クリスマスの夜、カメラ屋のおもちゃ売り場を通りかかると
人ごみの中に子供へのプレゼントとおぼしき商品をかかえてレジへ向かう
中年サラリーマンの姿、、、
いや、彼の家では彼こそがサンタクロース。
おそらく子供が寝静まった後、そっと枕元にプレゼントを置くのだろう。
そして明日の朝、子供がプレゼントをかかえ「サンタさんからのプレゼント」と喜ぶ、
そんな姿を想像して、ほっこりしながらその場を通り過ぎた。
と、
しばらくして、はかなくも悲しい過去の思い出がよみがえった。
我が家にサンタは来なかった。
そう、ただの一度も。。。
我が家は、決して金持ちというワケではなかったが
貧乏というわけでもなかった。
サラリーマンの父を持つ、いわゆる中流家庭である。
幼少の頃、ボクもご多分に漏れず枕元に希望のプレゼントを書いた紙を入れた
靴下を置き、翌朝サンタからのプレゼントを夢見る子供だった。
が、しかし
ついに一度もサンタは来なかった。
ウチには煙突がないからサンタさんが入れないのかなァ
がっかりする子供に母は毎年決まって言った。
「サンタさん来なかったねぇ~」
ん???
待てよ???
クリスマスプレゼントをケチってただけじゃんっっ!!
我が家にサンタは来なかった。
そう、ただの一度も。。。