これはだめだ!

自信喪失、無気力な日本に”喝!”、反日、侮日に反撃、一矢を報いる。

日朝会談再開 制裁を緩めることが北朝鮮にどれくらい魅力的に見えるか

2014-05-30 | 朝鮮半島

   ★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2014.05.26)
  北朝鮮は今どうなっているのか-東京連続集会79報告 (続)

 以下は、5月23日に、東京・文京区民センターで実施した東京連続集会79の報告(続)です。
 北朝鮮は4月、最高人民会議を開き、大幅な人事を行い、張成沢派をほぼ一掃しました。その後、事実上のナンバー2とされた崔竜海に代わり、黄炳瑞が登場したと言われます。ジャーナリストの惠谷治さんに北朝鮮は今どうなっているのか分析、解説していただきます。

◆制裁を緩めることが北朝鮮にどれくらい魅力的に見えるか 

西岡 実際、制裁を強めることに一番積極的だった安倍さんが再び総理になったのに、今交渉が始まった。 

 私がちょっと不安になったのは、日本が弱腰の交渉をしているから北が喜んで接近してきたというのは、大臣の談話を読むとないですね。 

 じゃあ一体北の狙いは何なのか。あるいは北がどれくらい苦しいのか。経済制裁はどれくらい効いているのか。北にとって、日本が国連の安保理事会が決めた制裁は置いておくとして、それ以外の制裁を緩めるということが、彼らにとってどれくらい魅力的に見えているのか。 

 魅力的に見えていないのなら安倍政権に接近してくるはずはないのです。もちろん我々には交渉の中身は分かりませんが、報道や声明や過去のものを合わせていくと、そういう疑問が出てくるわけです。 

 特に、後で潮さんから話をしてもらいますが、集団的自衛権の解釈を変えるということは北朝鮮にとってけしからんことなんです。「日本軍国主義が復活して再侵略をしようとしてくる」という枠組みでとらえるべきことを主導的にやっている安倍政権と交渉が今続いています。それをどう見るべきなのか。 

 長い前置きでしたが、そういうことをこれから3人で議論したいと思います。
まず惠谷さんに聞きたいのは、一言で言って張成沢処刑後の金正恩政権は安定してきたと見ますか、それとも不安定と見ますか。 

◆表面的には安定化しつつあるが統治資金が枯渇しつつある
惠谷 一言で言うのは厳しいと思いますが、表面的には安定化してきつつあるというのが私の大まかな印象です。ではなぜ安倍政権にすりよってきたか。それは間違いなく統治資金、外貨の不足です。それ以外の理由は考えられません。 

西岡 それをもう少し論理的に言うと、張成沢処刑も統治資金不足の背景と見ていますがどうですか。 

惠谷 そうですね。処刑の最大の理由は外貨を隠匿した、あるいはクーデター資金にためていたというのが処刑の最大の理由だと思います。その意味では、統治資金が枯渇しつつあることに危機感を抱いた金正恩が処刑したと言えると思います。 

西岡 それを前提に言うと、張成沢が統治資金が枯渇してきた中で、私に言わせると外貨が少なくなってきた中でパイの奪い合いが起きて、ナンバー2と言われてきた人間が処刑されるところまできた。 

 その後の収拾の過程としてこの4月の人事があり、ミサイル発射などがあったわけですが、この間の流れについて。表面的には安定化しつつあるように見えると結論がらみで言われましたが、この間の流れを見る中で具体的に評価していただけませんか。 

◆北朝鮮人民空軍のマークが描かれた「金正恩専用機」

惠谷 レジュメに帰って説明しますと、金正恩は何と専用機、新聞用語では「政府専用機」となっていますが、私は「金正恩専用機」だと思います。このお披露目は5月10日ですが、実は4月1日に初めて金正恩は飛行機のタラップから降りる写真を公開しました。 

 北朝鮮において、金日成時代から飛行機には乗っていますが、タラップから降りるという映像はありません。しかし、4月1日の映像を流したことで、金正恩は金正日とは違う、飛行機に乗れるんだという記事になったと思います。 

