私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

NYフィル、平壌から「新世界」(その2)

2008年01月14日 | 極東情勢(日本とその周辺)

台湾立法院選挙では各政党の得票率の差以上に議席数が開いたようですが(帰宅したらクリッピングはこればっかり!)、小選挙区比例代表並立制への移行と投票率の低さもそれに拍車をかけることとなったのでしょうか。何だか昨夏の我が国の参議院選(と、いうよりも郵政解散、総選挙が適切か)を彷彿とさせる感もありますが、仮に来週衆議院選挙があるとしても、積極的な決め手を欠くのは否めないなぁ・・・・

◆NYフィル、来月平壌公演 日本人富豪が資金提供(朝日)
◆北朝鮮初公演のNYフィル、韓国では冷遇?(朝鮮日報)
◆NYフィルの平壌公演が決定=NYタイムズ紙(朝鮮日報)

 

「チェスキーナさんは熊本出身の元ハープ奏者。ベネチア留学中に出会った夫のレンツォ・チェスキーナさんが82年に亡くなり、その遺産をもとにロシア・サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場指揮者ワレリー・ゲルギエフさんらなど自らが評価する数々の音楽家への支援を続けている」(朝日)とありますが、まさにこの人は、昨秋のマリインスキー歌劇場管弦楽団の熊本公演に私財を1千万寄付していた(お陰で同オケの福岡公演のチケットがS18000~C6000円だったのに対し、熊本公演のそれはS10000~B6000円と安かった!)んですよねぇ。そんな訳で個人的にあっと驚いたニュースなのですが、NYPの平壌公演への支援を行った件は、「先月の公演決定の際、同フィルが記者会見で明らかに」(朝日)されていたにも関わらず、先月の朝鮮日報はまるで無視して報じていました。
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・『公演費用について、錦湖アシアナとMBCは「通常の水準」として具体的な金額を明らかにしていないが、錦湖アシアナが北京-平壌-ソウル間のチャーター機費用約7億ウォン(約8480万円)を、MBCが演奏料と宿泊費など公演費用4億-5億ウォン(4850万-6060万円)を負担する模様だ』(朝鮮日報)
・『チャーター便を韓国のアシアナ航空が提供。MBC放送(韓国)も支援するが、2月26日のコンサート本体はチェスキーナさんの資金が支える。額は明らかになっていない』(朝日)
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全体の経費と熊本の例から考えると、チェスキーナさんは4~5千万程度の私財を提供したのではないでしょうか・・・・
捏造・歪曲は韓国のお家芸ですが、さらに信じ難いのは「ニューヨーク・フィル韓国公演を主催するMBCは、両団体の来韓公演を主管する企画会社2社に会場を譲るよう依頼した」(朝鮮日報)という件。2月28日のソウル公演を行うにあたり、先に会場を抑えていた「聖トーマス教会合唱団」と「啓蒙時代管弦楽団(エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団)」にMBC側が圧力をかけて会場を奪おうと試みた(世宋文化会館とソウル・アートセンターの二会場でしょうが)ようですが、こういう行為(発想)を異常とも思わず、臆面もなく報じている感覚はそれこそ異常!88年にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が来日した折、東京での三公演のうち一日だけ上野の東京文化会館での公演があったのですが、主催の梶本音楽事務所とサントリーホール側が先約の讀賣日本交響楽団に、「帝王カラヤンの来日公演なのだから、会場を譲れ!」と働きかけたなどという話は寡聞にして存じません。来韓公演を行う他の音楽家に対する敬意も礼儀もあったものではありませんし、常識が通じない「別世界」と言わざるを得ませんね・・・・

閑話休題、NYPの平壌公演に関しては、合衆国内でも「早計だ」といった批判意見も見られた(NYPの公演それ自体というより、ヒル次官補の「前のめり」な姿勢に対する批判というトーン)ようですが、チェスキーナさんは『米朝関係が改善する中、拉致問題の置き去りを懸念する日本国内の感情が気になったが、「関係を友好の方向に持っていき、そこから問題を話し合うという方法もあるのでは」とも考えたとのこと。指揮者のロリン・マゼール氏といえば、13年前の5月にピッツバーグ交響楽団との来日した折、国連友好大使として「神戸クラシックエイド」という被災者支援のチャリティー公演を行ったことが思い出されます。翌年のバイエルン放送交響楽団との公演にも無料で被災者を招待し、10年ぶりにNYPと神戸を訪れた一昨年は、「震災から立ち直った神戸を再訪するのは感慨深い」とコメントをしていました。マゼール氏は63年の初来日以来、毎年のように来日している親日家ですが、〝人情家〟でもあるのでしょう。「音楽」という世界共通の言語がもたらす「奇跡」を期待したい向きはあります。

平壌で演奏される交響曲第九番「新世界より」は、新天地アメリカにあるドボルザークの、故郷ボヘミアへの郷愁が漂う傑作で、第二楽章の〝サビ〟の部分は、「家路」「遠き山に日は落ちて」といったアレンジでも有名です。NYPの平壌公演が発表されて以降、この曲をCDで聴く度に何だかズキっとくるのですが、「異郷」にある拉致被害者らが、一日も早く「家路」につくことができることを祈るのみです・・・・

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1 コメント

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Unknown (むじな)
2008-01-15 03:22:27
トヴォ9番の第二楽章は、家路の第一主題部分よりも、その後オーボエ(だっけ?)で奏でられる第二主題のほうが好きだったりします。

それから好きなのは、リムスキー・コルサコフのシェへラザード第二楽章、ヴォルフ・フェラーリの聖母の首飾りの間奏曲。
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