これはだめだ!

自信喪失、無気力な日本に”喝!”、反日、侮日に反撃、一矢を報いる。

前原議員、TPP参加の不公平な秘密交渉を暴露、日本に参加の可否を選択するオプションは無い

2013-03-22 | 政治・経済

前原議員、衆院予算委員会で秘密交渉を暴露
 
2013年3月11日 (月)の衆議院予算委員会で民主党の前原誠司委員が質問に立ち、51分の持ち時間の最後の約6分間、TPPの事前交渉および守秘義務などについて政府を質した。

 以下、TPP関連の質疑応答の模様である。

(前原委員)
 TPPについてでありまして、野田政権の時、私は政調会長をしていました。野田さんが私を初めに呼ばれて、野田政権で何をしたいか共有して欲しいとのお話がありました。
  その一つが、社会保障と税の一体改革
  二つ目が、原発の再稼動  
  三つ目が、TPP交渉参加でありました。 
  この3つは、とにかく野田政権でやりたいとおっしゃっていました。 

 その中で、我々が最後まで交渉参加表明ができなかったのは、なぜかというと、この間、お話したように我々与党でしたから、よくわかっていますよ。アメリカの要求というものは事前協議の中身というものが余りにも不公平だということ でありましたということです。

 車についてはたとえば関税、トラックの関税、車の関税についてはすぐにゼロにしない、猶予期間を設けるべきであること、それから安全基準については米韓FTAと同じ枠を設けるべきであるということ、それから保険については、はじめは、いわゆる、その、がん保険等の保険だけだと思ったら学資保険の中身を変えることもいろいろ言い出した ということであります。これは、中身について事前交渉で、これを、とにかく武装解除しなければ、アメリカの議会に通告しませんよと、でもそういう中身について我々は不公平であると、本来であれば、この自動車の関税の猶予なんということは、まさに本交渉でやる話であって、我々が農産物と相対しながらカードをお互いに出し合う形で交渉するんだという中で、我々は妥協しませんでした。

 これ、妥協して。まさか、交渉参加表明するということはないでしょうね。我々は交渉参加をしたいと模索しましたが、この条件ではあまりにも日本に不公平だということで、非対称的であるということで、我々は交渉参加を表明しなかった。

 そういう状況で、まして、交渉参加表明はしないでしょうね、総理  


(安倍内閣総理大臣) 
 まず、最初に申し上げておきたいことは、前原さんも御党も政府として交渉にあたってこられた訳でありますから個別具体的なことは申し上げられませんが、交渉の際に、交渉の際に、米国との交渉においては、その中身については、皆さんには守秘義務があったはずです から、今後も我々交渉をしていかなければなりません、交渉していることを、いちいち外に出していたら交渉になりませんからね。(表情がムキになる)そのことは申し上げておきたいと思います。エー、同時にですね。同時に申し上げればですね。えー、マー、このー、今回の共同声明において、共同声明においてですね、米国側に、そう、自動車等の交渉定義について、エー、センシビティーがあるということを、我々、認めましたが、同時に農業についてもセンシビティーがあることを、エー、認めさせさせた。これが第2段落であります。

 そして第3段落については、今、前原委員がご指摘があったように、すでに交渉が続いてきて、その交渉を今も続けるとうい、こういうことであります。
 同時に、同時にですね。我々は国益を第一に考えるわけでありますから守るべき国益はしっかりと守って行きたいと思っています。 

(前原委員)
  我々、与党の時には自民党から情報を出せ、情報を出さない中で、エー、そのー、交渉参加入りは決して許されないと、先ほど、エー、先ほど、話があったばかりであります。それを我々としては、エー、今、野党になりましたけれども守秘義務というものについてはですね、本当に国益にかなうかどうか、見切り発車をしないために私が申し上げているわけであります。

  最後の質問、菅官房長官に、最後の質問をします。エー、先ほどですね。あの、最後の質問になります。先般の質問の答弁の中で、この、いわゆるTPPに入った時のメリット、デメリットを国としての試算を統一的にやるという話、前の答弁ではですね、これ、江田賢司委員への答弁では、今、内閣官房でやっていまして、総理の表明材料になる時期に間に合うようにすると、総理の判断に間に合うように出したいと答弁されているのですが、その答弁でいいですね。  

(菅官房長官)
  私、今、議事録を持ってまいりました。その、私は、総理の表明する、しないか、まだ言っていませんので、そういう中で、総理の判断の時期に間に合うように出したい、これが私の正式の答弁です。
   ・・・・・以下、試算を出す時期に関する質疑応答、略・・・・・・。  

(前原委員)
 菅さんは約束を守る人ですから、この答弁どおりやってくれると信じています。国益を守る観点から私は質問しているのですよ。国益を損なうような形で拙速にやらないように万全を期して交渉参加入りをお願いして質問を終わります。
       以上、衆議院ホームページ
       http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=42476&media_type=

経済的なメリットは何も無い、米国のアジア回帰戦略の柱 
 
TPPに参加しても日本経済にはメリットは無い。日本の輸出を増やすというが、政府の試算をみれば10年後にGDPを0.66%増やすというが、年率ではわずか0.066%に過ぎない。TPPがGDPを増やす効果はない。 


