かつて「長靴マニア」を記した。もちろん農作業、そして現場での仕事、と長靴を履くことが多いから、長靴にはけっこう気を使っているわけだが、実はそれ以上に数多く所持している仕事系のモノに“作業着”がある。これもまた、農作業と仕事では必須の道具。ずいぶん昔に記していると思うが、かつて会社に入ったころは、作業着で仕事場へは通っていた。それも会社から支給されたものは仕事に利用していたから、兄がいた会社の作業着をよく利用した。もちろん会社にマークが入ったもので、にもかかわらず我が社へ堂々と通っていたものだ。出先が小さかったこともあるが、周囲の先輩たちも、そのことを一言も指摘されなかった。現実的に会社から支給されたものだけでは間に合わないということを、皆がわかっていたからだろう。とはいえ、当時は毎年作業着が支給されていた。その後会社が傾くと、作業着は申請しないと支給してくれなくなった。そのころからだろうか、作業着を自費で購入するようになったのは。支給してくれなければ、あるいは面倒くさければ「自分で買う」となったのは必然的な動きと言える。自費で買うのは、サラリーマンにとってはスーツも同様だ。通勤着に作業着を着用していたから、それをどうとも思わなかった。
よその目が厳しくなってからだろうか、作業着を通勤には着用しないように、というお触れが出るようになった。とはいえ、出先では言われない限りどうということもなかったから、気にしながらも作業着はわたしにとっては普段着となった。しだいに周囲でも作業着通勤が少なくなってからは、作業着に代わる服として、作業着にも、普段着にも利用できるようなものを購入するようになった。ようは、作業着もどきの服で、現場にも行く、そんな時代が30代、40代だっただろうか。確かに作業着と、作業着もどきの服、とりわけスラックスは、値段も作業着とそう変わりはしなかった。当時購入したスラックスがタンスにはたくさん「作業着」として残されているし、今もって同じようなものをふだん着用している。いざとなったら、そのまま現場に行っても違和感のないモノ、というわけだ。
とはいえ、今は現場に行く際には着替えて作業着て行くようにしている。その場合の作業着も、支給品はまったく利用しない。なぜならば現場であるからこそ、動きやすいモノを選択したい。歳を重ねると、いっそうひとつの動きさえ疲れにつながる。疲れがたまらない、そしてよそ事に気をとらわれないモノが一番だ。かなり作業着にはお金を使っているが、スーツを買うことを思えば、安いもの。わたしの作業着専用のタンスには、たくさんの作業着がある。とりわけ草刈用は、ナイロンカッター刃を利用するようになってからというもの、勢い飛んでくる草の汁が作業ズボン見事に汚してくれる。もちろんふつうに洗ってもとれないので、見苦しい姿の作業ズボンが、それ用にいくつもため込んである。
そして、長靴同様に、あれやこれや、といろいろ試している。夏は涼しく、冬は暖かくも前述したように動きやすい、春秋は軽快に、と上着だけでも3パターンのものを用意している。もちろん、作業着マニアである。
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