Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

盲目社会

2018-04-22 23:35:19 | ひとから学ぶ

 いずれ地方が深刻な状況に陥ることは目に見えている、というかすでにそういう状況なのかもしれないが…。議員のなり手不足はどこも同じで、最近では伊那市市議会議員が定数と同数の立候補で無投票で全員当選した。市部においてもこんな状況て、町村ともなれば無投票は珍しいことではなく、定員に達しないことも稀ではない。こうなると、議員の質が落ちるのは当たり前で、考えてみれば選挙になったとしても、常識はずれの人が議員になることだってある。地方の議員などというものは、選挙ではなく話し合いで決めた方がまともな人が選ばれるのかもしれない。

 とりわけ近ごろのわたしの町の状況は深刻だ。行政に対して好き勝手なことは言うが、建設的に行政とともに町を良くしていこうという意見は見られない。問うことは誰でもできるが、一緒になって自らが質問する議題に具体的な案を持つ人はいない。結果的に行政の無駄な仕事を増やしているだけだ。たとえば最近のいっぱん質問を見てみると、自治会に関する質問が多い。それに応えるように、町は自治会への補助金を今年から増やすというが、増やしたからといって自治が高まるわけではない。自治会が「もっとお金が欲しい」といったら応じてしまう、そのお金でどれだけ自治組織が活性化するかといえば、目には見えないようなもの。それどころかばら撒いたお金が無駄に使われことも予想される。以前から繰り返しているが、行政と自治会というあり方については、将来を見据えて真剣に考えないと、このくだらない質問は時を費やすだけだ。こうした意見を見ていると、あらためて自治会は行政の末端組織なのか、と思えてくる。「住民のみなさんから区、自治会、隣組が大変だ」と言われて質問された方は、未加入者や脱会者への対応に対して町はどう考えていると問うが、そもそも自治組織は自らのできる範囲で事業を図るもの。今までそうだったから今まで通りにやる、それには大変だからお上に「なんとかしろ」、ではいずれやってくるさらなる深刻な時代に対応できない。そもそも住民だけでは成り立たないほど、行政外に住む人々の土地が世の中にはたくさんある。税収と住民という捉え方でみても行政は複雑な状況にあり、それ以外にも住民だけでは処理できない複雑な問題を抱える。自治組織は今後、そうした問題を含みながら処理していかないと空間維持は難しい。好き勝手なことを吐いているだけではダメなのだ、と解っていない議員がいかに多いことか。もちろん住民も、であるが。

コメント


**************************** お読みいただきありがとうございました。 *****