 農産物など輸入品を消費者が安く購入できるメリットがあるが、何もTPPに参加しなくても日本が自主的に関税を軽減・撤廃すればすむことである。オバマ大統領は再選に際し、自動車産業が集まるアメリカ北東部の票が大きな役割を果たした。自動車産業に有利な条件を確保せざるを得ない。乗用車の関税は低いがトラックの関税は25%と高い。
 これが、衆議院予算委員会における前原議員が指摘したアメリカのごり押し、不公平の背景である。安倍首相にとってはどうか。経済政策の「3本の矢」のひとつ「成長戦略」の一環として位置づけたいが、農産物の市場開放に反対する農業関係者に配慮せざるを得ない。このため、日米両政府は、これらの点に配慮して政治的な成果を演出したのが2月22日の日米共同声明である。

 アメリカはアジア市場の門を開き、アジア太平洋地域の貿易体系とその規則に関し主導権を掌握することである。それとあいまって中国経済の発展によってもたらされる経済貿易秩序の変化に影響力を及ぼし平衡させ、政治的影響力を増大させることである。したがってTPPはアメリカの政治的、軍事的なアジア回帰と一体をなすものである。

      
記事に 「自動車の関税に関しては大筋合意した。 
        29分野の交渉の全体像は参加決定後の6月以降に判明
        既に決着済みの分野は受け容れざるを得ず」 とある。

 
                    2013年3月16日(土曜日)読売新聞朝刊3面

TPP交渉参加、日本は断れない
 
政府、大手マスコミはTPPの実態を歪曲し問題を矮小化し経済的な意味づけを与えているが、TPPは米国のアジア戦略、特に対中包囲網形成の一環であり、アメリカの政治的、軍事的なアジア回帰と一体をなしている。自国の防衛をアメリカに委ねている日本は米国が主導するTPPに参加せざるを得ない。これが交渉参加を論ずる前に課せられた制約条件である。参加するか否か経済的な損得を考慮して選択するというオプションは最初から無いのである。 


  安倍首相がTPP交渉参加の記者会見のあとの尖閣諸島領海へ侵犯を繰り返す中国公船に対処する巡視船の内部における緊迫した模様を放送していたNHKニュースは、日本がTPP交渉参加の可否を選択する余地が無いことを国民に周知させる狙いがあったのであろう。このニュースは日米関係を象徴的に示していた。朝鮮半島情勢然り、日本の周辺で緊迫した情勢が惹起すれば、日本はアメリカの誘いを断ることは不可能となる。TPP参加交渉は、日本がどれだけアメリカに譲歩すれば加入を認められるのかという程度ではないか。 

マスコミは報じない 国民が知らない秘密交渉、国益は守れない
 
 TPPとはいったい何なのか。安倍首相も含め、全体が分かっている人が日本に何人いるのだろうか。日本だけではない。交渉当事国でさえ、自分の国が何を交渉しているのか、国民は知ることができない。3月11日の国会論議であった。民主党の前原議員が、日米事前協議を暴露した。TPPの最大の問題点は、「農業」でも「聖域なき関税」でもない。交渉内容が国民に知らされないまま、決まってしまうことだ。

 事前交渉とは、何のためにあるのか。TPP交渉に参加する資格を審査する、というならまだ分かる。実態はTPP交渉に入る前の「武装解除」だったと前原議員は指摘した。実質的な通商交渉が始まっていたのである。その要求は従米派とされる前原議員にすら「不公平だ」と映るものである。

 自由貿易を掲げながら自国の自動車関税は下げない。それでいて米国から輸出する自動車には、安全基準の審査で特別なはからいをしろ、という。「OKしなければTPPに入れないぞ」である。こういう要求は日本の国内法なら「優越的地位の乱用」とされ違法行為だ。
 事前交渉とは、何のためにあるのか。TPP交渉に参加する資格を審査する、というならまだ分かる。実態はTPP交渉に入る前の「武装解除」だったと前原議員は指摘した。

 異なる文化を持ち、制度も慣行も違う国が経済取引のルールを作ることは必要なことであり、世界はその方向に進んでいる。問題はその決め方だ。フェアで、対等で、情報が公開されることが大原則だ。TPPの危うさは、ここにある。フェアであるか怪しい。対等ではない。情報はまったく公開されない。中身を知らない国会議員が、どうして交渉参加の是非を議論できるのか。
 安倍首相は「自民党にはさまざまな意見がありますが、いったん決まれば全員がひとつなって取り組みます」と、常々言っている。空々しい。
 前原議員は、国会でこうも語っている。「我々は交渉参加表明をしたいと模索したが、この条件ではあまりにも日本は不公平だということで、我々は非対称的だということで交渉参加表明をしなかった」。

 そして「これ、妥協してまさか交渉参加するなんてことはないですよね」と迫った。

 安部首相は正面から答えず、「前原さんも御党も政府として交渉に当たってきた。米国との交渉においては、中身においては、皆さんに守秘義務が課せられているはずです。交渉中のことをいちいち外に出せば交渉にならない」とした。 前原議員が「守秘義務」を破っても訴えようとした「不公平な交渉」は、翌日の大手全国紙はどれも報道しなかった。 

 TPPは協定が結ばれると、国内法制を協定と整合性ある形に変えることが迫られる。分野は貿易にとどまらない。薬品の認可や価格、食の安全表示の仕方、金融や輸送、知的財産、紛争処理超国家の経済秩序が各国の制度を規定する力となる。 TPPは、文化と伝統を背景に出来ている経済の慣行や制度を根本から問い直すものだ。改革のきっかけになるかもしれないが劇薬として力の強いものに有利に働く。 そうであるなら、国民的論議が必要だ。少なくとも国会に情報を提供して、議論されてしかるべきだろう。

 国民世論の支持を得ない秘密裏の交渉で日本側が米国と対等に渡り合えると考えるのは幻想である。安倍首相は、もどう見ても国民を騙しているとしかいえない。


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