銀河のサンマ

何でもあり

金木犀の眠りの香

2019-10-02 | 吾子のおはなし


 

21時、気温29度、室温70%暑くて眠りづらい

窓を開けていたがエアコンを入れたいと思った

ベランダで次女は未だくつろいでいる

薄暗い部屋のベッドでうつ伏せになり次女を待った

数分も経たぬうちに次女はうつ伏せの私の横にちょこんと座った

撫でてという

私は左手で指定された体の場所をあちこち撫でる

そんなぁ〜

私はうつ伏せのまま声をあげた

ふふっと次女は微笑む

ベランダでくつろいでいると思っていた次女

外気に漂う金木犀の香を纏い私の横に来たのだった

撫で香は部屋中を私の背中を包んでゆく

お母さん、日の入りが早くなってきました

夕方はなるべく早く帰ってきてください

声は遠ざかる様に消えていったが確実に耳に伝わった

わかったよ、と言えたか定かでない

次女の金木犀の眠りの香は、それほど私に覿面だった


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