

日頃よりこども子育て支援施策にご尽力いただきまして、ありがとうございます。
平成27年度の保育園入園の申請が新しい制度(こども子育て支援新制度)のもとに行われ、2月の中旬に一次審査の結果が保護者のもとに届きました。申込み総数が4,315人と、前年比で500人以上も増え、1,600人以上の方が一次不承諾(待機)通知を受け取る結果となりました。二次審査、三次審査にあたって保護者たちは預け先の確保に奔走していますが、施設への問い合わせ段階で、小規模保育室や認定こども園への申請を断わられたり、保育ママには以前のように希望者が集まらないなどの事態がおきています。今春からの保育新制度の実施にともなう制度変更によって、「保活」に新たな混乱や矛盾が生じています。
私たち保護者に共通しているのは、就学前まで安全に健やかに成長していける環境を整えた施設に入園させたいという願いです。認可保育所よりも保育の基準が低く、2歳までしか通えない施設に入ったとしても、3歳以降の預け先が確保されないなど、不安で困難な状況を抱え続けることになります。保護者のニーズを的確にとらえて、今後の事業計画に反映していただくことを望みます。また保育の質を落として量だけを拡大していくことがないよう、万全を期していただきたいと思います。

[要望項目]

1.待機児童の多い地域にすみやかに認可保育園を増設してください。
先日の議会では、申込者のほとんどが認可保育所を中心に申請し、認定こども園と家庭的保育の0歳から2歳児で欠員が多数生じる一方で、待機児童が増加していることが報告されました。保護者のニーズと施設の供給にミスマッチが起きている状況です。また不況が続く中、共働き世帯や共働きを希望する世帯が急増している背景があります。これまで以上に女性が安心して働ける環境と、こどもの健やかな成長のための認可保育所が求められている現状に向き合い、認可保育所の増設計画をすすめていただくことを望みます。

(区)足立区では、地域の保育需要の状況に応じて、多様な保育施設の整備をしています。大規模開発や沿線開発等により全年齢にわたり相当多数の保育需要が集中している地域には認可保育所を設置していきます。千住地域は大規模マンションの建設が進んでいて、厳しい状況です。今年10月に千住河原町に1園と、来年の4月に千住龍田町と千住大橋駅周辺にそれぞれ1園ずつが開設予定です。

(親)少しでも増設していただけるのは、とてもありがたいです。ただ、今年の申請状況をみても圧倒的に足りていません。私たちは、預けられればどこでもいい訳ではなく、就学前まで保活を繰り返すことも大きな負担ですし、安全で安心できる施設に子どもを預けたいと思っています。


2.兄弟とも認可保育所を希望する世帯で、上の子がすでに認可保育所に入っているか、それとも認可外施設・サービスを卒園して下の子と同時に申請するかで、下の子の指数に差がついています。実態を調査し、不公平を是正することを求めます。
今回から認可外施設・サービスの卒園児にたいして4点の加点がつくことになりましたが、これによって、激戦地域では、上の子が認可保育所に入っていたほうが下の子の入所は不利な状況が生まれ、兄弟が別々の園に通うことになって大変だ、という声が増えています。そうしたケースがどのくらい増えているのか、実態調査を求めるとともに、適切な対処を望みます。

(区)指数のつけ方を変えることでほかの影響が出る可能性もあって難しい面もありますが、区のほうでも同様の認識をしていて、世帯ごとの指数ではなく、こども単位で指数をつけることを検討しています。

(親)懇談では、子ども単位の指数にすると、そこでも兄弟がばらばらになる可能性があるのではないか、という意見も出ました。たしかに、指数をいじることは難しく、だからこそ、認可保育園の増設が進まないことには根本的な解決にはならない、という話になりました。また、「兄弟加点」は同じ認可保育園ではなくてもつく、ということを確認しました。


3.小規模保育室と認証保育所の卒園児の加点について、施設の預かり年齢によらず、2歳以上の場合は加点をつけることで統一することを望みます。
今回の申請から、卒園児のみに加点がつくことになりましたが、「卒園児」とみなされる年齢が施設の預かり対象年齢によってまちまちになっていることが分かりました。保護者の多くは3歳以降の幼児年齢に達する時期には大きな施設に転園したいと願っています。認可保育所の3歳クラス以上に申請する場合は、在籍している施設の別を問わず、加点をつけてください。

(区)この点については今のところ変更する予定はありません。認証保育所からの転園児は通常2点の加点、卒園年齢児のみ4点、「卒園年齢児」とはその認証保育所の預かり対象年齢により異なります。


4.小規模保育、認定こども園、幼稚園での受け入れ態勢を整えてください。
一次審査で認可保育園への入園がかなわなかった方が認定こども園へ、また「標準時間」認定の方が小規模保育室への二次希望を出す際に、施設への問い合わせ段階で「お断り」をされるケースが出ています。認可保育所に入れなかった方たちへの緊急措置として、これらの施設での受け入れ態勢づくりを徹底してください。施設側に負担があるのであれば、適切な支援をしてください。

(親)具体的には、二次募集で区から紹介された認定こども園(幼稚園型)に問い合わせた段階で、施設側から「保育園希望の方は、園に合わないと思います」とお断りをされるようなケースなどがいくつかありました。なんのための新制度だったのか、という戸惑いの声が保護者のなかであがっています。

(区)認定こども園の件については、施設側にしっかり指導するようにします。小規模保育については、事業者が「標準時間(11時間)」と「短時間(8時間)」の枠をそれぞれ設定しています。「標準時間」の枠を多く設定した場合、その分の保育士を確保しなければならないため、事業者にとって対応が難しくなります。それから、「短時間」の方の枠を確保するという従来からの小規模保育室の役割を引き続き担ってもらっている側面もあります。その結果、保育標準時間認定枠の空きが無くなり、施設への問い合わせ段階でお断りをすることとなったと思われます。

(親)「短時間」の方の枠を確保するということの意義については理解ができます。しかし、現実に「標準時間」認定でも認可保育園に入れなかった方が目の前にいて、「短時間」の枠なら空いているという状況がある場合には、施設側に必要な支援を区から行ったうえで、柔軟な対応をしていただけないか、とお話してきました。


5.「連携」の構想について、早めの体制づくりと広報を求めます。
新制度の中ではじまった小規模保育・家庭的保育(保育ママ)から認可保育所(認定こども園・幼稚園を含む)への転園時の「連携」について、今回の申請でどのように機能したのか、公表をしてください。保護者にはこのことがまだ広く伝わっておらず、そうした施設に申請しにくい状況が生まれています。「連携」対象児が3歳以降の預け先からあふれることがないように、万全な体制づくりを求めます。

(区)小規模保育と保育ママが、卒室後の受け皿の役割を担う連携施設として、どの認可保育園、認定こども園、幼稚園と連携をするのかにつきましては、検討中です。

(親)「連携」という言葉があっても、3歳以降の預け先の枠が少なければ、今と同じような選考が連携対象児の間でも起こる可能性もあって不安があることを伝えてきました。またこの連携の仕組み自体を知らない保護者がたくさんいる状況なので、区のHPなどで分かり易い説明をしてもらうことをお願いしました。さらに、連携園は認可保育園とは限らず、認定こども園などになった場合は、園によっては10万以上もかかる入園費やその他の追加徴収があることなどもあることをちゃんとお知らせしてほしいと伝えてきました。


6.家庭的保育(保育ママ)の体制について見直しを求めます。
今回の申請から、保育ママも区を通しての申請・決定になりました。区が決定した児童の受け入れが課される「応諾義務」が、より個人的な関わりが強くなる保育ママの形態にマッチするのかどうか、疑問の声があがっています。直接会って信頼できるかどうか、相性が合うかどうかを確認した相手と契約できない現状に、保護者と保育ママの双方から不安の声が届いています。また、保育ママが預かれる年齢に達するまで、認可保育所への転園を希望しても加点がつかないという点も、保育ママへの申請にあたっての不安につながっています。こうした不安要素の解消と、必要であれば保育ママへの適切な支援を求めます。

(区)保育ママには、保育室見学の要望に応じるように伝えています。実際には保育ママと事前ミーティングして申請したケースは少なかったと聞いています。保護者が保育ママと直接会い、実際に確認した上で、保育ママを申込書に記入することにより、不安要素を解消していただければと考えております。


