窓をあけて灯りを消す
身を任せすようにベッドへ体を放る
微風で葛の甘い香りが漂う
虫の声が涼しい
気分が充溢してくる
「夜風よ、ひさしぶり」
今夜はこのまま眠る
窓をあけて灯りを消す
身を任せすようにベッドへ体を放る
微風で葛の甘い香りが漂う
虫の声が涼しい
気分が充溢してくる
「夜風よ、ひさしぶり」
今夜はこのまま眠る
金木犀の馥郁たる香りはゆるやかに消えてゆき
膝丈ほどの薔薇の花弁が風でハラハラ落ちてゆく
視界に入る少し先の銀杏の葉がもたもたと色づき始め
霜降らしくないが霜降らしくなるであろうモーメントを私は眺めている
遠くの山の山道の青白い街灯の光が秋の霞でたなびく
未だジワりと汗ばむ夜の秋虫の声は弱く寝つきにくい
羊を数えるより窄んだウリの花の数を数え香りを嗅ぎ
湿ったヌルい風に「明日は何輪さくでしょう」と呟く
ゆるい雨が降りはじめ遠くの山がだんだん姿を消して
山道の青白い街灯の光だけ残し夜が茫洋としてみえる
秋虫の声はすっかりおさまるも、ゆるい雨の声は快く
「こんどこそ、おやすみなさい」と隣にいる猫に囁く
※ 夕方の作業部屋に集まる子供たち
ど直球でくると構えるも変化球で挑まれ
変化球対応でと広く大きく構えていれば
みごとな強い直球で胸うち、とても痛し
ちょぼっとだけ打ちひしがれそうな夕暮
頭のうえの飛行機雲は長く長く尾をひく
柑子色に染まってく飛行機雲の先を眺め
ま、いっか。と深呼吸してまっすぐ帰る