Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

太陽光発電のこと

2018-09-01 23:23:33 | 農村環境

 「気付いたら家が太陽光発電所に囲まれていた… 突然の計画に戸惑う住民」は、産経ニュースの「太陽光発電は人を幸せにするか」シリーズの3回目だ。北杜市には太陽光発電が勢い増加しているという。日照時間が゜長いというともあって、太陽光発電の適地らしい。1回目の記事では、アルピニスト野口健さんの「美しい景観を壊してまでメガソーラーは本当に必要なのだろうか」という言葉を紹介している。市内に1500カ所を超す太陽光発電所が設置されているという、「太陽光発電」の華々しい先進地だという。とはいえ当然予想されたと思うのだが、「そこかしこに太陽光パネルがキラキラ光っている」状況になって、冒頭のタイトルのようなことになっている。

 「この土地はもとはモモやブドウ畑だったらしい。だが、ここで耕作をしていた地権者に農業を継ぐ人がなく」なって太陽光パネルの設置場所になっている。Googlemapで外観してみて、太陽発電のパネルがとても目立つというほどではないが、確かに北杜市には多い。冒頭の記事にある北杜市小淵沢町下笹尾あたりの上空からみたものがこれだ。北杜市はけして水田が少ないというわけではないが、畑作地も多い。水田<畑地帯にこうした問題が起きやすい、良い例だろう。

 同じことが我が家の周囲でも問題になった。何といっても太陽光発電施設を造っても、固定資産税が元の土地と変わらないという自治体の太陽光発電に誘導しようという流れに乗ったもの。結果的に北杜市同様に地域住民から問題ではないか、という声が上がって固定資産税は見直されたが、住宅地に隣接して並んでいる太陽光発電パネルを見ていると「暑いだろうなー」とつくづく思うもの。2016年の記事であるが、以前にも「わが家は地獄に変わった…「太陽光パネルで熱中症」”室温52度”」を読んだ。パネルの向きによっては住民にとっては大変なことになることは、設置前にも十分予測できること。

 北杜市長坂町下黒沢の新興住宅地は、各地から移住してきた人たちが住んでいるという。昨年10月に太陽光発電所から流れた土砂が未舗装の道を挟んだ民家2棟の浄化槽に流れ込んだという。太陽光発電パネルに落ちた雨は、そのまま浸透することなく流れ出す。降雨時の問題も、ふつうに予測できること。ようは、太陽光発電施設の影響を受ける宅地は、太陽の反射光、熱、降雨時といった、さまざまな点でリスクが高くなるということ。「大阪から引っ越してきて、ついの住みかと定めた家が、太陽光発電所ができてから、こんな感じです。太陽光発電所のオーナーは地元でコンビニエンスストアを経営する名士。私のようなよそ者が何を言ったってだめですよ」という言葉を紹介している。どこにでも発生しそうな地域内の軋轢である。

コメント


**************************** お読みいただきありがとうございました。 *****