昭和61年11月2日、夏見積田神社の獅子舞を見た翌日、やはり名張下比奈知名居神社の獅子舞を訪れている。名居神社の「ナイ」は地震の古語であるという。日本書記によれば推古7年に大和地方が中心の大地震があって諸国に地震の神が祭られたといい、伊賀では名居神社がそれであったと言われる。獅子舞は宵宮に2時間ほどをかけて行われた言うが、この時は本宮、ようは11月3日に行われた昼間の獅子舞を拝見している。本宮では頭屋において戸前舞が行われており、宵宮のものより短時間のもの。舞の流れは次のようなものである。
①拝む・納める 獅子に入る舞手の衣装は白(または黒)の長ジバンに白(または紺)のパッチ、白足袋でわら草履をはき、右手に五色の房のついた鈴と左手に白の御幣を持って、太鼓に合わせてゆっくりした舞を舞う。
②四方(しほう)神楽 ①と同じ扮装と持ち物で舞われ、四方に向かって鈴を鳴らし、周りを清める上下の動きのついためりはりのきいた舞。
③五段(ごたん)神楽 右手に鈴、左手に御幣を持って、 四隅と中央の五か所で悪魔祓いや厄払いのために舞う。
④剣振り(けんぶり) 獅子は右手に刀を持って、刀で周囲を切り払う所作をし、悪魔祓いや厄払いの勇壮な舞。
⑤獅子踊り 獅子は右手にハナ棒(色紙を両端に巻いた棒)、左手に御幣を持って獅子頭を左右に振りながら酔ったように舞う。
⑥天狗(てんぐ) 天狗面をつけて赤い陣羽織に鳥の被り物を頭に被り、右手に扇、左手にハナ棒を持ち、帯にゲジゲジを差した演者が登場し、休息する獅子の周りを滑稽な所作をして挑発しつつ回る。獅子と天狗とがゲジゲジをめぐって攻防を繰り返し、最後に獅子が鼻高のゲジゲジを奪って口にくわえる。
⑦荒舞 天狗を追い払い高揚した獅子の激しく、高低をつけた舞。
以上はウェブ上での宵宮における獅子舞の解説であるが、ずいぶん昔のため、本宮の頭屋で行われた舞について具体的な舞はよく覚えていない。流れは同じだが、頭屋でのものは省略されていたと思う。
写真には天狗が頭上につける鳥の被り物を撮影したものがあった。
ちなみにyoutubeに公開されている映像がある。
https://www.youtube.com/watch?v=3B-mLusqb1g
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます