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Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

リンドウ

2006-10-27 08:18:27 | 自然から学ぶ
 近くのため池にリンドウが咲いていた。リンドウを県花とする県は長野県だけなのかと思っていたら、熊本県もそうだという。県花とはいうものの、ちまたでリンドウを見ることはとても少なくなった。妻の実家の裏にあるため池でも数年前に見たが、最近は見ていない。管理のために草刈をする時期によっては、姿をみないまま秋が過ぎてしまうようだ。田んぼの土手でこの花を見た記憶は、子どものころのことで、もう何十年とない。やはりため池周辺がもっとも生育環境としては良いようだ。

 リンドウはリンドウ科リンドウ属の多年生植物であるが、品種がいろいろあるともいい、園芸種なんかも宅地の庭に咲いていることもある。しかし、自生しているものが少ないことは確かだ。山が紅葉を始めると、青紫のリンドウが咲き始めるわけで、赤や黄色の野山に映える。同属植物の根および根茎を乾燥したものを竜胆といい、苦味健胃薬としてヨーロッパ産のゲンチアナ同様に用いられるという。この竜胆に由来してリンドウと呼ばれるようだ。

 先にも触れたように県花であるということから、子どものころから覚えさせられた花である。だから、かつてなら長野県人ならリンドウのことをみな知っていたが、今の子どもたちにはどうなのだろう。里山ばかり長野県だから、リンドウがイメージとしては似合うのかも知れないが、その現物を目にできなくなると、親しみは薄れるのだろう。県花と同様に県鳥として指定されているライチョウにいたっては、名前は知っていても見たこともない人がほとんどかもしれない。ちまたには県○○に限らず、町○○とか村○○なんていうものもそれぞれ決められていたりする。その意図がどういうものなのか、大方の人たちは知らないことだろう。象徴としてそんなものが指定されているのも、大切にする、あるいは親しみを持つという意味では良いことなのかもしれないが、指定している以上は、例えば希少になるのなら保存する活動が必要だろうし、またいずれ希少になるのならあらかじめ認識を高めていくくらいのことはあって当然なのだろうが、現実的にはなかなかそんな活動は行なわれていない。では、何のための指定なのかということにもなる。どこにでもあるそんな県○○なるものの意図を教えて欲しいものだ。

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