7.鉄道高架下に開設予定の「梅島保育園」(仮)について、梅田8丁目の都有地の利用を含めて検討してください。
平成28年1月に開設予定の「梅島保育園」(仮)に転園予定の保護者から、鉄道高架下の環境を不安視する声があがっています。東京都は認可保育所の増設のために都有地を廉価で貸し出すなどの積極的な施策を打ち出しており、この地域にはすぐ近くに利用できる都有地があります。こどもたちの生活環境を第一に考えて、都有地に認可保育所のための土地を確保することを求めます。

(親)高架下の「梅島保育園」(仮)にお子さんの転園が予定されている参加者のなかから、「本来は人が生活するようなところではないところに自分のこどもを行かせなくてはいけないことを申し訳なく思う」と、涙ながらの訴えがありました。「幼稚園はそういうところにつくらないですよね」という質問もありました。

(区)世田谷区の小田急線の高架下の保育園(認証保育所)を区の担当者で見学してきたところ、騒音や振動はなく、問題ないと判断しています。開園が遅れて申し訳ないと思っていますが、代わりに近隣の認証保育所(日生梅島保育園ひびき)を認可保育園に移行しました。都有地に造るよりも早く開設ができるため、高架下の用地を最適と考えています。

→以下のような質疑応答がありました。
(親)「窓は開けられるんですか?」(区)「それはわかりません」(→後日、区が東武鉄道に確認したところ、窓の開け閉めは行っているとのことでした。)
(親)「いくつの園を見てきたんですか?」(区)「ひとつです
(親)「耐震などはしっかりしているんですか?」(区)「高架の耐震は通常以上に強くつくられているので問題ありません。」
(親)「すぐ近く(梅田8丁目)の都有地に造って、高架下の園から移ってもらうということはできないのですか?」(区)「それは考えていません」

→また以下の意見が親から出されました。
「見学をしたといっても短時間の滞在だったんではないでしょうか。こどもたちと一緒に1日の長い時間を過ごしてみてほしい。」
「見学に行ったときの内容を情報公開してほしい。振動や騒音、日照などの影響の有無や、安全性について、親が納得いくような資料があれば、判断しやすいのではないか。」
「高架下が最適の選択というのは区の都合であって、親やこどもにとっては最適の選択とは言えないのではないか。」



8.保育の質を落として、量だけを拡大していくことがないように、民営の保育園にも指導・監督を徹底してください。
民間(とくに株式会社)が運営する園が増えるなかで、保育士の激しい入れ替わりのある園などに対して保護者から不安の声があがっています。こどもたちが安定した生活を送るためにも、保育士さんが継続して勤務できる環境づくりが重要です。儲け優先で、保育士さんの環境やこどもたちへの保育の質が低下することのないよう、区の指導・監督を徹底してください。
園庭がない保育園が増えていることも、こどもたちの運動不足や近隣の公園の混雑などに影響しています。都市部では「土地がない」と言われますが、実際には、足立区の園庭付き公立園が民営化されるときに園庭をなくされたり、都有地を利用しないなど、今ある土地さえ活用されていない現状があります。園庭のための土地の確保や保育園の運営について、区が積極的に関与してくださることを求めます。

(親)園の運営が儲け優先になれば、人件費の削減につながり、先生たちの入れ替わりが頻繁になることで子どもたちは落ち着いた園生活を送れなくなるという心配や、こどもたちにかかる経費そのものも削られるのではないかという心配の声があがりました。

(区)社会福祉法人や株式会社が運営する保育園が増える中、保育の質の維持・向上は行政の役割であると認識しています。民営の保育園についても、指導を担当する区の職員が実際に保育園を訪問し、保育内容等を調査し、必要に応じ助言・指導を行い、保育の質の向上を図っています。

(親)区がときどき訪問して助言・指導するにとどまらず、日常的に運営に責任をもてるように公立園を存続することも考えていただければと思います。また、園庭がない民間保育園がふえており、その土地を確保できるように、区がふみこんで対応すべきではないかと思います。

以上

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