 しかしこの時は、高麗航空という飛行機会社の機体から降りました。しかし5月10日は、朝鮮民主主義人民共和国と機体に大きく書いて、通常高麗航空の尾翼には北朝鮮の国旗が描かれていますが、専用機では北朝鮮人民空軍のマークが描かれていて、「エアフォースワン」的なデザイン処理が行われています。 

 ウランバートルに横田夫妻が行かれた時に、ウンギョンちゃんはチャーター機で来た。その費用はおそらく日本政府が払ったのではないかと思いますが、私はそのことを思い出して、「あの時は専用機が使われたのではないか」と一瞬思ったんですが、今説明したように、4月1日も、それから3月15日にも、金正恩は、これは映像は公開されていないのですが、飛行機で移動しています。これは(韓国の)安企部情報です。その時の機体がどうなっていたかは分かりません。情報によれば小型機だったそうです。 

 4月1日に、三池淵(サムジヨン)という白頭山の麓に金正恩が行った時は高麗航空でした。ところが5月10日、これは西部作戦区域という北の表現で、おそらくオンジョン(温井)かブクチョン(北青)あたりの空港ではないかと思いますが、ここは近いんです。 

 私も乗ったことがありますが、平壌から一番遠い白頭山の麓まで飛行機で約1時間くらいです。1時間というのは、飛んだらすぐ着陸態勢に入る距離です。それが一番長い国内航路です。にも関わらずそういう専用機をつくる。これを考えると、いくら金正恩でもそういう余裕がないはずです。 

 それを考えると、彼はまだ中国訪問をしていませんので北京に行くため、あるいはもっと遠くのモスクワに行くための準備ではないかと思います。これも表面的には安定している面で、先々を考えていると見られます。 

◆ロシアに急接近した北朝鮮 

西岡 疑問があるんですが、外貨がなくなったことが張成沢処刑の原因だと思います。また北朝鮮は石油が出ません。飛行機にはジェット燃料が必要です。今まで金正日も金日成も国内移動に飛行機を使っていなかったですね。燃料だけを考えても、そんな移動のために貴重な外貨を使うというのは無駄遣いにはならないですか。 

 特に今年1月から3月までの中国側の統計では、北朝鮮への石油の輸出がゼロになっています。そういう中でわざわざ専用機を使い近いところに移動する。金正日は防弾装置付きの専用列車でしたね。列車を安全に走らせることができないくらい線路がおかしくなって飛行機に頼らざるを得なくなったのか、あるいは金正恩という人がわがままでお金がなくてもぜいたくをしたいのか。どっちでしょうか。 

惠谷 どっちかと言えば後者ですが、配布資料の「金正恩専用機の登場」の所で、3月7日から5月14日までの日程は、すべて空軍関係です。金正恩は去年までは砲兵隊視察が非常に多かった。ところが今年の春以降、空軍部隊の視察が連続しています。 

 当然空軍機が金正恩の前を離発着する。その機会が以上に多いんです。その中の1つに専用機も作ったのではないか。そのことだけで言えば、金正恩が今空軍に力を入れていることだけははっきりしています。 

 ではジェット燃料を含め、どういう風になっているのか。これはまだはっきりとは分かりません。しかし、ついでに言えば、配布資料の「朝露関係」があります。私は10数年、ある会社の年鑑で北朝鮮の1年間を振り返った記事を書いていますが、去年、北朝鮮とロシアとの関係を書くのに苦労しました。北朝鮮に一度もロシアの高官が訪朝していなかったからです。わずかに金桂冠が一度行っただけでした。 

 通常は高官の往来があります。しかし去年はなく、今年3月にロシアの大臣が訪朝し、さらに4月18日、ロシア下院が決議しており、ソ連時代の110億ドルの北朝鮮の負債がそのまま続いていたんですが、100億ドルを帳消しにしました。そして10億ドルを20年間で返すという決め事ができました。
 これは外貨で返すのではありません。北朝鮮は中国や旧ソ連やロシアからの借款を一度も返したことがないのです。金日成が健在の頃は、モスクワは毎年ではないですが、とにかく本人が行って借金を頼むからチャラにしてくれという交渉を何十年も続けてきました。 

 ソ連が崩壊してロシアになって以降は、そういう借款は出さなかった。しかしソ連時代のものが残り、しかも一切返さないということで下院が、これはもうしょうがないと100億ドル、約1兆円を帳消しにしたわけです。 

 その意味では金正恩政権にとっては非常に楽になったんだろうと思います。それから4月28日に、ロシアの副首相が訪朝しました。これも何十年ぶりの高官です。こういう動きの中でジェット燃料等もある程度できたのか、あるいはできる見通しが立ったのかと考えられます。 

西岡 つまり朝露関係で言うと、2013年度はほとんど動きがなかったが、2014年になって北の首相と、ロシアの極東発展相が会談し、ロシアが借金の棒引きに応じ、その後ガスパイプ建設のことがありますね。つまり北朝鮮の国内にロシア製の天然ガスを運ぶパイプを作る。ロシアが工事をするけれども北朝鮮が負担しなければならない部分は借金でやりますということですね。 

惠谷 建前としてはロシアに借金を返す。その資金を建設に投じるということです。但し、これに関して言うと、まだ新聞報道で政府の決定ではありません。 

西岡 天然ガスを北が大々的に買うというのではなく、韓国に送るためのパイプラインですね。 

惠谷 そうです。つまり北朝鮮は自国にパイプラインを建設させる。それはロシアがやるけれども、通過料をとれるわけです。何もしなくても外貨が入ってくるというのが北朝鮮にとって大きな魅力です。 

西岡 今年になってから、そのような経済関係が進んだ。それはまだ分かりませんが、一方で張成沢処刑後中国は石油を止めている。中ロ関係が悪くなる中で、安倍政権に接近したことと、ロシアに接近したことがパラレルで、金正恩として中国に頼らないで国を維持する方向での模索を始めたのではないか。 

惠谷 そう私は考えています。中国が3か月石油を売っていないと発表したKOTRAは、去年の朝ロ貿易が増えていると報告しています。張成沢の問題もありましたが、去年から貿易が増えているということは張成沢がいた時から、張成沢以外の人物がロシアとの貿易を増やしていたということが考えられます。 

◆すげかえても厚遇する金正恩人事
西岡 そしていよいよ人事のことを聞きたいんですが、特徴的なのが黄炳瑞(ファン・ビョンソ)が次帥になり、金正日が金正恩の側近につけた崔龍海(チェ・リョンヘ)、軍歴が全くなかった崔龍海を軍の事実上のトップの総政治局長につけたわけですが、今回金正恩は金正日が張成沢と並んで側近に付けた崔龍海を軍のトップから外して、自分の子飼いの側近だった黄炳瑞を軍のトップ、総政治局長にした。これをどうみますか。 

惠谷 張成沢が処刑される以前から、金正恩は、金正日、つまり父親が付けた側近あるいは後継者をどんどん外して、さらに新任した人物もまずかったとしてまた代えたりした。人事が猫の目が変わるように動いていました。 

 そしてだいたい自分の人事で、自分の側近を周りに備えたんですが、最終的にナンバー2と言われた崔龍海という男が手つかずで残った。それを黄炳瑞という自分の側近に近い男に代えました。 

 しかし、外された崔龍海は未だに金正恩の側近として、様々な視察に、驚くほど何回も随行しています。私服の時もあれば制服の時もあります。それまではずっと次帥の軍服を、大将の上の階級ですが、着ていました。外されて以降は、書記という立場で私服で、金正恩の隣に立ったり、座ったりしています。 

 軍の総政治局長という金正日の側近をすげかえたけれども、崔龍海は今の段階では非常に厚遇されています。外された人間がそれほど厚遇されているというのは過去に例がない異常な結果です。 

◆日朝協議をと取り仕切った国家保衛部の金元弘は健在 

西岡 それをどう思いますか。 

惠谷 張成沢とその部下は処刑しましたが、その半年前李英浩(リ・ヨンホ)という総参謀長、これは父親が付けた男ですがこれを外した。しかし、処刑はしていないんです。ある情報によれば地方で軟禁状態にあるようです。よくは分かりませんが少なくとも収容所に入れられたという情報はありません。可能性はありますが。 

 しかし、処刑したのは張成沢だけです。様々な理由で飛ばされた人間もある程度権力内部に、しかも中枢に置いているんですね。金正日なら一端飛ばしたら、二度と権力の中枢には置きません。金正恩の特徴は、人事で外しても側に置いている。私から見れば危険なのではないかと思いますが、逆に優遇することで安心しているのではないかと思います。 

西岡 4月9日の最高人民会議で決まった国防委員会の名簿が出ていますが、国防委員の金元弘(キム・ウォンホン)は金正日が金正恩に付けた側近ですね。治安担当者はほとんどクビになっているのに彼だけ残っている。  

惠谷 その通りです。最後の生き残りが金元弘です。西岡さんは国家保衛部を政治警察と言いましたが、分かりやすく言えば秘密警察です。その長官だけはまだ父親が任命した男が生き残っています。 

西岡 それが今回の日朝協議を実質的に取り仕切っているというのがこの『日本経済新聞』の記事です。この国家保衛部が交渉に出ていけるということについて言うと、『産経新聞』が一番先に書き、『読売』も書き、『TBS』も報道した。

金元弘は「金正日の遺言を守れ」という立場ですよね。そういう人間がまだ生き残っていて、拉致の交渉に何らかの関与をしていることをどう見るか。分からないですが、注目されます。 

惠谷 そうですね。西岡さんも言いましたが、表の交渉は外務省対外務省、これは国家と国家の交渉ですから外務省が担当する。しかし、もっと機微にわたる条件を話す時に裏交渉をやる。わが方は外務省ですが、向こうは小泉訪朝の段取りをつけた時も国家安全保衛部でした。その伝統があります。 

 しかも金正日時代を知っている金元弘が未だに部長である限り、拉致に関する交渉は日本にとってやりやすいのではないかと感じています。 

◆核・ミサイル開発責任者脱北か 

西岡 ミサイルのことは後で潮さんにも話を聞きますが、国防委員会を退任した3人の内、白世鳳、これも大変注目されると思いますが。これはどういう人物ですか。 

惠谷 北朝鮮には第2経済委員会という独特の用語があります。第1経済委員会は一般経済、国民経済のことですが、第2経済委員会は軍事経済です。つまり、ミサイルを造り、核を造る。その委員長が白世鳳です。 

 ところが、これは未確認情報ですが、張成沢処刑の前後に脱北者したと言われており、現在消息不明です。当然そういうこともあって退任した。その代わりに趙春龍というのが現在の第2経済委員会の委員長ではないかと言われています。未確認ですがおそらく間違いないと思います。この男が現在の核・ミサイル開発責任者です。 

西岡 この白世鳳がアメリカに亡命している、あるいは韓国に亡命しているという説が流れて関係者は大変緊張しました。白世鳳は核・ミサイル開発の責任者だった。完成してから軍に渡します。軍が開発するわけではありません。 

 では今どこまでできているか。どのくらいのミサイルと核爆弾を持っているかを全部知っている男が、張成沢処刑後姿を消した。消息が全然出てこない。そして人事から外れたということはファクト(事実)です。 

 これだけの大物ですから病死なら葬式が出るはずです。報道があるはずです。しかしそれがない。国防委員というのはある意味で名誉職ですから、入院中でも退任させませんよね。副委員長の呉克烈は何歳でしたか。 

惠谷 83歳だと思います。 

西岡 そういう歳でも置いておくわけです。だから落ちたということは張成沢一派として処刑されたのか、あるいは脱北したのか。これだけの大物で張成沢一派だとすれば処刑されたと名前が出るはずですが出てきませんから、処刑を恐れて逃げたという説が今の段階で有力です。そうすると、彼が持っている情報を誰が持っているのか。大変緊張するところですね。 

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