銀河のサンマ

何でもあり

スーパーヒーロー

2018-08-01 | ものかたり

 

 

 

 


平凡な日常に嫌気がさした

いや、つまらない僕に嫌気がさした

強くて優しくて更に目立ちたくてスーパーヒーローになろうと決めた

1分30秒の瞬足で君のところに到着するよう筋トレに励んだ

会ったとき驚いて一目惚れしてもらおうとロボットダンスを覚えてみた

何だか自信ついて いざ君のもとへ


筋トレの効果あって1分30秒の息切れ無しで君のもとへ

ネクタイ整え君に会う

キレッキレのロボットダンスに驚いた顔した

イケると思った


キレッキレのロボットダンスを披露した後

僕は肝心な事を忘れていた

君に告白をするセリフの練習を忘れていたのだ

沈黙の「魔」の緊張感につつまれた


僕の後ろ姿はきっと切なく映っているに違いない

1分30秒で去りたかったが

そこまで強いスーパーヒーローで無かった


時が経ちふり返れば

つまらない僕は僕の

つまらない僕から抜けてスーパーヒーローになれたから

僕は君に会えたんだ

君の元まで1分30秒・・・笑えるほど瞬足だった

キレッキレのロボットダンス出来た姿の欠片もないけれど

つまらない僕はつまらなくなくなったんだ



 

 

 

 

 

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